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「課題の分離」で育む子供の自立心

アドラー心理学に、課題の分離という考え方があります。
 
 課題の分離とは、自分がコントロールできること(自分の課題)とできないこと(他人の課題)は分かれているので、コントロールできないことに干渉するのはやめよう、ということです。
 こと子育てに関しては、子供の問題に親が口出しするのはよくないよ、ということになります。
 たとえば、勉強をしない子共に対して、頭ごなしに勉強しなさいと叱るのではなく、勉強するかしないかはその子の課題であることを認識し、自立するまで温かく見守るという姿勢が大切であるということです。
 
 もし、課題の分離をせず、子供の課題を大人が取り上げて、子供が自分の失敗から学ぶことを許さなくなると、その子供は自立することができず、失敗を恐れるようになり、勇気がなくなっていくことになります。
(アドラーは勇気づけに関しても、たくさんの考え方を提唱しています)
 
 だから、子どもの失敗を親が取り上げて、叱るのではなく、課題の分離をしてサポートをしていくという姿勢が、子供の勇気と自立心を育てていくことになるのです。
 
 子供が勇気を育み、自立的になってくると、他者に貢献することができるようになってきます。そして、それが自分のいる共同体のためなんだって素直に思えるようになることが、共同体感覚を持てるということです。
 
 塾の先生をして、多くの子供たちと接していると、子供の勇気を挫いてしまうのは、子供の課題に干渉しすぎることか、適切な承認がなされていないか、また、その両方か、に原因があるとことを痛感します。
 
 前者の問題は「課題の分離」であり、後者の問題は「勇気づけ」についてです。
 アドラーはこれらの問題に気づき、よりよく子供が生きていけるための提言を100年前からしていたと知り、その偉大さに感銘しました。
アドラーの名前は広く知られてきました。しかし、その理論はまだ広く知られていません。
 これらの理論が広く行きわたっていけば、勇気を持った子供を育つ社会になり、未来の社会はより良いものになるのではないかと思います。
私もアドラーの提言していることをよく噛みしめて、生徒さんと接していきたいと思います。

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