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ミモザの日: Otto Marzo

本日、3月8日は国際女性デーである。
日本に住んでいた頃、そのような日があることには気づきもしなかったが、Wikipediaで調べると結構長い歴史があることが分かった。

歴史については、興味の有無によってご自身で調べていただければ、と思うが、イタリアでは、Otto Marzo=「ミモザの日」なのだ。
それで会社帰り、久しぶりに帰宅途中の女性たちの紙袋やショッピングバッグをチラ見してみたが、どうやら自分で購入している人が多そうなイメージだった。勿論、誰かからもらっても構わないが、駅の構内や道端で1ユーロ程度で売られているものなので(もしかしたらミモザも今や値上がりしたかもしれないが、コロナ以前は小さい1束が1~1,2ユーロだった)、あまり有難みはないだろう。
驚くことに、今日がミモザにまつわる日なのは、ヨーロッパでもイタリアだけのようなので、少し詳細を調べてみた。


※3月8日の象徴がミモザの花になった理由

ミモザが3月8日の象徴に決定されたのは、1946年にさかのぼるそうだ。
この花を選んだのは、イタリア共産党の指導者であり、構造改革の提唱者として知られるPalmiro Togliatti(※)の最初の妻Rita Montagnana(イタリア共産党女性部のリーダー、イタリア女性連合"UDI"の創設者、反ファシストでパルチザン闘争に参加)と、パルチザンで憲法制定議会議員に選出されたTeresa Mattei(パルチザンとして武装活動中に暴力と拷問を受けた女性)である。
理由は、イタリアの伝統的な花として、ミモザは3月に咲く唯一の花であること、そして田舎に広く自生する安価な花でもあるため、2人は「誰もがこの花を購入でき、女性の権利のための闘いへの参加と支持を示すものとして最適」だとして決めたそうだ。

※Palmiro Togliatti(Genova, 1893年3月26日 - 1964年8月21日)
イタリア共産党の指導者、構造改革の提唱者。イタリア王国の副首相、イタリア共和国の法務大臣を歴任。

1921年にイタリア共産党に参加。1926年にグラムシがムッソリーニのファシスト政権によって投獄された後、イタリア共産党の最高指導者となる。

イタリアが第二次世界大戦に参戦した後、ソ連を通じてパルチザンへの支援を行う。そのため「スターリンのイタリア人」と呼ばれる。イタリアが連合国軍に降伏し、ムッソリーニがドイツの支援の下でイタリア北部に成立したイタリア社会共和国の元に去った1944年に帰国し、副首相の座に就く。

Wikipediaより

※ミモザ以外の候補だった花

フランスでは3月8日に、女性同志でスズランとスミレを捧げる風習があったそうだ(今はどうなのかわからないので「過去形」にしてあります。ご存知の方は教えてください)。だがスミレやスズランはイタリアのある場所では手に入らないと思われていたため、これら3種類の選択肢の中から、"どこでも手に入る貧弱な花"のミモザが選ばれた。

※黄色い小枝が表すもの

黄色い枝の繊細な外見とは裏腹に、この植物が持つ最も一般的な意味は、力強さ、女性らしさ、そして無邪気さや謙虚さである。アメリカン・インディアンの伝統によれば、ミモザは愛と情熱を示すために女の子に贈られたという。花言葉では、自由、自律性、感受性という、大義と女性という性別に完璧にマッチする特徴や資質と結びついているそうだ。

※ミモザケーキ

真面目な話をしていたと思ったら、またシマ子の脱線が始まったか、と思われる方もいらっしゃるかもしれない。しかし違うのだ😆
カーニバルのお菓子Chiacchiereがちょうど街中から消えるか消えないかの2末・3頭頃、街のお菓子屋にはTorta Mimosa(ミモザケーキ)という、ミモザの花の形をしたスポンジケーキの小片が表面に散らばっているケーキが登場する。

イメージ: Torta Mimosa
ミモザの花には似ていますよね?

これはChiacchiereのようにパン屋では購入できず、スーパーかケーキ屋に行かないとないのと、カット売りされているスーパーもあるが、基本的にはホール売りのため、少しハードルが高い。

名前の由来は、1950年代にRomaのあるLazio州Rietiのレストランのシェフがケーキを考案した際、その姿がミモザの花に似ていたからだそうだ。そして、このシェフが1962年にSanremoという音楽祭が有名な街で開催されたパティシエコンクールに参加し、花の都へのオマージュとしてこれを披露し優勝した後、このケーキは一躍有名になり、Otto Marzoの食べ物のイメージとして定着したようだ。

月末や月初にイタリア人の同僚と、「あぁ、もう月末だね、月日の経つのは早いね」とか「あぁ、今日から〇月じゃん、△月もあっと言う間だったね」と、懲りもなく毎月、毎年、言い合っているが(ちょうど、日本で、お天気がどうとかいう、当たり障りのない近所の人たちとの会話のようなものだと思ってほしい)、今年の3月1日はちょっと違った。

私「あっ、今日から3月だね。ところで●●●●(同僚)はTorta Mimosa食べたことある?私はないけど、普通のスポンジケーキと違うの?」
同僚(出産後にグルテンアレルギーになった50代)
「うーん、多分子供の頃に1度食べた気がするけど、味の記憶はないかもね。確か、洋酒がかなり入っていて、あとは・・・パイナップルが入っていたと思う」
私「げっ、パイナップル?それは食べる気なくなったな(笑)」
同僚「絶対、食べなくても損はしないわよ」

私はパイナップルがあまり得意ではないので、食べる気は失ったが、それでもNoteを書くにあたり、ちょっとレシピを見てみよう、と確認したところ、パイナップルが入っているレシピは5件中1つもなかった。
ただ見た目がミモザに似ているだけで、味は洋酒のきいたスポンジケーキなだけだと想像するので、もし気になる方は、下のリンクを自動翻訳して作ってみていただければと思う。


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