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12月5日(ワーホリ日記)〜ビシソワーズスープとおふくろの味〜

今日は夕ご飯にビシソワーズスープを作った。
じゃがいもと玉ねぎ、それと牛乳、バターさえあれば簡単に作れるので、一人暮らし時代からヘビロテしているメニューである。

このスープの何がいいかって、あまり日本のレストランのメニューでも見かけないし(高級店とかは知らない)、でも自宅で簡単に作れて、それでいて、すごく"海外"な味がするからだ。

もともとこのスープの存在を知ったきっかけは数年前にドンキで購入したミキサー兼フードプロセッサーの説明書にレシピが載っていたことだ。

ミキサーを使ったメニューの一例としてビシソワーズスープが紹介されていた。
材料もシンプルだし、何よりそのオシャレな名前に惹かれて、一度試してみたら、ハマってしまった。それ以来ちょくちょく作るようになった。

ビシソワーズスープのレシピをネット検索すると、スープを裏ごししてよりなめらかにしたり、手間を掛けてつくるレシピもたくさんある。もちろん手間をかけた分だけ美味しくなるだろうが、僕の経験上、このスープは、レシピ通りに作らずとも、わりと大雑把に作ってしまっても大体おいしく仕上がる。それもこのスープの良い点だと思うのだ。

なので今回はかなりワイルドに作った。
今までで一番ワイルドに作ったかもしれない。

まずジャガイモの皮を剥かなかった。ビシソワーズスープはどのレシピでも基本的にジャガイモの皮は取り除くが、「ええい、入れてしまえ」という感じで皮は剥かずに調理した(この皮を剥かない習慣は現在の家のオーナーであるピーターの影響を多分に受けている)

そして、ほとんどのレシピで使用するコンソメも今回は使わなかった。理由はシンプルにコンソメがないから。味付けは塩に全部任せた。

そして、この家では軽量カップや秤なんていう利器を見たことがないので、牛乳やバターの分量も適当。味を見ながら調整する。

そして、出来上がった。

ワイルドビシソワーズスープ

うん、普通にうまい。
ジャガイモの皮さえ残っているものの、全然許容範囲(写真のスープ内のポツポツしてるやつ)。
そして、コンソメ不在でもジャガイモと玉ねぎの風味でちゃんとスープは成立している。味付けは塩で充分だった。
最低限の材料、最低限のプロセスで作ったにしてはなかなか上出来じゃないだろうか。
何でもモノは試しだなあと思った。

僕がお椀にスープを注いでテーブルにつくと、
そこでずっとパソコンをしていたピーターが
「スープはうまく出来たかね?」と尋ねるので、「うん」と答える。
「ジャガイモの皮は少し残ってるけど、まあ全然許容範囲かな」

「少し食べてみる?」と尋ねると、ピーターは「じゃあほんの少しだけ味見させてもらうよ」と言って、席を立ってキッチンに行く。

ピーターはスープをお椀にすくいながら「実は僕のお母さんも昔よくビシソワーズスープを作ってくれてね」と言う。 

「へー、そうなんだ」

このスープは実際に海外の家庭でも作られているんだな、となんだかうれしくなる。

そして同時に、それなら「おふくろの味」を知っているピーターには僕が作ったスープがどんな風に映るのだろうかと反応が気になった。

だいぶ大雑把に作ったからなぁ、、、
おれは普通に美味しく食べれるけど、何しろこのスープは海外が本場だからなあ、、
まずいと思われないといいけど、、、

ピーターはスープを入れたお椀を持って、食卓に戻って来て、さっそく一口食べる。

「うん、美味しい」

ホッとした。
「それは良かった」と僕が答えると、ピーターは少し含み笑いをしながら、

「あ、これ、お母さんのやつより美味しいかもしれんわ」と言った。




マジで!?(笑)

何だろう。
驚きと、おかしさと、うれしさが一緒に来た感情である。

いや、待ってくれ、

何かの間違いじゃない??(笑)

だって、スープはたしかに普通には美味しい。だけど、これ、僕のビシソワーズスープ歴の中でも過去一適当に作ったやつである。

それがおふくろの味を越えた?

えええ!!?(笑)

こんな片手間に作ったスープがおふくろの味を越えていいの?!

僕はおかしくて「Really?」と驚いていると、
ピーターは「スープに何かオイルでも入れたのかい?」と尋ねてくる。

「いいや、オイルじゃなくて、バターを入れたよ」と返すと、ピーターはスープを味わいながら「バターがいいのかもね」と真剣な表情でうなずいている。

え?え?
マジで!?
めちゃくちゃうれしいんだが。
だが、なんかおもしろい。

何これ??笑

しかし、何であれ、ビシソワーズスープの本場である海外で、少なくともある家庭の「おふくろの味」を越えたということだ。

聞き間違えじゃないよな?と思い、一応
「いま、お母さんの味より美味しいって言ったんだよね?」ともう一度確認したら、ピーターは「そうだよ」と言った。

やっぱりそうだった。


うれしい!!
でも、やっぱりなんかおもしろい。
何、この感情?!

「ちょっとおもしろいから、今日は日記にこのことを書くよ」と僕が言うと、「ああ、でもね、」とピーター。

「一応言っておくと、僕のお母さん、かなり料理が下手くそだったんだよね」


、、、


なるほど、そゆことね、、、


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