【MTG レガシー】 「アーボーグ型ドゥームズデイ」戦記/「レガシー杯」で優勝したぞ(仮)! 【初心者、復帰勢、自分と同じ親に向けて】
1.土曜の昼の「レガシー杯」、直前までどのデッキを使うか迷っていました。
開始の5分前まで「今から共有パーツを入れ替えて、“青黒スパイ”に転換する作業は間に合うやろか」などと未練がましく考えていたくらい。すなわち、無謀。
先月の「レガシー杯」に参加したときは《オークの弓使い》に完全包囲されていたからです。ただでさえライフ管理がシビアな「ドゥームズデイ」には、使い手の負担が大きく、難しい環境。
しかしまぁ、愛機「アーボーグ型ドゥームズデイ」で行きます。理由は大きく2つ。まず8月7日の禁止改訂が目前に迫って、未来がどうなるか“よくわからない”点。
とくに《オークの弓使い》。たとえ苦戦は必至でも、この強敵と「ドゥームズデイ」で相対する機会は最後かもしれません。
貴重な経験として、今のうちに《オークの弓使い》と戦っておきたい。これが表の理由です。
そして、「ドゥームズデイ」を使いたい本当の理由は……つい1日前に「統率者マスターズ」が発売されて、《親身の教示者》、ついに新々枠にて再録されたからです!!! おめでとう!!!
いっしょに高松に来ていたパートナーさまとは午後から別行動になり、「晴れる屋」さんに来た一番の理由は、このカード4枚の取り置きを頼んでいたからなのでした。
「アーボーグ型ドゥームズデイ」は初心者や復帰勢の方にも扱いやすく揃えやすい“Doomsday”というテーマで組まれており、“《意志の力》以外には1万円以上のカードを使わない”というのが、1つのガイドライン。
《親身の教示者》は再録前には1万円台の後半に近い高額カードで、ちょーっと気軽にオススメしづらく……これを使わずにキャントリップで《最後の審判》を探すのが「アーボーグ型」の前提になっていました。
《親身の教示者》を何枚採用するかは検討の余地があるとしても、安定性と速度の向上という恩恵は大きく、数日前からウキウキと1人回しでデッキ調整をしていたわけです。
たとえ環境が《オーク》の矢に支配された合戦場でも……これは実戦で試すしかないでしょう! デッキリストはこう!
2.わりと大会直前にショップに着き、注文していた《親身の教示者》を大急ぎで受け取って、スリーブに入れ、デッキ内容を入れ替え……前の記事で「時間には余裕をもって大会に参加しましょう」って自分で言わなかったぁ?↓
さて。新生「アーボーグ型ドゥームズデイ」出撃です(バタバタ)。
以下、実戦。今回は、ハイライトだけを強調しつつ、できるだけ簡潔に進めたいと思います。例によって細かな勘違いや記憶違いはお許しを!
1戦目1本目は後手。お相手は、開幕《古えの墳墓》から《虚空の杯》X=1、次ターンに赤い土地を加えて《三なる宝球》と、重パーマネントを軽快に展開。「赤単プリズン」!
「ストーム」系などのコンボデッキならヘイトアーティファクト群の「牢獄」に囚われ、即詰みの強敵です。しかし、ここが「ドゥームズデイ」のありがたいところで……《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》を含めた土地2枚と《水蓮の花びら》から「黒黒黒」。ゆけ。《最後の審判》。
パイルに3つ目の土地である《島》も積んでおき、いったんターンを返して、呪文を使わない「サイクリング」ルート突入。《三なる宝球》の要求を満たした「3マナ」の《タッサの神託者》を唱え、パイル完走です。
2本目は《虚空の杯》系デッキへのセオリー通り、《否定の力》を4枚フル投入。ところが初手はコンボ達成から遠く、1マリガン。次に来た初手に……《意志の力》も《否定の力》も無し。その代わり、ターンが回ってくれば、そのまま勝てそうな陣容です。
ぬぅ。普通のヘイトアーティファクトなら出されても……どうにかなるじゃろ。《ハーキルの召還術》も手札にあるし。キープ。
ところが1ターン目に繰り出されたのは、「赤単プリズン」の象徴で奥義、《血染めの月》!!!
月より真っ赤な吐血ッ!!! 甘えたキープの代償は大きく、手札には《汚染された三角州》と《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》だけ。《ゴブリンの熟練扇動者》に殴られて、2本目は負け。
本来、「アーボーグ型」は同系の中で破格に基本土地が多く、《月》は苦手なカードではないのですが、きれいに檻に閉じ込められました。お見事です。
3本目はこちらが先手で、お相手は1マリガン。そんな“利”を活かすために、《思考囲い》からスタート。土地が《古えの墳墓》1枚だけでマナ量に苦労しそうな手札が見えたので、より動きを鈍らせるため、《鏡割りの寓話》を真っ先に落とします。
赤の裏面土地《鎚の山道、髑髏砕き》から《血染めの月》《三なる宝球》と展開されますが、《水蓮の花びら》を先置きできており、こちらは基本土地を優先で並べたので、影響は軽微。
お相手ターン終了時に《ハーキルの召還術》でアーティファクト群を手札に戻してもらい、もう1枚の《水蓮の花びら》で黒3マナ目を確保。《最後の審判》。
《月》の影響下で「赤単プリズン」の《古えの墳墓》は《山》と化しており……使えるのは2~3マナだけ。たとえターンを返しても、有効な手だては少ないはず。無事に「サイクリング」ルート、完走です。「赤単プリズン」戦は○✕○で勝利。記事にするため、予習しておいて良かった……。
さて。相手を変えて、2戦目です。こちらが後手で、お相手の《ウルザの物語》からスタート。《オパールのモックス》と《影槍》も並べられます。おや? またアーティファクトデッキっぽい雰囲気。
今のところは、あまり早い展開はなさそうな気配で助かりました。後手1ターン目に《親身の教示者》。《最後の審判》をサーチ。
次のターンに《古えの墳墓》から《ウルザの物語》トークンが生成され、早くも不穏ですが……《陰謀団の儀式》から《最後の審判》につなげて、クロックが展開される前に勝利。
ふむ? 正体は如何に? 《古えの墳墓》が見えたので《虚空の杯》系ということは察しがつくし、《否定の力》はフル投入として……もう少し情報が欲しいですね。
2本目は後手。開幕《虚空の杯》を《否定の力》で弾きます。返しに手札を拝見したかったからです。こちらは《思考囲い》でスタート。手札に見えたのは……、
ピよよッッ???(精神錯乱)。マスターピース版のスマートなイラストだったので最初はわからなかったのですが、《電結の荒廃者》!? さらに《磁石のゴーレム》も!?
アーティファクトデッキの《電結の荒廃者》は超がつく高打点アタッカー。《磁石のゴーレム》は一方的にこちらだけを縛るスーパーゴリラ級《サリア》。めちゃくちゃマズイ組み合わせです。ひとまず《電結の荒廃者》を手札から落としてもらわないと、まっすぐライフを刈られることに。
次から次へと撃ち込まれるマストカウンター・カードを、《意志の力》もかき集めて、必死で弾き続ける消耗戦です。きっつい。青いカードをどんどん喰われるせいで、こちらの手を進めるのも困難。
なんとか《最後の審判》までは到達。しかし手札の余裕を奪われて、同一ターンに決着をつけることはできません。しかも盤面には撃ち漏らした《電結の荒廃者》が1機。
しかたない……ライブラリートップにサイドインした《致命的な一押し》を積みます。
《電結の荒廃者》の除去を優先。《島》も積んで、「フェッチランド」でパイルを圧縮しつつ、ターンをまたいだ変則の「サイクリング」ルートで決着を狙います。
算段どおり、戦場のアーティファクトを喰らいに喰らった《電結の荒廃者》を除去。命をつなぎます。次ターンに決着……のはずが、長い攻防+複雑なパイルを組んだせいで、頭が痺れていましたね。
パイルそのものに、ミスは無し……ただし。
本当にこのターンで決めきれるんだったっけ? とトドメを躊躇。1ターンを与えてしまいます。戦場の状況だけなら敗れ得ないのですが、ここでお相手が繰り出した切り札が《石の脳》。
しまっ……ライブラリーの《タッサの神託者》を全て抜かれて、パイル不成立。2本目を取り返されます。
やられましたね……これがあるから「ドゥームズデイ」は使う側にも怖いデッキです。激闘の末でのパイルミス(というより、手順ミス)。
今のミスはしっかり受け止めるとして……大事なのは3本目に引きずらないことでしょう。まだ勝敗自体は決まっていないし……有益な情報を得られたではないですか。お相手には《意志の力》が無い。《最後の審判》そのものは必ず貫き通せるということです。
ま、偉そうに言いつつも、内面は大乱れの真っ最中。数十秒で頭の嵐を鎮めるしかありません。
よし。3本目。まず《真髄の針》を《通りの悪霊》に突き刺され、パイル進行を邪魔されます。《電結の荒廃者》も着地し、攻撃に合わせてサイズを上げてきたのですが、《ハーキルの召還術》で無事に対応ができました。
返しに《最後の審判》を通し、ライフは安全圏。警戒すべきは、先ほど直撃を喰らった《石の脳》か《虚空の杯》X=2くらいか。
《意志の力》を構えつつ、《タッサの神託者》を抜かれてもトドメを狙える《殻船着の島》+《引き裂かれし永劫、エムラクール》パイルを用意しましたが……
冷静に考えれば、これは微妙。《タッサの神託者》を抜かれたら、ライブラリー枚数が足りなくなって、どのみち攻撃より先にこちらが死にますね。
ともあれ、お相手に応手はなく……無事に3本目、勝利です。あぶねー。ありがとうございました!
ふぅ。戦闘中は気になりませんでしたが、思いがけない熱戦になり、他の試合が先に終わって、ギャラリーが周りに集まっていました。体力面で長期戦に自信がないから、コンボ使いなんだけどなー。
デッキの正体を伺ってみると……「“ブルースティール”は知っていますか?」と。
あっ、名前だけなら。親和の流れを汲み、「レガシー」の2マナランドから大量のアーティファクトを展開する高速ビートダウン……という認識であっているでしょうか。
青が抜けて、異名は「スティールストンピィ」で合ってるのかな……? えっ、もう次の試合、始まるって!? 本当に?
もう少しデッキの話をきく時間を作りたかったな~。残念。マスターピース版で揃えられた《電結の荒廃者》など、深い愛を感じましたから。2戦目「ブルースティール」戦は○✕○。
3戦目はまた、お相手が先手……おいおい。これで3戦連続で、1本目は後手なんだが。「今日はダイス運、悪くって」と笑い合いつつ、開戦です。
溢れかえる岸辺2枚から《Tundra》と《Plateau》か。「ジェスカイコントロール」っぽい立ち上がりですね。
本来、メイン戦で不得手な相手ではありません。スペル戦に対応できる戦力は《意志の力》程度で、高い盤面コントロール能力も「ドゥームズデイ」には無意味ですから。
実際のところ、こちらの手札の状況は良しで、すぐにでも走り出せそうです。
……《島》1枚から、まったく土地を引けないことを除けば、な!!!
そのあいだ、「ジェスカイコントロール」はまず、3マナで《進め、エオルの家の子よ!》をX=1で唱えてきます。
うっ……現代「レガシー」で赤白を選ぶ理由にもなる「指輪物語:中つ国の伝承」産の超カード! 速攻トークンの打撃力も侮れず、コンボデッキだと「統治者」を奪取する手だてが皆無なのが厄介すぎます。
まずい流れですね。マナが窮屈すぎて、手札破壊の前方確認さえできません。《水蓮の花びら》から無理やり黒マナをひねり出し、《最後の審判》を撃とうとしますが、枚数差の不利が大きく、《意志の力》の撃ち合いだけではコンボを守りきれず。
お相手の追撃も最高にキマッていました。《Comet, Stellar Pup》!
《星の子犬、コメント》君!!? ダイスの出目により能力が変わる「Unfinity」のブッ飛びプレインズウォーカー。
3→6→4→1というような出目でライフをみるみる削られます。「2マナ以下のカード1枚を墓地から手札にもどす」→「ダイスを追加で2回振る」→「直接火力」→「1/1速攻リス2体を生成」といった流れですね……。うん。そら、無理。「ジェスカイコントロール」戦、1本目は取られます。
「今日はダイス運が悪くって。サイコロにまつわるカードを使われたら、僕はすぐ負けると思います」と言った伏線が完璧に回収されたゲームでした。言霊すぎんか。
ただ、冷静に考えれば、「ドゥームズデイ」の対「コントロール」戦は、マニュアルに定められています。ありがとう、「Doomsday.wiki」。《強迫》の増量。そして、専用パイルの投入です。
こちらの先手で、初手《親身の教示者》からゲームに入ります。ライブラリートップに《最後の審判》を。
その後、お相手は墓地に落ちた《親身の教示者》に《外科的摘出》。
なるほど。上手いです。ライブラリーの強制シャッフルが狙いですか。危険でしたが……対応し、《通りの悪霊》をサイクリング。一足先に《最後の審判》を手札に回収して守ります。
こちらは、打ち消し呪文だらけの手札をさらけ出すことに。なかなか困っていただけたようで、幸いに思います!
足りなかったのは黒マナだけ。それも早めに探し出せたので、《最後の審判》を押し通すことができました。
組んだパイルは《殻船着の島》+《引き裂かれし永劫、エムラクール》+《タッサの神託者》×2+《魂の洞窟》という対「コントロール」セット。時間が要る代わりに、打ち消し呪文では対処不可です。
《エムラクール》の「滅殺6」を《激しい叱責》で無効化されて耐えられますが……返しの《タッサの神託者》を防げなくなり、2本目は勝利。
3本目は「コントロール」の立ち上がりの遅さに乗じ、《思考囲い》と《強迫》を突き刺していきます。《覆いを割く者、ナーセット》を落とし、手札を《ロリアンの発見》2枚と《剣を鍬に》1枚だけという状態に追い込むことに成功。
この隙に乗じない手はありません。ただ、攻守の合間に《進め、エオルの家の子よ!》を通されたのが気がかり。手札の回復力が半端ではないからです。
満を持して、《最後の審判》。しかし、組むパイルには悩みました。先ほどと同じ《殻船着の島》+《エムラクール》ルートか。それともシンプルに「サイクリング」ルートか。
《殻船着の島》は妨害に強いが、とにかく時間が要るのが難点。「サイクリング」のほうが決着自体は1ターン早いです。
……今回は迷った末、《殻船着の島》ルートを選択。もし《激しい叱責》を引かれたら、勝てない可能性があるからです。先ほどの成功体験も尾を引いていましたね。
実はいちばん上に積むはずの《殻船着の島》の順番を間違えており、次のターン《エムラクール》を引いたときは青ざめたのですが、ここは《渦まく知識》で何事もなかったように《エムラクール》をライブラリーに戻し。
ついでにパイルに仕込んでおいた《意志の力》も確保。
さて。ターンを返して……勝負です。ここでお相手はこちらの追放領域を確認し直し……《1日のやり直し》を唱えます。
一瞬、固まります。これは……マズい! こちらのライブラリーが少なすぎて、引ききれずに……即死!!? あわてて《意志の力》を放ちますが、きれいにお相手も《意志の力》。
《一日のやり直し》という奇策と、それを守る《意志の力》の組み合わせ。見事にここしかない、という急所を引き込まれましたか。
完敗です。「ジェスカイコントロール」戦は✕○✕で、敗け。
パイル選択のミスかとも考えましたが、長い目で見ると、やはり《進め、エオルの家の子よ!》を通したのが傷になりましたね。カードの稼ぎ方が洒落になりませんでした。
そして……あとから考えれば、《一日のやり直し》の奇襲に意表をつかれたとはいえ、対応が良くなかったようです。
手拍子で《意志の力》を撃ってはいけなかった。
冷静に考えると、《一日のやり直し》は手札と墓地もライブラリーに加えて切り直し、改めて7枚を引くカード。
《意志の力》で手札の青いカードをコストに取り除かなければ……7枚+自分のターンのドローにはぎりぎり足りたのでは?
少なくとも、落ち着いて全てを数える価値はありました。
悔しくもありますが……その日の試合で、もっともギャラリーが沸き立った瞬間が、《一日のやり直し》を巡る土壇場での攻防だったと思います。どよめきと歓声が聴こえましたもの。
今回は残念ながら、敗ける側に回ってしまいました。次回は勝ちたいですね。ていうか、また、うちの試合が最後かいな。長期戦は体力がもたないから、僕はコンボを使っているのでして(2回目)……。
箇条書きと言いつつも、すでに長い記事になりました。ここまで2勝1敗から、4戦目です。次のお相手は……先に答えを明かすと「ドラコレス・ドラコ爆発」。
耳と目を疑うデッキで、実際、僕も驚愕したのですが……この方は斬新なデッキを次々と開発する、このショップの名物プレイヤーさん。“週刊”って言ってたぞ、おい……。
ついでに僕が「大会」で始めて当たったお相手でもあります。「赤単ペインター+《ラガバン》」という実に恐ろしいデッキでしてな……。「赤単ペインター」に自分のデッキの《強迫》を撃たれ、「レガシーって怖い」と洗礼を受けたのです。
ともあれ、お相手が《オリファント》で土地基盤を整えつつ、《古えの墳墓》から早期に《オルサンクのパランティール》を置いてきたので、どういうデッキかはすぐにわかりました。デッキトップの高コストカードを直接火力に変換していく「ドラコ爆発」。その最新型ですね。
いや、本当……このときほど「自分も《オルサンクのパランティール》デッキを研究しておいて良かった」と思ったことはありません。ありがとう、《甲鱗》さま。
デッキトップ複数のカードを火力に変えられるか、1枚を引ける《オルサンクのパランティール》は、たしかに強力。しかし、効果の選択権があくまでも対戦相手にある、という宿命的な弱点を抱えています。
すなわち、明らかに高コストカードが満載されるような、特化されたデッキが使ってきたときは「カードを引く」を選び続ければ良いのです。
それだけでも毎ターン《定業》を撃てる置物と考えれば強いのですが……たとえ、《パランティール》の「弾」である巨大コストカードが手札に次々と追加で入ったとしても、活かし切るのは至難!
その辺りの工夫は、自分も苦慮した経験があるぶん、大変に興味深いところです。ともあれ……《パランティール》デッキは一撃で勝敗を決する「コンボ」デッキというより、「バーン」デッキに設計思想が近くなる気がするのですよね。
火薬の調合が難しい代わりに、1発ずつがあまりに重く、破壊力が巨大すぎる「火力」デッキ……いや、文字通りに、信管を踏めば火柱に呑まれる「地雷」デッキか。
ただし火力デッキである以上は、致死圏が存在し、地雷の範囲に踏み入らないかぎりは、安全。具体的には《引き裂かれし永劫、エムラクール》の「15点」。いや、元祖《ドラコ》の「16点」?
またその圏内に入っても、マナが少ないあいだなら火力を「一撃」さえ弾くことができれば、やはり安全です。よし。《最後の審判》。
《意志の力》を構えたままで1ターンを返し、《予報》で《タッサの神託者》を墓地に落としつつ、《発掘》で釣る「リアニメイト」ルートで1本目をいただきます。
2本目は《否定の力》をフル投入し……このあたりで激戦の影響が回ってきたらしく、急速な消耗を自覚してきました。
「いま、オデのマリガンって、何回目だっけ?」というレベル。「ドゥームズデイ」使い、すでにゴブリンを下回って……知能が《オーグ》になりかける。
今回のいちばんの反省は、飲用水だけでなく、エネルギー補給できるお菓子なりを用意しておかなかったこと。学びを次に活かしましょう。ともあれ、後手1ターン目に《思考囲い》を。手札に《鋭敏な決闘者》を発見。
なるほど! こういうカードの打撃も加え、「15点」だけでは足りない「+α」を削っていくのですね。「バーン」デッキの《僧院の速槍》や《ゴブリンの先達》に相当する重要カード! もちろん落とします。
そして、これで……勝てそうです。次ターン《親身の教示者》からサーチ。ゆけ。最後の……《最後の審判》。
パイルは……どんなものを組んだっけな。1本目で見せた「リアニメイト」ルート用のパーツは下げたはずなので、シンプルな「サイクリング」ルートだったとは思うのですが。
今日の試合で唯一、内容を上手く記憶できていないのが、この2本目のパイルでした。どうも、気力だけで組んだらしいです。お相手は追放されたカードに《意志の力》が3枚しかない=手札にあるか、パイル内に仕込んでいることを確認。そのまま完走で……なんとか、勝ちです。「ドラコレス・ドラコ爆発」(あとで《ドラコ》不在と聞いた)には、○○ー。
3.これで3勝1敗。5戦目でお会いしたのが、前回もお世話になった「8cast」=「土地単」使いの方でした。
そこで提案していただいたのが「僕たちは成績上位なので、引き分けでもシングルエリミ確定です。ID(合意による引き分け)をしますか?」ということ。
この天祐に、1も2もなく、飛びつきます。
僕はまだ、大会でのルールというか実際の流れに疎いので……色々と教えていただいて、本当に助かりました。この場を借りて、お礼を申し上げます。ありがとうございます。
何にしても上で書いたとおり、僕の知能は《オーグ》レベルに落ちかけており、ちょっとこれ以上は、デッキの戦闘力を引き出せる自信が無かったのですよね。
一息ついたり、先にデッキ登録の準備をしたりするうちに……参加者全員の成績が確定し、上位4名でのシングル・エリミネーション。これも全員の同意が得られたら、賞品を山分けでおしまい、ということに。
それだから今日の試合は……「ドラコレス・ドラコ爆発」戦で終了です。正直なところ……ほっとしました。
また、名目上の優勝者を決めなければならないという話をきき、厚かましいとは知りつつも「アーボーグ型」普及のためにと、あわてて名乗りをあげさせてもらった次第。本当に、申し訳ない限りです。
そして。「レガシー杯」の最後に。
下のカードといっしょに記念写真を撮ってもらいました。
もともとは《親身の教示者》を買うのが本命で、「《オークの弓使い》がどうなるかわからないから」という理由で飛び込んだ大会だったのに、ターゲットのカードとはぶつからず、その代わり、望外の幸運で(名前だけでも)優勝、ということにさせてもらいました。不思議なお話で……巡り合わせです。
この記事は相も変わらず、初心者、復帰勢、親であるプレインズウォーカーのために書かれています。
僕のように、どこにでもいる平凡なプレイヤーでさえ、時にこういう物語と出会える……これこそが、みなさんも「レガシー」でいっしょに遊びませんか、と勧め続ける本当の理由かもしれません。
ふぅ。けっきょく長い記事になってしまいました。お付き合いに感謝を。
いずれ。どこかで。まだ名も顔も知らない読者のみなさんと、テーブルを挟んでお会いできる日を楽しみにしています。
そして、この記事を、世界が変わる可能性がある“禁止改訂”の日までに間に合わせることができて、本当に良かった。それでは、また。
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