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介護保険法第5条(ケアマネ試験第25回・問題3)を解説

こんにちは、 momoです。
この数日間は台風に振り回された毎日でした。

皆さんはいかがお過ごしだったでしょうか。
試験日が近づいてくるにつれ、過去問題集や予想問題集等の演習学習が中心になっている頃かと思います。

体調には十分に留意いただき、1日1日を大切にして過ごしていきましょう。

本日はケアマネ試験の第25回試験(問題3)から、『介護保険法第5条』について、そして『消去法を活用した解法』について解説していきたいと思います。



◾️ ケアマネ試験 第25回 問題3
「介護保険法第5条」について

早速問題文から見ていきましょう。

介護保険法第5条に規定されている「国及び地方公共団体の責務」として正しいものはどれか。3つ選べ。

1.国は、保健医療サービス及び福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策を講じなければならない。

2.国及び地方公共団体は、障害者その他の者の福祉に関する施策との有機的な連携を図るように努めなければならない。

3.都道府県は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるように、必要な助言及び適切な援助をしなければならない。

4.市町村は、要介護者等の医療に要する費用の適正化を図るための施策を実施しなければならない。

5.市町村は、地域において医療及び介護が総合的に確保されるよう指針を定めなければならない。



◾️ 介護保険法第5条の内容

介護保険法第5条には「国及び地方公共団体の責務」が記載されています。条文の内容は下記の通りです。

介護保険法第5条(国及び地方公共団体の責務)

・国は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるよう保健医療サービス及び福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策その他の必要な各般の措置を講じなければならない。

・都道府県は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるように、必要な助言及び適切な援助をしなければならない。

・都道府県は、前項の助言及び援助をするに当たっては、介護サービスを提供する事業所又は施設における業務の効率化、介護サービスの質の向上その他の生産性の向上に資する取組が促進されるよう努めなければならない。

・国及び地方公共団体は、被保険者が、可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、保険給付に係る保健医療サービス及び福祉サービスに関する施策、要介護状態等となることの予防又は要介護状態等の軽減若しくは悪化の防止のための施策並びに地域における自立した日常生活の支援のための施策を、医療及び居住に関する施策との有機的な連携を図りつつ包括的に推進するよう努めなければならない。

・国及び地方公共団体は、前項の規定により同項に掲げる施策を包括的に推進するに当たっては、障害者その他の者の福祉に関する施策との有機的な連携を図るよう努めるとともに、地域住民が相互に人格と個性を尊重し合いながら、参加し、共生する地域社会の実現に資するよう努めなければならない。

下記に要約をまとめます。

◾️ 国の責務:介護保険事業が適切に運営されるように、保健医療サービスや福祉サービスの提供体制を整えるための必要な措置や施策を講じる

◾️ 都道府県の責務:介護保険事業の円滑な運営を支援するために、必要な助言や援助を行うとともに、介護サービスの質や効率の向上を図る取り組みが促進されるよう努める。

◾️地方公共団体(国も含む)の責務:国や地方公共団体は、高齢者が住み慣れた地域で自立した生活を送れるよう、介護サービスの提供や介護予防に関する施策を医療や住宅に関する施策と連携させ、包括的に推進するとともに、地域住民が互いに尊重し合い、共生する社会の実現にも努める。

▶︎ 国が大きな指針や施策を決定して、都道府県が必要な助言や援助を行うことでサポートし、実施主体である市区町村(地方公共団体)が実務を行うという大枠を理解しておきましょう。


◾️ 従来は第1条・2条・4条から頻出項目として出題されていた

過去問演習や予想問題集を繰り返し演習していた受験生にとっては「条文問題は介護保険法の1条・2条・4条ではなかったのか」と心の中でツッコミを入れた方も多くいたことかと思います。

ただ、問1の「介護保険制度の考え方として適切なものはどれか」という問題に上記のエッセンスを含んだ問題は出題されていますし、最重要項目であることに変わりはありませんので、しっかりと理解しておくことが重要です。

「介護保険法第1条・2条・4条」について、下記noteでポイントをまとめた記事を執筆していますので、ご参照ください。



◾️ 『消去法』を活用しての解法

介護保険法の第5条の条文を理解・暗記していなくてもこの問題は『消去法』を活用して解答することができました。

ケアマネ試験の攻略において「正しいものを3つ選びなさい」と設問に書かれていた場合、「間違っている選択肢を2つ探す」ことで解答できる場合も多くあります。

この消去法についての解法も下記のnoteにまとめています。こちらもご参照ください。



◾️ 解答と解説

まず、解答からお伝えします。
正解は選択肢1、2、3となります。

□ 選択肢①

国は、保健医療サービス及び福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策を講じなければならない。

▷上記の旨が規定されているため正解。

□ 選択肢②

国及び地方公共団体は、障害者その他の者の福祉に関する施策との有機的な連携を図るように努めなければならない。

▷上記の旨が規定されているため正解

□ 選択肢③

都道府県は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるように、必要な助言及び適切な援助をしなければならない。

▷上記の旨が規定されているため正解

□ 選択肢④と選択肢⑤

市町村は、要介護者等の医療に要する費用の適正化を図るための施策を実施しなければならない。

市町村は、地域において医療及び介護が総合的に確保されるよう指針を定めなければならない。

▷ 上記の旨は記載されていないため不正解



◾️ 消去法の観点から選択肢④⑤を見る


まず、選択肢④を見てみましょう。


選択肢④の主語は「市町村」となっています。
そして、要介護者等の医療に要する費用の適正化を図るための施策を実施しなければならない。
と続きます。

まず、介護保険法は介護保険に係る制度や施策等を規定しているものです。

もちろん医療との連携や費用の適正化は重要な観点なのですが、『介護保険法の中で、市町村が主体となり、医療費用の適正化を図る措置を実施』という選択肢には大きな違和感を覚えます。

ですので、この選択肢④は不正解とすることができます。

そして、選択肢⑤です。

選択肢⑤の主語は同じく市町村です。

選択肢に目を通すと「市町村は、地域において医療及び介護が総合的に確保されるよう指針を定めなければならない。」とされています。

指針とは「 物事を進める上で参考となる基本的な方針や手引き」を指します。

そして、この指針というものは多くの場合国が定めるものになります。

ですので、この選択肢の主語は「国」となり、不正解の選択肢と判断することができます。

よって、正解は①、②、③の選択肢であると導き出すことができます。

このように、見たことがない問題文や選択肢と遭遇しても焦らないこと、そして消去法という解法で「正解ではなく不正解を探す」という解法パターンの武器を身に付けておくことで正解に辿り着ける場合も多くあります。

いずれにしても、過去問演習を中心に演習を繰り返し、出題傾向を把握するとともに、解法方法を身につけることがとても大切です。


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