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【買ってよかった】 UFCファイトパス

UFCファイトパス(UFC Fight Pass)というのは、アメリカの総合格闘技団体「UFC」によるオンライン映像配信サービスである

UFCって何だ?っていう方もおられるかもしれない。

格闘技を普段あまり観ない方に簡単に説明すると、UFCの試合というのは、総合格闘技(mixed martial arts。略称:MMA)ルールで行われ、選手はパンチやキックなどの打撃や投げ技、そして関節技、絞め技などの様々な技術を駆使して勝敗を競う。

「総合」格闘技というとおり、「殴るだけ」とか「投げるだけ」とか「寝技だけ」といった格闘技と比べ、ルール上許容される技が多い。

勝利するためには、立った状態からパンチやキックなどを繰り出し、途中から相手を投げ、最後に相手の関節を極めるとか頸動脈を絞めるとか、そういった総合的な格闘技術が必要とされるわけである。

UFCには世界各国からトップ水準の格闘家が参戦し、これまで世界約30カ国で600以上だかの大会を開催しているらしい。

正に総合格闘技の中では、出場選手の実力、そして人気ともに世界最大の大会である。

さて、月額を支払い、UFCファイトパスに加入すると、UFCや他の格闘技団体が興行する試合をライブで観たり、過去の試合映像を視聴することができる。

要するに、ネットフリックスやU-NEXTなどのような映像コンテンツを楽しむためのサブスクリプションサービス(サブスク)の格闘技コンテンツ特化版である。

いくつかのプランがあるが、私が利用しているのは「スタンダードプラン」で、本記事の配信日時点での月額は「1,214円」である。

元々がドル建ての価格設定のため、円だとこのような中途半端な金額になっているものと思われる。

このほか、スタンダードプランの倍以上の月額となる「プレミアムプラン」や、他のサブスクと同様、1年単位とか長期で申し込むと安くなったりするプランもある。

ややこしい説明は割愛するが、UFCの大会には「ナンバーシリーズ」と「ファイトナイト」といった区別があり、ナンバーシリーズがより大規模な大会となる。

そのナンバーシリーズのメインの試合をライブで観るためには、「プレミアムプラン」に加入する必要があるらしい。

私は過去の試合をゆっくりと見返したいと思い、UFCファイトパスに加入したため、今のところスタンダードプランで満足している。

さて、私は10代の頃より格闘技を観るのが好きであるが、UFCの試合をこれまでずっと追い続けてきたかと言われると、そんなことはない。

何せ、上に「600以上だかの大会を開催」と書いたとおり、大会の数が多く、毎月のように開催されている。よほどの格闘技マニアでもない限り、興味のある試合を選んで観るような楽しみ方になると思う。

さて、私が初めてUFCの試合を見たのは、1990年代後半あたりに放送されたバラエティー番組か何かでのことだったと記憶している。

その番組では、UFCの第1回と第2回の大会の見どころを編集して流していた。恐らく、テレビ朝日系の『リングの魂』だったと思うが、確信が持てない。

その頃、私は空手を習っており、K-1やボクシング、極真空手の大会などをテレビで観るのが好きだった。

当時は、今のように「総合格闘技」というのが競技としてさほど成立しておらず、子供だった私は「あらゆる格闘技の選手がルールなしで闘ったら、誰が強いのか?」といった漫画『喧嘩商売』みたいなことをよく考えていた。

そして、「モハメド・アリ vs アントニオ猪木」みたいに制約が強い中での勝負にならざるを得ないのだろうか?とか、『ロッキー3』のハルク・ホーガンが出てきたシーンみたいになったりすることがあるのだろうか、とか想像を膨らませていた。

そんな中、上に述べたUFCの試合を見て、「うぉっ!こんな何でもありの試合をホントにやったのか!」と衝撃を受けた。

今でこそ、国内外で総合格闘技ルールの試合はたくさんあり、総合格闘技を練習するためのジムもたくさんある。

ただ、そのときはUFCの試みが、ひどく画期的なものであるという印象を持った。

もう少し言うと、今は総合格闘技がスポーツ化され、選手たちの技も洗練されてきたし、ジャッジもストップのタイミングを基本的に理解しているため、比較的安心して見ることができる。

ただし、初期の頃、特にテレビで見た1回目と2回目の大会は、ホントにボクシング、空手、レスリング、、、といったそれぞれの格闘技界の選手(ケンカ屋もいたが)がルール無しで檻の中で滅茶苦茶に喧嘩をしているような状態に見えた。

実際、ボコボコに半ご〇し状態にされた選手がいたり、素手で相手の顔面を殴り過ぎて骨折した選手がいたり、K3(昔、K1の軽量級バージョンとして開催されたことのある試合)に出場した選手が失神したまま顔面に肘を食らい続けて歯が折れる、、、など地獄絵図みたいな有様だった。

うわっ、何か危ねぇな~(汗)。みんなやっぱり、やめようよこんなこと」と画面越しにビビりながら見たものである。

異種格闘技はこんなに悲惨な状態になるのか、、、と戦々恐々としながらも見続けていたところ、もの凄く鋭い眼光の1人の「柔術家」(当時はピンとこなかった肩書きであるが)が出てきた。

ゴツいプロレスラーなどが出場する中、彼は一番軽量級ということもあり、何か少しヒョロっと見えた。

だが、その柔術家の試合を見て唖然としたのだが、ほかの選手とは全く異なり、ほぼ殴り合いみたいなこともせず、自分も相手もあまりケガをせず、アッと言う間に腕とか脚とかを極め、相手をタップさせたりして勝ち上がり、優勝した映像を見た。

自分がそれまで空手やボクシング、柔道などを通じて描いていた、いわゆる「格闘家の勝ち方」みたいなイメージと大きく掛け離れていた。

格闘技好きの各位には、今さら説明する必要もない「ホイス・グレイシー」のことをクドクド書いているだけであるが、格闘技を観ない方に逃げられると悲しいので、丁寧に書いている次第である(格闘技を観ない方は、そもそも本記事タイトルの「UFCファイトパス」の時点で入って来てないと思うが)。

最初は異種格闘技の想像以上の凄惨さに衝撃を受け、その後、私の中の「何でも有りルールで勝つ格闘家」のイメージとホイスの「勝ち方」の間にあるギャップに、再度衝撃を受けた次第である。
(まあ、私がと言うか、世界中が衝撃を受けたわけだが)

、、、という具合で、当時の衝撃を思い出しつつ、昨年あたりから気長に初期の頃のUFCから時折見返している。

あの後、ホイスはすぐに出なくなり、色んな選手が「柔術(jiu jitsu)家」を名乗って出場し始めたが、初期の頃は綺麗に関節などで秒殺するような選手もなかなかおらず、膠着試合みたいなのも多い。

何か集中力が持たなくなるような試合も多く、たまにモーリス・スミスが打撃主体で優勢勝ちしたり、若き頃のエンセン井上選手などが出て来て、綺麗な腕ひしぎなどでスマートに勝ったりして「おぉ~っ」と目が醒めたりしている。

もう1点、上の方で「UFCファイトパスに加入すると、UFCや他の格闘技団体が興行する試合を~」と書いたが、UFC以外の試合のコンテンツも結構ある。

これは加入してから気付いたのだが、K-1の試合も結構あって、これは嬉しい発見だった。

私は格闘技の試合の中でも、1990年代後半のK-1が大好きであり、「K-1 WORLD GPシリーズ」なんかはブランコ・シカティックが優勝した1993年の第1回より熱中しながら観ていた。

当時は、ピーター・アーツ、アーネスト・ホースト、アンディ・フグ、マイク・ベルナルドあたりの4大スター選手を中心に、ジェロム・レ・バンナやレイ・セフォー、ミルコ・クロコップ(最初のうちはミルコ・タイガー)、フランシスコ・フィリョなど魅力的な選手がたくさんいた。


当時はホントに勝ったり負けたりの印象が強く、誰が一番強いのかホントにわからなくなった時期が一番面白かった。

94年、95年とピーター・アーツがグランプリで2連覇達成した後、暫くアーツ無敵みたいに思えて、「もう誰も勝てる人はいないのでは?」と思い始めた頃、ベルナルドが剛腕でアーツをぶっ倒し、「ベルナルド最強か?」と思い始めた頃、フグがフグ・トルネード(地獄的に痛そうな技)でベルナルドを下して96年グランプリで優勝し、あっさりと「フグ最強!」みたいに思い直した。

その直後、フグがアーツにあっさりと負けたりして、一時期「アーツはフグに勝てて、フグはベルナルドに勝てて、ベルナルドはアーツに勝てるけど、みんなその逆回りは苦手!」みたいな印象になったりもした。

その後、バンナが怪しいほど体がデカくなって戻ってきて「何食ったら、こんな急にデカくなるんだ!」と度肝を抜かれた直後、アーツのハイキックでダウンを取られ、「デカくなっても、やっぱりアーツがやっぱり1枚上手か」となった直後、剛腕でアーツをぶっ倒し、逆転失神KO勝ちしたりとか。

その裏で、フィリョが極真から殴り込んできて、フグを手打ちみたいなパンチであっさりKOしたり、かと思えば体重差を物ともせず、ホーストがGP制覇を重ねたり、、、などホントに飽きる暇がなかった(、、、よほどのK-1好き以外、この話自体に飽きてきた頃かもしれないが)。

当時、私が一番好きだった選手は、実は上に名前が出ていないが「サム・グレコ」という選手である。

極真出身で、後に正道会館に移籍したという、いわゆる空手をバックボーンとする選手である。

上に挙げたスター選手に比べて、そんなに目立っていたわけでもないのだが、タイミングを見付けてノリに乗ったときの畳みかけるような「怒涛のラッシュ」が凄まじく、見ていて爽快なのだ。

相手に休ませる暇や距離を取らせたり、クリンチさせる暇も与えず、サム自身もどのタイミングで呼吸してるのか分からないぐらいのエンドレスのようなマシンガン的ラッシュにテンションが大いに上がった。

昔の極真ルールでの試合もレンタルビデオ(懐かしいが)で借りて観たことがあるが、その頃から相手のボディに繰り出す正拳突きや下突きによる怒涛のラッシュが既に巻き起こっていた。

サム・グレコが出るたびに、私は「今日はラッシュ出るの?出ないの?」とよそ見もせずに試合に集中したものだ。

、、、色々と書いている内にテンションが上がってきたが、「UFC」ファイトパスで、1990年代後半を中心に「K-1」も見返したりしている。

前回の「ブレイキングダウン7」で久々に天田ヒロミ選手やシリル・アビディ選手を見て、最近、当時を思い出しながら、天田vsバンナの昔のぶん殴り合いなども楽しんだ。

さて、あっさりと書き終えようと思ったが、書いている内にちょっと熱くなってしまったので、1分間ブレイクし、少しクールダウンしよう。

、、、、何かUFCファイトパスのPR記事みたいになった。

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