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とにかく低姿勢なASD〜意外に多い大仰型ASDとは?

こんにちは、精神科医のはぐりんです。
※この投稿は3分で読めます。最後までお読みいただけたら嬉しいです。

今回は大仰型(おおぎょうがた)ASDと呼ばれるタイプのASDに関して、具体例を出しながら少しでもイメージしやすいようにお伝えしていけたらと思います。

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ASDのタイプに関しては以前もご紹介させていただきましたが、積極奇異型、受動型、孤立型、尊大型、大仰型、の5つのタイプに分けられます。

このうち、前者3つ(積極奇異、受動、孤立)はASDの本質的な特性(社会性の障害、コミュニケーションの障害、こだわり)がそのまま表面に出ているようなタイプで、

対して後者2つ(尊大、大仰)は本来のASDの特性に他の要素を重ねたタイプのASDを言います。

尊大型は以前にもお伝えした(カサンドラの特に気をつけるタイプ)、ASDに自己愛性パーソナリティが重なったタイプ、

そして今回ご紹介する大仰型ASDは、過剰にへりくだり丁寧に振る舞うことで本来のASD特性を修飾し(隠し)、社会に適応しているタイプのASDのことを指します。

みなさんが過去に出会ってきた方々の中にも、何人か思い当たる方がいるかと思いますので、その方をイメージすると分かりやすいかもしれません。

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大仰型ASDは、本来は別のタイプのASDであったものが、例えば元々は積極奇異型の人が、先輩や上司に「無礼」を指摘されたことをきっかけに、過剰にへりくだって他者に対応するようになったり、

あるいは元々は受動型の人が「何を考えているかわからない」と他人から指摘されたことで、多少大げさにオーバーリアクションをとることで適応するようになったりすることで、

結果的に大仰型ASDが完成するというわけです。先輩や上司に好かれるタイプかもしれません。

私もこのタイプの医師と働いたことがあるのですが、表面的には非常に丁寧で、10個以上年下の私にも過剰にへりくだり、一度開けたドアやエレベーターも必ず開けたまま全員が通るのを待ち、最後に自分が通るような方でした。朝もシンとした空気の中でもスカッとするような大きな声で挨拶をされますが、ドアにしても挨拶にしても当然どこか不自然さが残ります。極端な話し、こちらが逆に気を使ってしまうくらいでした。

大仰型ASDの方は、礼儀正しいしお願いしたことも快く引き受けてくれるので、表面的に付き合う分には申し分ないのですが、少し深く関わってくるとメッキが剥がれて本来のASDの特性(こだわりやコミュニケーション障害)が見え隠れしてきます

そもそも大仰型の方は、そうやって表面的な、本来の自分自身の考えとは違った形で話したり行動したりしているため、過剰適応で疲弊してしまったり、自己不全感や認知的不協和からストレスをため込みやすいのです。

柔軟性に欠けTPO関係なく同じような対応しかできず、予定外のことに弱く、意外に怒りやすい側面もあります。 

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大仰型ASDの方たちの言動を見ていると、個人的には間違った適応の仕方だと思っているのですが、実際にはASDの方が長年かけて苦労して作り上げてきた社会への適応手段と考えると、そう簡単には否定もできません。

ただそれでもやはり理想を言えば、長いスパンをかけて経験を積み重ね、Try&Errorを繰り返し、相手を傷つけず自分の主張もはっきりと言う、アサーティブな対応を身につけるというのが望ましい対応かなと個人的には思います。世の中全員に好かれる必要はなく、多少は嫌われたっていいんです。

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