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建築をつくるということ[3]

畠山です
今回も「建築をつくるということ」について書いていきたいと思います。

前回の記事
建築をつくるということ[2]
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前々回の記事
建築をつくるということ[1]
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今回は「建築をつくるということ」=「環境をつくるということ」というテーマで書いてみたいと思います。


開館28年目の アサヒグループ大山崎山荘美術館(設計:安藤忠雄)

私は設計の相談を受け、まず敷地に見に行き、その際いろいろなことを調査するのですが、周囲はどんな環境なのかを観察します。

・周囲にはどんな建物が立っているのか?
・周囲の高低差はどうなっているのか?
・周囲にはどんな植物が育っているのか?
・敷地や周囲はどのような土質なのか?
・敷地や周囲の水はどの様に流れているのか?
・そこからどのような景色が見えるか?
・どのような風が感じられるか?
・どのように太陽の光が降り注ぐか?

などなど、周囲の環境(自然)についての観察をして、設計を進めていきます。

電柱を地中化した分譲住宅(設計:クレールアーキラボ)


なぜそのような観察を行うかというと・・・

私は、建築をつくるということは、単に建物を設計し、建築という物体を作ることとは考えていません。
その場所に建築をつくることで、その建築が周囲にどんな影響を与えるかを考え、同時に周囲の環境によってその建築の中にいる人がどのような営みを得ることができるかを考えることは必要と思っています。
それはただ周囲の環境に馴染むという意味ではありません。
大自然の中に建てる建築であれば、周囲の自然に馴染む建築を考えたりしますが、

周辺に馴染む建築(設計:クレールアーキラボ)


街中であれば周囲のランドマークであることが必要を思い、そのような建築を考えたりすることもあります。

ランドマークとなる建築(設計:クレールアーキラボ)

「建築をつくるということ[1]」で書いたことに繋がりますが、建築が完成した後の長い時間を考えた時、建築は物理的な構造を超え、社会的、文化的、そして環境的な要素を含めて、建築はその地域の文化や歴史とも深く関わっていきます。
地域固有の文化や、その周辺環境を尊重しながら、建築を作っていくことで、その建築は「その環境にあっても良いもの」になっていくと思っています。
さらに理想としては「周辺環境から愛されるもの」にその建築がなっていけば、これほど嬉しいことはありません。

ひとつの建築が生まれることで、周囲の環境へ与える影響は大きいです。
この責任を胸に、人々の生活をより良いものにするための空間づくりを目指していかなければなりません。
そのようなことを考えながら、引き続き建築に向き合っていきたいと思っています。

(畠山)