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【ホラーサスペンス】自由きままなレビュー 第6回 【オーディオブック】

今回は「悪鬼のウイルス」著者:二宮敦人 ナレーター:田所日向、大森日雅、秋山諒 です。

人里離れた陸の孤島に夏休みにデートで訪れた4人の高校生。
そこには、武装した子供たちにより、占拠され、地下に監禁された大人が。
この村ではいったい何が起こっているのか。
高校生4人も子供たちに制圧されてしまい、監禁されるものと、子供たちの仲間となり大人たちを管理していくものに。
子供たちの支配の原因は?主人公たちは無事に村を脱出できるのか?
以上が簡単なあらすじとなります。

おもしろい設定ですよね。日本は狭い国ですが、小さな島も多いし、山も多い。
こういった社会から隔絶された地域がまだ残っていて、独自の文化や風習が残っているというのはホラーでは定番でありつつもロマンを感じますよね。
ぜったい迷いこみたくはありませんが。

さてこの「悪鬼のウイルス」ですが、監禁された大人は子供に命じられた仕事をこなしています。
この村でいう大人は18歳以上。
迷い込んだ主人公たち高校生4人は17歳が2人、18歳が2人で2人は監禁され、2人は子供の仲間になることを強要されます。

このシステムになった原因に由来するのですが、子供は大人を割りと平気で殺してしまいます。それが正しいことと信じています。

小説などに出てくる、殺人犯は大体おとなで、過去の嫌な出来事や、突発的な怒りなどで人を殺します。
しかし、殺すまでに葛藤があったり、悲しみが隠れていることもしばしばで、殺した後も罪悪感にさいなまれたり、人間味があることが多いです。シリアルキラーであっても幼い時に虐待を受けていたなどのセンチメンタルな描写があります。

しかし、この村の子供は悪い大人と判断したときは、無条件に殺してしまいます。殺すことにためらいはなく、それが普通だと思っているので、辞めようという提案もでません。恐ろしいことです。

子供たちだけで村を維持するのは難しい様子で、中には疑問を持つ子供もいるようですが、打開することはできずにいます。頼れる大人がいない中で、夜間に巡回したり、見張りをしたりする姿が一生懸命で、健気です。

この18歳から大人というルールは、この村で育った子供にも適応され、18歳になると監禁されてしまいます。
それをわかっているのに、大人を監禁し続ける謎。
いくら武装しているからといっても、大人が無抵抗に監禁され、仕事をさせられている謎。
さらに、この村に蔓延するという風土病。
謎が多すぎです。謎ってわくわくしますよね。

最後には、子供が支配するにいたった理由、大人がおとなしく監禁されている理由は判明します。
是非、読んで確認してください。

理由が判明すると、子供たちにも、大人たちにも同情します。
やっていることはめちゃくちゃですが、自分たちは正しいことをしていると思って行動している以上、辞める糸口を見つけることは難しい。
こういうのを確証バイアスというのでしょうか。
正しいと思っていることを疑うのは難しいです。

少しグロい描写もある為、苦手な方にはおススメできません。
読みやすく、一気に読みたくなる魅力がある作品でした。

夏休みなどに旅行にいくなら素直にディズニーとかいきましょうよ。
なぜ寂れた場所にいくのか。
だから事件に巻き込まれるんですよね。
みなさんも気をつけましょう。

ではまた。

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