1月5日 たかが人間
左頬に二つ。大きめのシミがある。
このシミを撲滅させるため
今日は前々から予定休を取り、
皮膚科に予約を入れていた。
シミ取りといえば
基本的に自由診療で全額負担になるため高額だが、ここは安い。
代々同じ場所で営んでいる病院は
場所代の出費がなく
経営が安定しているため
良心的な場合が多いそうだが(ネット調べ)
どうやらこの皮膚科もその類らしい。
処置室へと通され
診察台のうえで仰向けになる。
先生も私もゴーグルをつけ
さぁ今からレーザーを当てるぞ!と言う瞬間、
先生の動きがピタッと止まった。
「ここと、ここのシミで…
8000円するけど……いい?」
この大きさのシミが2つ。
ほかの美容皮膚科ならもっとかかるだろう。
しかし、「…いい?」とは?
なにより、なぜこのタイミングで聞いたのか?
おもしろい。
処置が終わると先生から
「もしかして実家は○○をしてる?」と聞かれた。
隣町に同じ苗字で
先祖代々資産家で有名な方がいるらしく
同じよう聞かれることがたまにある。
「はいそうです」と適当に話を合わせたら
資産家ネットワーク割引(?)が適用され、
無料にでもしてもらえるのだろうか。
先祖代々資産家たちの連帯感ってすごそうやなーと思う時がある。
親がお金を持っていたかどうか、
社会的ステータスがあるかどうかなどで
育ちや人間性の良し悪しをはかられ、
品のいい我々の「仲間」であれば大歓迎、
「それ以外」ならどうぞお好きにって感じなのかな。
ふぅん…
へぇ…
おっといけない、
新年早々ダークサイドにのまれるところだった。
「あの○○さんですか?」と聞かれるたび、
表面では「いいえ、ちがいますよ〜」とにっこり答え、
心の中ではナダルみたいな顔で
「アホらしーーー」と吐き捨ててる。
実家が〇〇だったらどうなのか。
お金がある家系に生まれたかどうかを確かめてなんになるのか。
それで人の何がわかるのか、
分かった気になるのか。
どうせ、たかが人間なのにね。
でもこんなふうに一々
「アホらしい」と吐き捨てなければ
心のバランスが保てないのだから、
私だって同じ物差しで世界を見ているということなんだろうな。
あーあ、やっぱりアホらし。
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