ロナウド（東京）とロマーリオ（京都）とブラジルのRoRoコンビ〈サッカーが好き〉
ロナウド、と聞けばクリスティアーノだった時代も更に過ぎて、サッカー界はメッシとＣロナに続く新たなスターが出始めている。
しかし、今でも思う。元祖ロナウド、すなわちブラジルのロナウドは凄まじかった。
抜群のテクニック、フィジカル、スピードを活かしたバルセロナ時代のドリブル突破はもちろん、私にとってリアルタイムのレアル・マドリード時代も別の意味で凄味がある。
靱帯断裂など大怪我の影響でほとんど動かないのに、ボールが来たら一撃必殺の精確なシュートで仕留めるスナイパーぶり。
小学生の頃に2002年の日韓ワールドカップでサッカー観戦を知ったので、こちらのロナウドで十分、怪物だと思っていた。
その後、私は中学生になってサッカー雑誌を買うようになった。付録のＤＶＤで観た、大怪我する前の強引かつテクニカルなゴールを見て、感動したものだ。全盛期の彼こそ、今なお点取り屋としてG.O.A.T（史上最高）の有力候補だと思う。
その当時の若きロナウドとツートップを組んで、彼より点を取った男・同じくブラジル代表のロマーリオが現役復帰した。
キング・カズ（三浦知良）より1歳年上で、現役最年長を軽く上回ってしまったが、どれだけ試合に出るのかは未知数だ。写真を見たらとても痩せていて、おせっかいながらロマーリオの健康が心配になった。
しかし、若い頃の彼は天才的なストライカーだった。感覚とセンス、テクニックで簡単にゴールを奪う姿は、猛獣のようだった相方・ロナウドと対照的。
初期ロナウドの圧倒的個人技と加速力が東京的なエネルギーならば、ロマーリオの点の取り方はさながら京都人。
野暮なことはせず、洗練された動きで綺麗に省エネで点を取る。時には強引な突破や強烈なヘディングもするが、あくまで品を失わない姿は、ピッチでの素行の悪さと正比例する。
ロナウドのゴールも素晴らしい。決して下品な訳ではない。そもそもサッカーのゴールは一点は一点で、そこに下品も上品もない。けれど、ロマーリオの点の取り方には独特の美しさがあったのだ。
ロマーリオはロナウドにとってバルセロナの先輩だ。「1シーズンに30ゴールする」と宣言しキッチリ30ゴールちょうど取り（途中シメオネを殴り出場停止数試合食らうハプニングあり）、バルサをリーガ優勝に導いた後にブラジル代表として1994年ワールドカップでトロフィーを掲げる。
その後、カーニバル三昧が理由で、監督としても天才だったクライフと喧嘩しブラジルに帰国。その後もゴールを量産したのもロマーリオらしい。
後からバルサで37試合34ゴールを決めてインテル・ミラノに出世。大怪我後にロマーリオのようなシンプルなスタイルで2002ワールドカップ優勝、レアル・マドリードにステップアップするも常に毀誉褒貶に遭ってきたロナウドの破天荒さもまた、らしさを感じさせる。
成功を収めたのは甲乙つけがたいがロナウド。しかし、ブラジル国内ではロマーリオの方が人気だという。一説にはペレやジーコより。
その理由は国内でのプレー期間の長さだけではない。一番の要因はおそらく、1993年に行われたワールドカップ南米予選最終戦・ウルグアイ戦だ。
1994年にアメリカで開催されたワールドカップに、ブラジルは南米予選敗退寸前だった。
「レギュラーでなければ招集に応じない」
そう公言していたロマーリオに監督パレイラが折れ、ロマーリオはまたしても宣言する。
「俺が試合に出れば2点取って勝つ」
ロマーリオは本当に2点取り、2－0で勝つ。YouTubeでハイライト動画を見ると、何度か惜しくも決まらない中、ロマーリオは落ち着き払って後半にヘディングで1点。その後、裏に抜け出し、キーパーとの一対一をお得意の加速で交わし2点目。
無事にワールドカップのチケットを勝ち取り、ブラジルはそのまま優勝する。
有言実行の天才ストライカー・ロマーリオがいなければ、「ブラジルだけがすべてのワールドカップ本大会に出た」という記録は途絶えていた。おそらく、最大の危機だった。ブラジルの京男？の最大の功績だ。
皆さんもロナウドの東京的な圧倒的エネルギーのゴール集と、ロマーリオの洗練の極みで生まれたゴール集をYouTubeで見てみて下さい。あなたはどっちが好きですか？
以下のYouTube動画にはゴール以外のスキルも満載です！
ロマーリオが後輩と自分のどちらが優れているか聞かれ、豪語した動画がこちら
レヴァンドフスキやベンゼマを一蹴する中、元相方のみ自分と同格と認めている。
因みに私は、行ったり来たりしつつも圧倒的ロマーリオ派。リアルタイムでは無いけれど、YouTubeで見てきた彼は輝いていた。なんだかんだ言いつつも、ロマーリオの現役復帰は、とても楽しみである。
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