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読書感想文(わたしのマトカ 片桐はいり)

片桐はいりさんが好きです。
女優さんとしても、作家さんとしても。

フィンランドで映画を撮る片桐さんの体験記。
映画の話はほとんど出てこないエッセイ。

わたしのマトカ


語り口がとても滑らかで、読みやすく、情景が目に浮かびます。
行ったこともないのに、想像だけで素敵な場所なのです。

出てくる人たちが魅惑的なのは、片桐はいりさんのお人柄かしら?

恐れることなくどこへでも行き、たまに面倒なことに巻き込まれ(笑)
それでも、物おじせず1人で行動出来るその行動力がとても羨ましい。

特に本好きでも読書家でもないけれど、世界のどこに行っても、なぜか行き場所に困ると本屋に入る。読める本など一冊もなくても。
わたしのマトカ

わかる!わかる!と1人うなずく私。
海外で必ず行く場所。
『本屋さん』と『スーパー』の二代巨頭。

ファームステイの章で、犬と対面するシーンがとても良いのです。
ドロドロ足の犬が走ってきてどうにか飛びつかれないようにしたところ、
履いていたズボンにポンっと足型のスタンプ。

なんて素敵な表現なんでしょう。

私は、自然が得意ではないけれど(虫が苦手なので)、
フィンランドでファームステイしてみたいと強く思いました。

特に焦っている描写が、ドラマで観る片桐さんそのままで、
ありありと目に浮かびます。
クスクス笑いながら読みました。

フィンランドの印象が自分が抱いていたものとは随分変わりました。
むしろ、フィンランドと言えばムーミンのイメージしかなかった自分を叱りたい。

■フィンランド人は、とてもシャイ。
■そして、食事がとてもまずい(言い方!)

そんなイメージ全くなかったです。フィンランド料理ぜひ、食べてみたい。

はいりさん、世界各国出掛ける前に、空港で時計を買うそうです。

その時計を現地で使う時計にし、帰ってきたらその国の時間を刻み続ける時計。
盗まれるのが癪だから。って理由にしても、ちょっと素敵だなと思います。

時間を刻む。って良い言葉だと思いませんか?

片桐はいりさん、文才に溢れた素敵な作家さんです。
本を3冊しか出してないだなんて、勿体無い。

ぜひ、読んでみてください。
美しい、フィンランドの情景がそこに見えますから。

最後に『マトカ』とは、『旅』の意味だそうです。
私が初めて覚えたフィンランド語になりました。

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