ジェントルマンと素敵な70代
「風により波が高くなる恐れがあるため、明日のクルーズ船のアクティビティは中止となりました」という連絡が入ったのは前日の19:30だった。
母がこのタビが決まってから1番に計画して予約して楽しみにしていた体験が、呆気なく出来なくなった
やっぱり、自然には勝てない
となれば、1日予定が空き、暇になってしまうはずだったが。
この日の朝も、活動開始は早かった
そして始まった、ジェントルマンのガイドツアー、大沼編。
遺跡をみて、おじちゃんの実家があったところも通って、翌日食べるはずだったジンギスカンを食べた。
北海道も、晴れている日中は普通に暑かった。
しかべ間歇泉にて、なぜか5枚分のチケットしか買わないおじちゃんは、中には入らないのかと思ったら、両手にソフトクリームを持って登場した
おじちゃんは一口も食べなかったのに。
ジェントルマンだった。
それから、大沼でアヒルボートをみんなで乗った。
私と妹が足で漕いで、おじちゃんが舵を取った
しょうもないアヒルボートでも、笑って楽しんでくれるおじちゃんは、やーっぱりジェントルマンだった
その後、祖母、三男夫婦、次女夫婦と食事に行った
三男夫婦にもお世話をしてもらっていて、小さい頃は家に泊まらせてもらっていた
おっきいお家の広い玄関のあの匂いは、何年経っても変わっていなかった
おばちゃんの優しさも、おじちゃんの面白さも。
アホみたいな食べ物を好む私たちが、チーズ天ぷらを頼むのを躊躇するぐらい、ここの人たちは質で食事を楽しむ
ラストオーダーだよ〜、もう頼みたいのないか?と言われ、メロンゼリーを頼んだら、おじちゃんとおばちゃんが消えた。
「笠松さんが払っちゃったよー🥺」と、おばちゃんが帰ってきた
おじちゃんはきっと、運動会でのかけっこも一位だったに違いない。
だって、人とスタートが違うんだもん。
ここでもやっぱりジェントルマンだった。
その後、「二次会だー!」と言って、三男の夫婦のお家で、祖母の誕生日をサプライズで祝った
カーテンに飾り付けして、クラッカーまで鳴らして、ケーキをプレゼントする、そんな計画を立てる70歳を超える夫婦たちがどこにいるんだ
そもそも、この仲の良さを見て、誰が血のつながっていない人がいると分かるのだろう
おじちゃんは、元子ちゃんが来たら飲もうって言ってたんだよと、白ワインをプレゼントしていた(おじちゃんは、ばあちゃんの妹の夫)
やっぱりジェントルマンだった
私たちお子ちゃまは、お酒の場から退出して、夜の函館の街を散策した
最後に記念にと仕事から帰ってきた母の従兄弟と写真を撮った
そこそこ飲んだのであろうおじちゃんは、顔を赤くしながらも、ダイニングの灯を照明代わりにして、私たちを照らしていた
お酒を飲んでもジェントルマンだった
9年前の出来事とこのタビの出来事を重ねながらホテルまでの道を3人で歩いた。
タビの終わりが見えててきてしまいナーバスな3日目の夜。
そんな気持ちも夜に駆ける八幡坂に置いて、これからサウナに行く。
#家族 #親戚#函館#旅行#日記#えっせい#思い出
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