見出し画像

英語を探せ#13-米国教授の引退生活

 常識や行動を、違った観点で見直すような英語を探しています。米国のミネソタ大学時代の動物栄養学の恩師から近況報告が決ました。ミネソタ大学から転職したイリノイ大学を退職して、メキシコ近くのアリゾナ州の人口1200人位の小さな町に引っ越して、住んでいるようです。北国であるイリノイ州から、暖かいアリゾナ州の”Active Adult communities” 「元気な大人用コミュニティ」に引越したのです。米国ではシニアでなく"Adult"「大人」というようです。
 北国ミネソタの冬は長く、-30℃にもなり寒い、さらに日の出ている時間が短くなって8時間くらいで毎日が暗いのです。冬になると人々は太陽の光と暖かい南方に憧れています。イリノイ州もミネソタほどではないが、やはり寒い。
 ミネソタ州の他の知人は、夏は涼しいミネソタでいて、冬は南方のフロリダ州の別荘で生活する2つの場所での引退生活を送っています。中流以上のアメリカ人の引退生活は華麗です。
 恩師曰く“My wife and I now live in the sun and warmth of Arizona where we can get outdoors for walking, hiking, biking or other exercise nearly every day of the year” 「妻と私は現在、アリゾナの太陽と暖かさの中に住んでおり、一年中ほぼ毎日屋外に出て散歩、ハイキング、サイクリング、その他の運動ができます」。夫婦でゴルフ中の写真がついていましたので、ゴルフもやっているようです。中流米国人には人生をエンジョイする達人が多いようです。
 中流米国人の引退への準備は、若いころから倹約して、まず家を買い、毎月天引き定額で投資して、堅実に個人年金を増やしています。米国年金と合わせて万全です。さらに前に住んでいた家を売って、お金を作ったんだなあ、と思いました。私の知る米国人は堅実かつ不動産の売り買いも上手です。
 毎日好きなことだけする引退生活は、いいなあと思う反面、彼の能力・経験・知恵、動物栄養学への造詣の深さを知っているだけに、もったいないなあと思います。ミネソタ大学時代は動物栄養学はどう考えるかという"Essence"「真髄」と、"Be strong in science"「サイエンスを強くあれ」という言葉をもらいました。日本の飼料会社に勤務していた時、栄養学がわからないという不満足感を持っていましたが、彼の指導で栄養学のエッセンスと"Big Picture"「大局観」がわかったと思った時の喜びは今も覚えています。
 彼はまた”I still consult with a company on their sponsored research in Latin America."「私は今でも、ラテンアメリカのある会社の研究プロジェクトについて相談・指導をしています」。少しは彼のサイエンスでの能力や知恵をまだ活かしているようでホッとしました。
 米国の大学には定年はありません。自分で退職時期を決めます。衰える前に退職を決断します。誇り高い米国の教授達は、”Dead wood”「死んだ大木」になることを潔しとしないこともあると思います。”Dead wood refers to people or things that are no longer useful or effective.”「死んだ木とは、役に立たなくなったまたは効果がなくなった人や物を意味します」。
 さらに残り少ない人生(米国男性の平均寿命は73.2歳、日本人より8.3歳短い)く ”happy retirements” 「幸せな引退生活」を楽しもうという文化もあります。なお私のミネソタ大学時代の指導教授だった恩師は自分の農場を経営していることもあり、引退はしない、ただ少し”slow down”「減速、少しゆっくり働く」だけと言っています。
 興味があって、アリゾナ州のその地区について少し調べると、
“All the homes are in the southwestern adobe style. At 66, the median age of the population is older than in most places (indicating it is a popular retirement location)” 「すべての家は南西部風のレンガ造りです。 人口の年齢の中央値は 66 歳で、ほとんどの場所よりも高齢です (退職後の場所として人気があることを示しています)」。幸せな引退生活を祈るばかりです。惜しいなあと思いつつ。
引用、https://www.topretirements.com/reviews/ 

この記事が参加している募集

最近の学び

英語がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?