マガジンのカバー画像

(つぶやき小説) 真昼の夜道

25
続いたら、私がうれしい。不定期。
運営しているクリエイター

#夢

あなたは実家には帰りたくなかった。迷惑をかけてしまうのが嫌だったからだ。家族が気にしてはいないと、そのときはわからなかった。失敗した子ども。愛されていない。どうしてそんなことを思ったのか、わからない。きっと夢を否定されたからなのだろう。夢に気づくのが遅すぎた。(3558日)

あなたは思いつめていた。両親に夢を追いたいとはなしても、相手にはされなかった。当たり前だ。あなたはなすべきことをしていなかったからである。すべきこと、それは勉強をして生活を整え、仕事に就くことだった。あなたはそれが途方もなく遠いことにように思えた。そびえたった壁だ。(3548日)