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社会・理科の選択(理科編)

 今回は、タイトル通り久しぶりに塾講師らしい記事を書いていく。

 「え?塾講師なの?」という意見もあるだろう。
そりゃそうだ。だって、記事の内容のほとんどが随筆で塾講師とは程遠い内容なのだから。

 一応、私自身は普段社会科を専門とした講師をやらせていただいている。
塾講師歴でいうならまだ4年程度のペーペーなのだが今まで100人以上の生徒を教えてきた。
 まだ、かなり少ない人数だろうが毎年共通テストを受けており、今24歳ということもあり受験期からまだ離れてると言われる年齢ではないのだ。そんな自分の視点から高校での社会・理科それぞれの分野の選択について述べていこうと思う。

 ①理科の選択

 まずは、理科の選択からだ。
 理科は、ご存知の通り生物・化学・物理・地学の四分野で構成されており、高校生になるとこの四つのうちから二つを選ばなくてはならない。
 文系なら基礎。理系なら専門をそれぞれ習得しなくてはならない。まず、この基礎と専門の違いはなにかという話なのだが、単純に難易度と範囲の広さの二つだ。
 まず、各分野で見たとき物理と地学については基礎と専門で範囲的にはほぼ一緒といってもいい。ただ基礎は広く浅くという言葉が適切で全ての分野を学習するのだが、その内容は正直中学内容に毛が生えた内容と言ってもいいだろう。しかし、それが専門となると文字通り専門性が高くなり、数式も問題の難易度も桁違いに上がる。
 例えで言うなら、基礎分野が高くてもレベル15前後のポケモンと対峙していたのに対して、専門分野はレベル80にまで上がる。御三家のポケモンならすでに二段階進化を遂げて奥義の一つでも覚えているような相手や伝説級のポケモンと対決するようなもんだろう。
 次に、化学だがこちらは少し内容が変わり、化学基礎で習う内容は専門では習わないものが多い。しかし、基礎の内容を学んでいる前提で話が進んでいくのも専門の特徴だ。つまり専門化学は、理論・無機・有機の三つを学ぶのだが、基礎の上にその三つの柱が立っているというイメージを持っていただくとわかりやすいだろう。
 そして、最後に生物だが生物は基礎と専門でほぼ範囲は同じなのだが基礎と専門それぞれに独特な範囲が存在している。つまり、基礎でどんなにその分野を学習しても専門では化学のように繋がりが薄いものということだ。例えば基礎で学ぶ免疫やホルモンはいい例だろう。この二つの分野は生物基礎を学習する上で外せない内容であり、花形と言えるだろう。
 そして、生物基礎と専門生物では暗記量は天と地ほどの差が出る。その差は専門生物は生物基礎の約5倍以上となる。一方で、計算量については他の3分野に比べるとダントツで少ないということも特徴の一つだろう。
 だから、暗記量の順位で言うと、物理<地学<化学<生物。計算量でいくと生物<地学<化学<物理という順になってくる。

 では、どのように選べば良いか。しかし、これは単純に暗記量・計算量で選んでしまうと後で痛い目を見てしまうのも理科の特徴の一つなのだ。例えば、この中で暗記量はそこそこで計算量もそこそこのレベルで習得できる分野が地学だ。地学は、正直難易度で行けばこの4分野の中では一番簡単だ。ポケモンリーグ四天王やワンピースの四皇で行けば一番最初の人というイメージを持っていただければいいだろう。しかし、この分野は理系であれば二次試験で指定分野となることはほとんどない。あるとすれば地学分野に関する学部くらいであとはほとんどない。
 また、扱う内容が地震・火山、天気、天文と扱いにくい内容ばかりだ。実際、中学生の頃多くの人がこの分野で痛い目を見ているはずだ。だから、単に簡単だからという理由で地学を選ぶと痛い目見てしまう。
 では、計算が得意という理由で物理を選ぶとどうだろう。確かに、物理はダントツで暗記量が少ない分、計算量がダントツで多いから計算力さえあれば解けると言われることが多い。しかし、それでは無理だ。物理は公式の意味、今起きている事象を正確に読み取り、分析する力が問われる。そうでなければ、せっかく覚えた公式も意味をなさない。
 例えば、この公式。

     F=ma(運動方程式)

これは、質量にどれだけ加速度をつければ力が生まれるという意味合いが込められている。
 すなわち力の部分と質量と加速度それぞれの辺で式を組み立てていく必要があるということだ。だから、これらの公式はただの公式と思って学習を進めてしまうとこのように痛い目を見てしまう。

 だから、理科の分野を選ぶことは単に暗記や計算で選んでしまうと簡単にボコられてしまうのだ。特に理系の諸君はその分野に直結した内容を大学でも学習することになることもある。
 また、文系で特に国立を志望する諸君にとっては、特に配点が低い理科に時間を取られてしまうという馬鹿げたことが起きてしまうこともある。
 では、どのように選べばいいのか。

 その基準は大きく分けて三つだ。

 ①先生の質
 ②あなたの各分野における適正
 ③それぞれの分野にどれだけ興味を持てるか

この三つだ。
特に重要となるのが①となる。考えてみてくれ。例えばどんなにあなたに生物の適正があったとしても先生が言葉を選ばなければクソであればその学習を進める自信があるだろうか。理科という科目は社会も同じなのだが正直難しくしようとすればどこまでも難しくできる。
 その代表例が生物であれば各医学部の問題や私立の問題だ。一つ例を挙げると、奈良県立医科大学の生物はすべて論述。それを完璧に解けるようになるためには当然先生の存在は不可欠だろ。そんな先生がクズであればどうだろうか。そう。合格というゴールにおいてかなり遠くなるだろう。
 だから、私は4分野全てをほぼ完璧に教えられるまでに鍛錬を積み上げてきた。

 だから、まずはあなたの学校や塾で各分野の先生を見たとき一番わかりやすく一番親身になってくれる先生の方の分野を考えるという手がある。
 次に②だ。そう。どんなに先生が良くても生徒の君にその分野の適正がなければかなりきついものとなる。だから、自分がどの分野に適正があるのかを見極めることも一つ重要だ。
 そして、最後に③だ。どんなに適正や分野に良い先生がいたとしてもあなたにそれを学ぶだけの興味がなければ厳しくなる。これは、正直②よりも重要になってくるだろう。確かに、②がなければどんなに興味があってもいずれ限界を迎えることがあるだろう。しかし、そこまでのレベルになれば正直他の教科で調整すればどうにかなることが多い。

 では、社会はどうすればいいか。それについては明日の記事でまた書くこととしよう。

それでは、また明日お会いしよう。

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