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高校に迷う中学生へ。そもそも高校の分類知ってますか?

こんにちは。30代フリーランスで元地方公務員(高校の事務の人)のひろかです。
今日は、長年仕事で携わってきた、高校について書いてみたいと思います。

中学も2年生になると、その先高校選択はどうしよう(もちろん高校以外の選択肢もあります!)と悩んでくる頃ですよね。
気になる学校や部活があれば、ぜひ夏休みに行ってみることをお勧めします。
最近(ここ10年くらい)の高校は、本当に多種多様になってきて、単純に偏差値が同じような数字だから同じような学校…ということは少なくなってきました。
高校も特色化しないと地域で生き残れないようになってきたんですね…。
私も仕事では「〇〇商業高校と〇〇総合高校のどっちにしようか迷っていて~…」という相談をたくさん聞いてきました。
でもそこでふと思ったんです…
「あなたが迷っている〇〇商業高校と〇〇総合学科高校、それって入学してからも全然違う学校だけど、大丈夫??」
今日は意外とみんなが知らない高校のタイプ分類について書いてきたいと思います。各学校の説明会ではまず説明されない話なので、ぜひ読んでみてください

分類1 「課程」で分ける

まずは、高校を「課程」で分類してみましょう。
課程は3つに分けられています。
(1)全日制課程 (2)定時制課程 (3)通信制課程
の3つがあります。どの学校も必ずどこかに分類されます。

(1)全日制課程

いわゆる、フツーの時間に授業がある学校です。
だいたい朝8時半ごろからスタートして、15時半ごろに終わるのが一般的です。地域や学校によっては、7時半から0時間目があるとか、放課後も補習があるなどの学校もあります。
※基本的に3年間で卒業できます。

(2)定時制課程

定時制というと、「夜間学校」をイメージする人も多いかもしれませんが、現在では「昼間に4時間だけ通う定時制」や「色々な授業を組合わせて朝からの日も昼からの日もある定時制」など、とてもバリエーションが豊かです。卒業までは3年以上と決められており、1日4時間通学するような学校では4年間で卒業するのが一般的ですが、授業の組み合わせや学校の課外活動などで3年間で卒業することもできます(4年以上かけて卒業することもできます)
※かつては4年以上で卒業でしたが、平成元年から3年以上になりました。

(3)通信制課程

学校に毎日通うのではなく、通信による教育で学校生活を送る学校です。かつては紙の課題を持ち帰って、郵送して…という学校が多かったですが、インターネットの普及によりネット配信授業など様々なサービスを展開しています。
主に公立であることが多い「通信制高校(狭域)」と全国展開している「広域通信制」があり、どちらも通信による教育だけでなく、年に数回(以上)は登校(スクーリング)をする必要があります。
こちらも定時制課程と同じく、3年以上で卒業することができます。

分類2 「学年制・単位制」で分ける

これが意外に落とし穴なのですが、この分類が違うと学校に入ってから成績の取り方が全く違います。それぞれに分類1・3と相性の良い制度もありますので、併せて紹介していきます。

(1)学年制

これは全日制・普通科の多くの学校で取り入れられていますが、学校での成績を決める際(単位認定)に、「その学年で学習すべき全ての授業を修了していないと全ての単位がもらえない」という制度です。
具体的には、国語や英語は得意だけど数学の授業で欠時になってしまって数学の単位が出ない…という場合には、数学だけでなく、国語も英語もその学年の単位全てが0になってしまう状況です。
この場合、生徒は「原級留置」(いわゆる留年)して、もう一度この学年をやり直すことになります。
全日制普通科や全日制専門学科でよくみられる制度です。

(2)単位制

こちらは学年制とは異なり、一つ一つの学習(授業)に対して単位認定を行います。
具体的には、国語や英語は得意だけど数学の授業で欠時になった場合に、国語や英語の単位は認められて、数学は次の年以降にもう一度授業を履修すれば良い、となります。
この場合、数学の授業が必修科目であれば、卒業するまでに単位を取得する必要があります。
単位制は全日制総合学科や定時制(昼夜)、通信制課程でよくみられる制度です。

分類3 学科で分ける

ここがおそらく多くの方がイメージできる「高校の違い」なのではないかと思います。(1)普通科(2)総合学科(3)専門学科の3つに大きく分けられ、学習内容には大きな違いがあります。
順番に見ていきましょう

学科についてはどのくらい違うのか、別に記事を書きましたので、こちらもあわせてみていただけると幸いです

(1)普通科

文部科学省の調査によると、7割以上の高校生が普通科に通っているといわれています。いわゆる「フツーの高校生」の勉強内容です。中学校の科目の延長と言っても過言ではなく、中学生でもイメージしやすいかと思います。

(2)総合学科

普通科目だけではなく、学校により特色のある科目を設置して、「自分の将来を考えながら高校で勉強をする」というタイプの学科です。学校により設置している科目もバラエティに富んでいて、「工業」や「農業」だけでなく、「茶道」「絵画」「リトミック」などなど…興味のある分野を選ぶことができます。

(3)専門学科

普通科目(だいたい全体の2/3くらい)に加えて、「専門的な教科」を学ぶことができます。工業高校や農業高校、商業高校がこれにあたりますが、情報高校(※)、水産高校、介護・福祉・保育の高校などバラエティに富んでいます。また、国際高校や科学、美術・音楽・ダンス、体育などの職業学科以外の学科が設置されている学校もあります。
(※)情報高校(学科)と名乗っている学科の中には分類上商業学科のところもあります。

まとめ

こうしてみると、今あなたが進学を検討している学校は①全日制課程なのか定時制課程なのか、②学年制なのか単位制なのか、③普通科・総合学科・専門学科のどれなのか、意外と答えられる人は少ないと思います。
自分が3年間を過ごす学校選び、偏差値だけでなく、「どんな過ごし方をしたいか」で考えてみるのも良いかもしれませんよ。

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