【MTG レガシー】 「ダーク・オムニテル」の誕生日 その1 【初心者、復帰勢、自分と同じ親に向けて】
1.はじめましての方には、はじめましてを。いつも読んでくださる方には、変わらぬ感謝を。記事を開いてくださって、ありがとうございます。自分と同じ初心者や復帰勢向けに、入手性に優れて扱いやすいデッキを紹介するための記事を書いている“六条屋”と申します。
先日。《リッチの熟達》を活かしたおもしろデッキの開発中、《鏡に願いを》と《全知》との意外な相性に惚れ込んでしまい、(もとのテーマを虚空に放り投げて)調整を始めたところから、今回のデッキはスタートします。詳細は以下の記事にて。
まずは念のため、デッキビルダーにとって真のライブラリーで《全知》、世界中で研磨されて結果を残したガチデッキから、ゆかいな手作りオリジナルデッキまで、全てを網羅する「MTG Goldfish」で検索をしてみました。しかし、類似のリストは見つけられず。なんと。これは……新種のデッキかもしれん。
んで。途中経過を「X(旧ツィッター)」で報告したところ、意外なほど好評な反響をいただき……
よし、それならば……記事の宣伝をするチャンスだ!!?
いや、さらなる調整だ! 改めて、中間報告時点でのデッキリストはこう!
2.《鏡に願いを》をマスターキーにした、「青黒オムニテル」=「ダーク・オムニテル」。
詳細をご紹介する前に、2つほどご留意ねがいたい点が。
留意点、1つ目。今回の記事は「X」のほうを見て、遊びにきてくれた方が読んでいるかもしれない、という想定で書かれています。まずはその方のために、記事のポリシーの説明を。
この記事の目的は、初心者や復帰勢の方に、レガシー参入のきっかけにしてもらうこと(そして、いつか遊び相手になってもらうこと)。
そのため、数千円~のカードを中心に、それぞれのデッキを組めるようにしてあり、“再録禁止カードを代表とする超高額カードを使わない”というルールを設けています。たとえば、こういうカードですね。
もちろん、デッキが気に入ったのでさらに強さを極めたい方や、すでに資産として持っている方は《Underground sea》の採用を検討してください。後述しますが、選択肢が増えて、少し楽になる……かもしれません。
(さらにぶっちゃけたことを言うと、今回の「ダーク・オムニテル」に関しては、いちばん合うのはこの土地カードでは??? と考え始めていますが)
留意点、2つ目。僕自身が「オムニテル」に関しては「“ドがつく素人”である」点を大目に見ていただきたいのです。
僕はコンボデッキが好きで、「デッキを知っている」レベルには程遠いとはいえ、日常的に「Doomsday.wiki」を愛読しており、先人たちの知見を借りて、自分のデッキで遊ぶことができています。
しかし、僕が好んで用いるのは「黒い」デッキ。
「オムニテル」を始めとした「実物提示教育」系コンボデッキ、いわゆる「ショーテル」系に関しては、本当に0からのスタートです。おいおいおい……大丈夫かよ、俺。都合が悪くなったら、すぐに逃げろよ、俺。
さまざまに的はずれで血迷ったことを言い出すとは思いますが、それもふくめて、笑って楽しんでくださればと。これから記事を通して、少しずつ学んでいければと思っておりますので。
長々と失礼しました。新デッキ「ダーク・オムニテル」の話に移ります。まず「オムニテル」とは、前述の《実物提示教育/Show and Tell》を用いて、史上最強エンチャント・カードの一角、《全知/Omniscience》の早出しを狙っていくデッキ。2つのキーカードの名から「オムニ=テル/Omni=Tell」。
「ダーク・オムニテル」調整の参考にと、半年ぶんのデータをざっと見た限りでは、純正コンボタイプの「青単オムニテル」、もしくは《自然の怒りのタイタン、ウーロ》などを採用してコントロール寄りのプランもとれる「青緑オムニテル」が一般的。
5~8枚目の《実物提示教育》に《騙し討ち》を装備し、主に「青」と「赤」で組まれた「スニークショー」よりは、シンプルゆえの堅牢さや純粋な速さにおいて少し遅れをとる印象です。
しかし、いったん《全知》を通したあとの決定力、封殺力は凄まじく……まあ、この一言で表せます。奥義「《全知》=《エムラクール》」。
《実物提示教育》からの《エムラクール》直出しだと、対戦相手の手札から《孤独》や《残虐の執政官》が飛び出して逆転敗訴する時代なので、いったん《全知》を経由する意味合いは大きいです。
ほかにも、クリーチャーの攻撃を介さず、サイドボードのカードを引っ張ってきて、その場で勝つルートを装備できるのも特徴です。今回の「青黒オムニテル」では不採用なので、説明は割愛。
ただし。「オムニテル」の場合、キーカード中のキーカード《実物提示教育》が、デッキ内に4枚しかありません。《騙し討ち》を擁する「スニークショー」ならともかく、《渦まく知識》+《思案》+《定業》、時には《直観》まで使って探すことに。
そこで補色に「黒」を用い、5~8枚目の《実物提示教育》に「エルドレインの森」の新カード《鏡に願いを》を使えないかというのが発想の原点。
「黒」の切り札《暗黒の儀式》を用いれば、最速1ターン目、黒マナだけで撃てる《実物提示教育》の完成です。さらに優れているのが「協約」を使わずにカードを探すだけなら、対象のマナコストを問わないこと。そのおかげで《全知》後の世界ではフィニッシャーにも変換でき、無駄がありません。
《全知》前の世界で必要になるカードが、《実物提示教育》+《鏡に願いを》で8枚、さらに《全知》+《アトラクサ》+《エムラクール》で8枚。《全知》後の世界で必要になるのは、《鏡に願いを》+《アトラクサ》+《エムラクール》でこれも8枚。
《鏡に願いを》のおかげで、どのタイミングでも「8:8」になり、2枚コンボの黄金比といえるプロポーションです。美しい……。その恩恵は、安定性と速度の両立。コンボデッキの理想ですが……そう簡単にいかないのが現実。
《鏡に願いを》は構築時点での細工を要求してくる、気難しいカードだからです。
まずはわかりやすく、エンチャント・アーティファクト・トークンのいずれかを生け贄にして「協約」を達成しないと、色拘束がキツい《魔性の教示者》でしかありません。
勝利までまっすぐ駆け抜けたいコンボデッキにとって、速度を落とさずにこれらのパーマネントを準備するのは、かなりの難題。
また「①黒黒黒」のマナコスト自体も難物。上の「協約」用カードにスロットを割きつつ、最小の土地枚数で無理なく撃てるバランスを探らないといけないのは、なかなかのパズルです。
しかしまぁ、何とかなるかな、と考えました。前述した「Doomsday.wiki」にこんな金言が書かれているからです。
「ドゥームズデイとは、青単色のコントロールデッキである」
「黒黒黒」の《最後の審判》を擁する「ドゥームズデイ」が「青単色」というのは不思議な印象。しかし、たしかに黒マナが必要になるのは、《最後の審判》を撃つ瞬間(と、前方確認の手札破壊)でだけ。それ以外は青マナだけで充分に回るデッキです。
「ダーク・オムニテル」も本質は同じ。「青単色」の「オムニテル」が《鏡に願いを》を撃つタイミングでだけ、黒マナを必要とすると考えればいい。いつもありがとう。「Doomsday.wiki」。
中間報告版では、以下のカードをマナフィルターとして用意していました。うちの記事では、おなじみのカードですね。《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》。
また、マナ加速と「協約」達成用に《金属モックス》を採用。はじめは《水蓮の花びら》も併用していましたが、「協約」とは相性がよくありませんでした。なぜなら、使うと割れて、生け贄に再利用できないから。当たり前~。
それに《金属モックス》は「刻印」用に色がついたカードを要求してくるので、《水蓮の花びら》などの無色アーティファクトをデッキ内に満載しすぎると困った事態になりやすいです。
無色の《エムラクール》の枚数を減らし、《アトラクサ》を優先した理由でもありますね。《金属モックス》刻印で「青」と「黒」の両方を出せるようになり、《意志の力》のピッチコストに出来るのも良し。
《全知》影響下ならば、《アトラクサ》で10枚をめくってから《エムラクール》をサーチするルートがあり、決定力は同等に近いです。具体的にはそれぞれ0マナで、《アトラクサ》→《鏡に願いを》→《エムラクール》。呪文の連鎖でフィニッシャーを探すさまは、ほとんど「ストーム」の亜種。
そんなポイントを踏まえつつ、中間報告版よりも、さらに調整を重ねた形がこう!
3.地味ながら、改良点はマナベースですね。《沈んだ廃墟》の採用。「ダーク・オムニテル」は「協約」の種として《教議会の座席》を使いたいデッキでもあり、マナベースに割けるスペースは窮屈です。
そこで《教議会の座席》や「基本土地」の《島》からの青マナを、《鏡に願いを》詠唱時には黒マナに変換できるよう、《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》を採用していました。
しかし、勝つまでに1度は「黒黒黒」の《最後の審判》を経由する「ドゥームズデイ」とは異なり、「ダーク・オムニテル」の場合、《実物提示教育》から勝つルートも備えています。
その際、黒マナの供給が過剰になりやすく、《沈んだ廃墟》の出番です。《暗黒の儀式》から生み出した黒マナを《沈んだ廃墟》でフィルターにかけ、必要に応じて「青青」へと変換、《実物提示教育》用にできますから。
その代わりに弱点も明白で、《沈んだ廃墟》単体では色マナが出ません。採用は2枚で、《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》も1枚は続投。
ふぅむ……あと2枚ほど、デッキ内に青マナ源がほしい。しかし素直に土地を増やしただけではマナソースばかりを引く「マナフラッド」が頻発し、《金属モックス》や《意志の力》のピッチコストにも窮するようになりました。
このデッキには、土地でありながら、青いカードでもあるという矛盾した存在が要る……そこで今回のオシャレカード《海門修復》です。
表面が青いソーサリーでありながら、裏面が青マナを出せる土地で、デッキの要求通り。凄いな、言ってみるもんだな……。「ゼンディカーの夜明け」が生み出した両面カードを「ダーク・オムニテル」の潤滑油にします。《全知》後の世界では表面の大ドローでフィニッシャーを探す助けにもなるのが素晴らしい。
もちろん、この部分は《ロリアンの発見》+《Underground sea》に組み替えも可。
僕が極度の「基本土地スキー」なせいで、好みのイラストの《島》をずらっと並べる嗜好を持っているだけかもしれませんし。
メインボードはこんなところでしょうか。欲をいえばコンボを通すための妨害札と、「協約」用カードをもう少し増やしておきたかったのですが……デッキが64枚で許されるのなら、パーフェクトだったな!!!
ともあれ、果てしない一人回しの感触は……良好です。パワーがあり、さらに向上の余地がある。いや、本当に……“解決すれば必ず、どちらかが敗れる”「ドゥームズデイ」の感覚が抜けない身には、豊富なパーツ量を武器にして、“初撃の強襲を凌がれたら、即座に第2撃、第3撃”を放ち続ける“腰の太さ”が、なかなかに新鮮です。
(いつも使わせてもらっている、一人回しアプリがこちら↓。宇宙最高なので、ぜひ。イラストを手持ちのデッキと合わせられるのも嬉しいンだよな)
サイドボードの15枚は、開発に割ける時間の都合で、未整備。お分かりの方もいるかと思いますが「ドゥームズデイ」のものをほぼ流用しています。サイドボーディングの可能性の広がりにこそ「ダーク・オムニテル」の真価はあると考えてはいるのですが。
《鏡に願いを》4枚で4マナ以下のカードならライブラリーから直に撃てるので、対戦相手に応じたクリティカルなカードを高確率で叩き込めるからです。《滅び》の採用を真剣に検討できるデッキですね。
ともあれ、それは次回以降の記事で。現段階では、サイドボード後の武器は《黙示録、シェオルドレッド》の早撃ち程度に絞っています。
「ダーク・オムニテル」は、生まれたばかりのデッキです。まだ検討しておきたいことは多いのですが……今日のところは、このくらいで筆をおこうと思います。最後に改めて、あいさつと自己紹介をしておきたかったからです。
僕は復帰勢で、まだ幼い子どもたちの親でもあります。時間もお金も体力も、全てが自由にならないのが本当のところ。
趣味に使えるエネルギーは、人それぞれで違うのが当然です。それでも充分に、“「レガシー」を楽しむことはできる”。そんなふうに、同じような立場の誰かに伝えるため、僕は記事を書いています。
なかなか大会に参加するチャンスを得られなくても、こうして“新しいデッキを考えること”も、こうして“記事を作ること”も、「レガシー」で遊ぶことだと信じて。
白状すると、この「ダーク・オムニテル」は、僕が記事にした中では高額な部類に入るデッキです。
いや、こまりました。気づいたら《実物提示教育》などの基本パーツが高騰していましてな……。僕自身は他のデッキとの兼ね合いで《意志の力》《金属モックス》などをすでに持っていましたが、《鏡に願いを》《偉大なる統一者、アトラクサ》などの最新トップレアたちも圧が強いことよ。
うーむ。毎月の「MTG予算」をやりくりしつつ、少しずつパーツを買い揃えていくか……。代用カード=プロキシの使用が許されている練習会でも、実戦形式でデッキの感触を確かめてみたいところです。本当にスケジュールが合うかは、不明じゃ……。
しかしまぁ、完成までの旅路もまた、遊びで、楽しみの一環です。僕にとっての「ダーク・オムニテル」の誕生日は、まだ未来のこと。その日のために、準備を進めておきましょう。さらに新しい改良のアイディアも浮かぶことでしょうし……。
興味を持ってくれた方のために、他の記事へのリンクを貼っておきます。今回のデッキより、ずっと安価な単色のものが中心です。そちらがメインです。もっとも入手性が良いのは「白単エメリアコントロール」で、今なら1万円以下かな?
それでは、また。今回のデッキに限らずとも、テーブルをはさんでお会いできる日を楽しみにしています。夢なんですけどね。自分が作ったデッキを使う誰かと、いつかどこかで偶然に出会うことが。「ダーク・オムニテル」。誰かの愛機に選ばれるほどのデッキに育ってくれればと、心から願うばかりです。
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