見出し画像

高校を学科で比べてみた

こんにちは
30代フリーランス主婦で、元高校で事務をしていた「ひろか」です。
前回の「意外と知らない高校の分類の話」に引き続き、分類の中でもダイレクトに学習する内容に直結する「学科」の違いについて、実際の教育課程表を例に書いていきたいと思います。

教育課程表とは…
学校教育の目的や目標を達成するために、教育の内容を児童の心身の発達に応じ、授業時数との関連において総合的に組織した学校の教育計画表のことで、これを見ると高校でどんな勉強をどのくらいするのかが大体わかるといいうものです。

全国の高校を分類してみたこちらの記事もぜひ読んでみてくださいね

0 おさらい(学科の種類)

本題に入る前に高校の学科はどのくらいあるのか、おさらいから入ります。
高校の学科は以下の3つに分けられます。
(1)普通科
いわゆる「フツーの高校生」の勉強内容です。中学校の科目の延長と言っても過言ではなく、中学生でもイメージしやすいかと思います。
(2)総合学科
普通科目だけではなく、学校により特色のある科目を設置して、「自分の将来を考えながら高校で勉強をする」というタイプの学科です。学校により設置している科目もバラエティに富んでいて、「工業」や「農業」だけでなく、「茶道」「絵画」「リトミック」などなど…興味のある分野を選ぶことができます。
(3)専門学科
普通科目(だいたい全体の2/3くらい)に加えて、「専門的な教科」を学ぶことができます。工業高校や農業高校、商業高校などがこれにあたります。

全体では普通科の学校が圧倒的に多い(約7割)のですが、総合学科や専門学科の学校は一つひとつの学校がとても特徴的です。

今回は、バラエティ豊かな都立高校のうち、教育課程や時間割(例)を開示している学校を比べてみたいと思います。

1 普通科高校の場合

普通科高校は、今回取り上げるにあたりどこが良いかなぁ(ありすぎるので)と考えたのですが、大多数を占める、「全日制課程・学年制・普通科」の学校を取り上げてみたいと思います。
今回選んだのは「東京都立松原高等学校」
学校の特徴は囲みのとおりです。

東京都立松原高等学校(全日制)
住所:東京都世田谷区桜上水4-3-5
電話:03-3303-5381
ホームページ:https://www.metro.ed.jp/matsubara-h/
「みんなの高校情報」によると偏差値は50
卒業後の進路は、大学約63%、専門学校24%、就職1%

こちらの学校の教育課程表はこんなかんじ。

国語や英語など普通教科が並ぶ普通学科の教育課程

3年生になると選択授業が多くなりますが、普通科目を中心に英語や数学などそれぞれ志望する大学の受験科目にあわせた科目が設定されているようです。
令和4年度から全国で学習指導要領が新しくなったので、それ以前の入学生とは授業の内容が変わっています。


2 総合学科高校の場合

総合学科高校の魅力は、なんといっても自分の興味関心にあわせて時間割を自分で組み、卒業までに必要な単位をスタンプラリーの様に集められる柔軟さにあります。
選べる授業も必修科目以外は多様ですが、卒業までの授業時間も限られているため、自分の進路を考えてコースのように選択授業を決めていく形式が取られている学校も多くあります。
今回は、総合学科高校の「しにせ」、都立晴海総合高校で教育課程表を見てみましょう。

都立晴海総合高校(全日制)
住所:東京都中央区晴海1-2-1
電話 : 03-3531-5021
ホームページ:http://www.harumisogo-h.metro.tokyo.jp/site/zen/
「みんなの高校情報」によると偏差値は54
卒業後の進路は、大学約63%、専門学校21%、就職1%

都立晴海総合高校の教育課程表はこんな感じ。

2年生から選択授業が多くなり、自分の進路にあった科目をコースで選択
系列選択枠は6つのコースから1つを選んで関連する授業を選択

あわせて実際の学校での時間割が分かりやすかったので掲載します。
晴海総合高校の場合には、6つのコースから自分の進路にあわせて一つを選択します。そのコースの設定がまた多彩なんです。(令和5年度入学者向け)
・情報システム
・国際ビジネス
・語学・コミュニケーション
・芸術・文化
・自然科学
・社会・経済
これは、大人でも学んでみたいと思うようなコース設定ですね…!
晴海総合高校では、コースにより必修となる「系列必修科目」とそれ以外に自分の興味関心や進路によって選択できる「自由選択科目」が設定されています。高校卒業後の進路をどうするのか、中学生の時点で決められないよ…という方には本当にぴったりの学科だと思います。



3 専門学科の場合

専門学科は、授業のうち、1/3程度が学科の専門的な内容に充てられている学校です。今回は、様々な専門学科の中でも数が多い工業高校で内容を見てみたいと思います。
都立蔵前工業高校は歴史ある「ザ・工業高校」。就職多めな学校ですが、就職先には大企業も多くOBも活躍している学校です。

都立蔵前工業高校
住所:東京都台東区蔵前1丁目3番57号
電話 : 03(3862)4488
ホームページ:https://www.metro.ed.jp/kuramaekogyo-h/
「みんなの高校情報」によると偏差値は47-48
卒業後の進路は、大学1割以下、専門学校2割程度、就職7割程度(学科により大きく異なります)

たとえば都立蔵前工業高校(建築科)だと教育課程がこんなかんじ。

1年生から専門的な科目がたくさん…

や「製図」「実習」など中学校では絶対に見なかった(普通科の高校でも当然見ない)授業がたくさんならんでいますね…
工業高校のような専門学科では、学校の授業を通じて2級建築士や自動車整備士などの資格を手に入れられるところがたくさんあります。その分普通科目が少なくなってしまいますが、インターンシップや特別授業など様々な社会とつながる学習があることが特徴です。
総合学科と比較すると、専門的に学ぶ内容が決められているので自由度は下がりますが、「将来はこの関係の仕事がしたい」とか「この関係のことがとにかく勉強したい」という明確な目標がある人にはぴったりの学科だと思います。
蔵前工業高校には建築科の他、機械科、電気科、設備工業科(クラスみたいなものですね)があり、それぞれに教育課程が組まれているのが特徴です。



4 自分にあっている学科・学校を見つけよう

学科によって勉強する内容がまるで変わってくる高校。
ぜひ各学校で勉強できることをしっかり研究して、自分の将来につながるような学校を探してみてくださいね。
学科以外の高校の違いはこちらの記事から調べてみてください。
皆さんの高校生活が素敵なものになりますように

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?