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【MTG レガシー】 オリジナルデッキ「ダーク・オムニテル」が出来るまで! ~半年間の収集記~ 【初心者、復帰勢、自分と同じ親に向けて】

1.ドーモ、六条屋です。「X」のほうで先に報告させてもらったとおり、レガシーのオリジナルデッキ「ダーク・オムニテル」が(ほぼ)完成しました。いつもより、ちょっと頑張ったかも。

この記事を書いたのが、去年の10月末ですから、およそ半年に及ぶ長さの旅でした。
この「ダーク・オムニテル」は、“1枚数万円~の再録禁止カードは不使用。初心者、復帰勢向けに、それぞれがお求めやすいデッキでレガシーに参戦!”をモットーにする僕の作品では、かなり高価な部類に入ります。どちらかといえば、最新カードたちの圧が強めでな……。
僕自身も2人の幼い子どもたちの親であり、時間もお金も、完全には自由にならないのが本当のところ。毎月の“MTG予算”は……およそ1万円の内外だと思ってください。

小ちゃまがまだ1歳で
オムツ代も馬鹿にならぬ!

それだから「ダーク・オムニテル」に関しては、記事で何度も延べてきたポリシーに従い……「王道」で行きます。“数千円~のカードを、毎月、少しずつ集めていく”。
また、その過程(右往左往ぶり)を記録に残しておくことが、今回の記事の目的です。戦術・戦略論とは別の形で、これから自分のレガシーデッキを組もうとする誰かの参考になればと信じて。

始めます。昨年、10月時点での「ダーク・オムニテル」のデッキリストはこう!!!

2.あらかじめ、お断りをしておく必要があるのは、僕自身は少なくない割合で、デッキの基本パーツを既に持っていて、本当の0からのスタートではない点。
というか、僕が「青+黒」の打ち消し呪文と手札破壊呪文を満載した妨害重視のコンボデッキを好んで作る理由は、“そういう趣味”という以上に、集めるカードの色を絞ることで、デッキ間でパーツを共有し、環境に応じたデッキ数の水増しをしやすくするためです。

この辺りのカードは
「ドゥームズデイ」との共有パーツですね
自分が買ったタイミングより
2倍近くの価格になっていて
血の気がひいたわい

みなさんも、特に復帰勢の方は、すでに手元にある資産を可能なかぎり上手に活用して、デッキを作ってください!
たとえば、デッキ内で最大の高額カード《意志の力》4枚。これは僕は新しく購入する必要がなく、クリア済み。

僕自身がレガシーで復帰したきっかけで
戦う理由でもあるカードです

《金属モックス》は、当時は引退期だったはずなのに、なぜか1500円で4枚を購入しており、これもクリア済み。

10月時点のリストでは
4枚を採用してますが
そんなに要らないと思う!
さらに言えば《水蓮の花びら》型のほうが
キレは上で、値段も1/10だ

各種「フェッチランド」と《引き裂かれし永劫、エムラクール》《思考囲い》も「ドゥームズデイ」用の物があったので……これから集めるべきカードの“急所”が見えてきます。
僕が「ダーク・オムニテル」を作る場合、必要になる“数千円”級カードたちは、以下のとおり。
・《全知》4枚
・《鏡に願いを》4枚
・《実物提示教育》4枚
・《偉大なる統一者、アトラクサ》3枚

「ファイレクシアン・アイドル」の
エントリーだ!

おや、意外と少ないし、楽勝そうぢゃん! と思いかけたのは、僕もレガシー沼の毒を吸いすぎた証拠でしょう。
2023年10月“当時”、《全知》以外のカードたちは、いずれも5000円前後の強者揃い。前言撤回の吐血ッ! 毎月の予算1万円では、かなり厳しい。長丁場の戦いになるゾ。ここからMTG版の「価格.com」=「Wisdom Guild」との睨み合いの日々(半年!)が始まります。

○1ヶ月目、2023年11月。
最初のターゲットは、決まっていました。「オムニテル」の名の由来で、フラグシップカード、《全知》4枚です。
まず他の不足カードと比べると、かなりお手頃。絵柄や版にこだわらなければ、1枚が600円くらいで手に入ります。

ただし。ここだけは譲れないこだわりとして……当時の最新セット「エルドレインの森」、“おとぎ話”日本版の美麗な作品が欲しいぞ!(ワガママ)

わぁ……きれいだぁ(語彙の消失)
「オムニテル」の
文字どおりの顔ですから

入手性、値段の安さも大事。しかしこの遊びは、コレクションを楽しむ側面も少なくはなく、妥協できるところはそうしても、譲りたくない一線もまた大切。
まして、上のイラストを使いたいがために「オムニテル」という面があり、お得な出物を探すことにします。おおむね1枚が3000円前後で推移していたところ、某店で1枚が2000円、4枚を発見!
発送までに、なぜか半月待たされるという謎のお預けを食らいつつも、11月の予算で手に入れることができました。まずは第一歩。

○2ヶ月目、2023年12月。
当時は、「マジック・オンライン」上で《___ゴブリン》が実装され、「ゴブリン」の研究が一気に進んだ隆盛期。

奇しくも
「ダーク・オムニテル」完成と、ほぼ同日
5月13日の禁止改定でお亡くなりに……

家庭の事情でなかなかプレイ機会を得られないながらも、「もしこのデッキと戦うなら?」と考えた末、僕は「青黒ミラーストーム」の開発に着手します。(手持ちのエースデッキ「アーボーグ型ドゥームズデイ」は自らライフを半減させる性質上、「ゴブリン」の攻撃性に分が悪いと判断した)

この「ミラーストーム」は《鏡に願いを》を擬似的な《ヨーグモスの意志》として扱うデッキで、「ドゥームズデイ」では不可能な“《激しい叱責》を積める”高速コンボです。

詳しくは記事にて
対「ゴブリン」◎
各種のヘイトクリーチャー対策にもなる反面
《タッサの神託者》に頼る「ドゥームズデイ」には
積みにくいカード

思いついたデッキを次から次へと試したくなるのは、僕の悪癖なのですが、「ダーク・オムニテル」のことも忘れていたわけではなく……12月の予算で手に入れるカードは決まりました。
「ダーク・オムニテル」と「ミラー・ストーム」共通のキーパーツ《鏡に願いを》4枚です。

マナも協約コストも
まあ、繊細な呪文だこと!

これも「エルドレインの森」産のトップレア。平均値5000円程度を動いているところ、別々のショップで3000円~4000円の特価品を2枚ずつ見つけて、入手。ちと、月予算をオーバーしましたが、許容範囲です。そして他の追加パーツが少なくて済んだ「ミラーストーム」が先に完成。こんな実験↓もしていました。

○3ヶ月目、新年、2024年1月。ここから、パーツ集めの速度が落ちます。理由の1つが《実物提示教育》《偉大なる統一者、アトラクサ》の高騰です。

《実物提示教育》は、平均値3000円程度で長らく推移していたイメージがあったのですが、2023年4月末「ニューカペナの街角」にて、《偉大なる統一者、アトラクサ》登場。連動して価格が跳ねあがっており、一時期は平均値が6000円を上回っていました。この状態で4枚購入はキツゥイ!!!

こういうときは……待ちです! 他のデッキの育成を優先するッ!
ちなみに、新年に軽い気持ちで「X」にアップした「青黒ダークデプス」が異様なまでの反響を得てしまい、その姉妹機でもある「青単ダークデプス」の試運転が、この時期にやってた遊び。

それから、ひょんなきっかけで統率者のデッキを新調することになり、1月の予算の使い道は主にこちら↓になりました。《永遠神ケフネト》さまですね。

○4ヶ月目。状況が大きく動いたのが、2024年2月です。「カルロフ邸殺人事件」発売。「諜報デュアルランド」登場による、「青黒リアニメイト+スキャム」の台頭。

《渦まく知識》で
ライブラリートップに積んだカードを落とせば
事実上の《納墓》にもなるのだ
土地なのにズルいぞ!

「カルロフ邸殺人事件」は「ダーク・オムニテル」作成計画において、他にも大きな影響があるセットだったのですが……従来のリストからは修正を余儀なくされました。パワーカード《偉大なる統一者、アトラクサ》が使いにくくなるという判断です。

「ん?」

「青黒リアニメイト+スキャム」「ゴブリン」などの上位デッキへの対抗のため、環境に《もみ消し》が溢れはじめたのが、理由の1つ。よりマズいのが《悲嘆》+《再活性》パッケージが流行しすぎて、手札から《アトラクサ》を落とされたら、逆用されるリスクが高いこと!

仕方ない。まだ、待ちです。少なくとも《アトラクサ》購入は後回し。この時期からは「青単ステイシス」の実験をくりかえしており、そちらのパーツをちまちま購入していました。

○5ヶ月目。2024年4月。そろそろ、頃合いです。《アトラクサ》不在型、新「ダーク・オムニテル」の完成を目指していきましょう。デッキリストは、こう!

4月に購入した主なカードは、追加の《引き裂かれし永劫、エムラクール》(最新リストではエムラクールは1枚しか入ってないけど)、そして《狡猾な願い》を始めとした「ウィッシュボード」パッケージです。

日本語の新々枠がないのが残念

全ての呪文コストが0になる《全知》影響下、“インスタントスピード”でゲームを決められるのが、《狡猾な願い》ルートの利点。具体的な流れを書いてみます。
 《全知》→
 《狡猾な願い》→
 《火想者の予見》をサイドボードから手札に→
 《渦まく知識》《衝動》《狡猾な願い》をライブラリーからサーチ→
 《渦まく知識》で《引き裂かれし永劫、エムラクール》か《全知》をライブラリートップに置く→
 《狡猾な願い》2枚目でサイドボードから《蟻の解き放ち》を手札に→
 あとは《蟻の解き放ち》を連打、「激突」に勝ち続けて、勝ちです。

ウィッシュボード型「オムニテル」専用の切り札
手札の質が一発で最高レベルになり
下の《蟻の解き放ち》と合わせずとも
単体で採用するリストが多いです
攻撃を介さず、とどめをさせるようになります
こちらは採用しないリストも多いですが
《エムラクール》1枚型だとあったほうが無難かと
たとえ《エムラクール》に対処されても
《全知》をライブラリーに積めば「激突」に勝てるから

フィニッシュまで《もみ消し》を当てられるタイミングはなく、クリーチャー除去も無効。こちらの《実物提示教育》によって対戦相手が《悲嘆》《力線の束縛》《偉大なる統一者、アトラクサ》などをくりだしてきたとしても、誘発型能力をスタックに乗せたまま、その上から遠慮なく電光石火で勝つことができます。

「ダーク・オムニテル」の個性で武器、《鏡に願いを》は5~8枚目の《実物提示教育》であり……《全知》後の世界では自由にフィニッシャーや妨害札へと変換ができます。そのため、フィニッシャーである《引き裂かれし永劫、エムラクール》の枚数を極限に絞り、空いた枠を安定性や速度、妨害の強化に割けるようにしたのが、現行のリスト。

結果、《アトラクサ》不在でも問題なくデッキは機能するようになり……デッキ完成までの難関は、《実物提示教育》だけに絞られました。そして《実物提示教育》は、2月に「カルロフ邸殺人事件」にて「スペシャルゲスト」版が再録! それ以来、価格は明らかに下落傾向。千載一遇のチャンスです!

○6ヶ月目。2024年5月。ゴールデンウィーク明けに、特にお安くなっていた「スペシャルゲスト」版を購入しようとしていたのですが、子どもたちの相手で忙しくしている間に、目星をつけていた商品がタッチの差で売れてしまいます。ぐぬう。
仕方がないので、少し待っていると、晴れる屋さんで「コンスピラシー2」版が2500円! 脊髄反射で4枚を購入!!!

これね

プレインズウォーカーたるもの、デッキに合うイラストを選ぶのは、最高に頭を悩ませる問題! ある意味で、構築やプレイングよりも! 
はー、どうすっかな、と、かなりの時間、悩んでいたのが《実物提示教育》のイラスト問題。最初は「スペシャルゲスト」版と《全知》とをボーダーレスで揃えるのもオシャレかと考えていたのですが、ちょ~っと色合いが暗くてテキストを読みにくいのが気になっていたのですよね、僕個人の好みとしては「コンスピラシー2」版のほうが明るくてテキストを読みやすく……いや待てよ、デッキ全体の調和を考えるならば(時間加速級の早口)

ともあれ、デッキの核心《実物提示教育》の参入により、何とか「ダーク・オムニテル」は形になりました。ほぼ半年ちょうど。厳密にはマナ基盤に《地底街の下水道》などを調達する必要があり、完成度98%くらいですが、おおむね良し。
寄り道や迷走がありつつも、結果的には当初の予定よりも出費を大幅に抑えることができました。何しろ《彼女↓》を買ってないから。ふははは。

「……」
(ファイレクシアン・怒りの表象)

3.今日の記事は、“カードの価格が~”とか、“安売りで~”とか、全体的に品がないと思わなくも無いのですが。スマンな!
常々表明しているように、僕は「自分とよく似た感覚の誰か」のために記事を書きます。限られた予算と時間……「1枚数千円~のカードを少しずつ集めることでも、レガシーを楽しむことはできる」、このことを自分の身をもって紹介できればと考えていました。ほかの誰かの背を押すために。

とくにレガシーのデッキとは、心血を注いで編み上げられた、それぞれのプレイヤーの“魂の表現形”である……と僕は考えます。それぞれなりに美しく、僕はそういう美とテーブルをはさんで出会いたいのです。
いやいや、そんな難しいことを求めなくても、自分だけのデッキのため、カードを吟味し、少しずつ集めていくのは、それ自体が楽しい遊びです。少なくとも、この半年は楽しかった。
そして嬉しい。誰かに祝福をしてほしい。それが、この記事を書いた本当の理由かも。オリジナルデッキ「ダーク・オムニテル」はついに誕生日を迎えたのです。誉めてくれてもいいのよ?(えっへん)
さーて、あとは実践形式で、安定性を高めたいところですね! そのために、誰かと会いたくなってきました。
いずれ、どこかで、読者のみなさんと友人としてお会いするのも、多くの夢の1つです。この「ダーク・オムニテル」か、それとも別の作品を手にして。その日を楽しみに、機会を待ちます。それでは、また。

「今まで通りだ。」「待つのだ。」
ええ、そのとおり
そのことも、長い長い遊びの一貫ですから

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