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ワクワクしながら、子どもへ「あいさつ」ができるようになりました!【退職直前にわかったこと❻】

私は品川区の義務教育学校に勤める教員です。3月で定年退職します。

教師を退職直前になってやっとわかったことを記事にしています。

ご存知の通り、義務教育学校とは小学一年生から中学3年生までが同じ校舎で生活している学校です。

年齢・発達段階で「おはよう」の伝わり方が違う!

私は、毎朝校門に立ち登校してくる子どもたちに「おはよう」と声をかけることをしています。
あいさつはコミュニュケーションの中で最も大切なスキルだと考えています。

面白いことに、同じ「おはよう」でも、小学一年生から中学3年生に対して伝わり方が全く違います。

私はその違いにとても興味があります。


小学校低学年に対する「おはよう」で最も大切なことは『目線の高さ』です。

身長の低い低学年の児童が見えている風景と、身長の高い大人や中学生が見ている風景は違っているはずです。

近い距離で中学生にする「おはよう」を小学一年生にしても「おはようございます」はほとんど返ってきません。ただ、少し距離をとって「おはよう」と言うと「おはようございます」と返ってくる確率が上がります。

これは、距離により、あいさつをする私の見え方の違いによるものだと考えられます。近い距離だと小学一年生には私の顔が見えていないのです。

あいさつの基本は目と目を合わせること。


そこで、身長の低い小学校低学年の児童には、その子の目線の高さに合わせて「おはよう」言うと、ほぼ全員が「おはようございます」と返してくれます。

しかし、中学生に同じように目線の高さを意識しすぎると「おはようございます」が返って来なくなります。おそらく、子ども扱いされているように感じてしまうからだと思います。中学生には少し大人扱いするような姿勢が大切なようです。

発達段階による差が面白いですよね。


「おはよう」を言うスピードでも、発達段階で差が出ます。

低学年の児童には、やはり「おはよう」をややゆっくり丁寧に、そして中学生に自然に言うことが大切です。

「おはよう」のスピードをいろいろと変化せて試してみましたが、やはり低学年にはゆっくりというか丁寧さが大切でした。中学生には自然な感じのスピード感の方が良いようです。

発達段階にあまり差が出ないのは、「笑顔😄」です。

小学生から中学生まで、やはり私が笑顔で「おはよう」と声をかけることが大切です。これも、いろいろ試してみました。無表情に機械的にで「おはよう」、笑顔で優しそうに「おはよう」など。(真剣に試してみました😆)


中学生が特に喜ぶ「おはよう」があります!

何だと思いますか?

それは、「おはよう」の前にその生徒の名前を言ってあげることです。

「〇〇さん、おはよう!」

特に、少し登校することに抵抗がある生徒には勇気づける効果があるようです。
卒業するときのメッセージカードに「毎朝、名前を呼んであいさつしてくれてありがとうございました。そのお陰でなんとか学校にくることができました」というコメントを何人もの生徒からもらいました。


こんなことを、毎朝考えながら校門で挨拶をしていると、教師の仕事がとても楽しく感じられます。


「おはよう」のようなどこにでもあるものの中に私の「幸福」が隠れているようです。

退職する直前になってやっとわかってきました。