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種を探す
コラム:フェスティバルディレクター 三浦宏之
昨年に引き続き、今年もCenter line art festival Tokyo 2023の開催地域を探訪する街歩き企画「開催地探訪Clap!」が始まりました。
今年のClap!は昨年と少し内容が変わって、街歩きによる街の表情やお店などの発信に加えて「アートの種」なるものを街の中に見つけてゆくという要素が加わっています。
「アートの種」とは一体なんでしょう。
これは、一年ほど前の私の実体験に基づくものになりますが、帰宅途中の道端に一枚の「打ち捨てられたボロ布」を見つけました。その瞬間、私はその「ボロ布」に強く心を惹かれてしまった。あるいは、心を奪われたと言っても過言ではないかもしれません。理由は分かりませんが、道端に落ちているボロ布の質感、黒いアスファルトと薄汚れた灰色の布の色彩、そして「打ち捨てられ、忘れ去られようとしている」存在としての刹那のようなものが、複合的に心に刺さったのだと思います。
何気ない景色の中にあって、心打つもの。
それが「アートの種」です。
そのような視点を持って街を歩いてみると、日常の風景の中にも「アートの種」は無数に転がっていることに気づかされます。
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と、いうことで、今年はClaftersの皆とともに、開催地域を回りながら「アートの種」を探してみることになりました。
10人いれば「アートの種」も十人十色。どんな種が見つけられるか、楽しみなところです。
前置きが長くなりましたが、今年のClap!第一回目は「武蔵境」です。
昨年は中野駅からスタートして、西に向かって一駅ずつ開催地域を移動していったのですが、今年はランダムに進めてゆきます。
まずは武蔵境から南西に向かって、小金井市との市境まで一気に移動してみました。そこまで歩いて、小金井市と武蔵野市が隣接しているという事実に気がつき、それは私にとってはちょっとした驚きでした。駅の並びでゆくと、西からざっくりと小金井、三鷹、吉祥寺と並んでいる感じがするので、小金井市の隣は三鷹市かな?と思ってしまいますが、実際は西から小金井市、武蔵野市、三鷹市、武蔵野市の順で位置しています。なんか不思議ですね。なぜ、このような市境が形作られたのか、知っている方がいたら教えてください。。。
武蔵境の南西地域には小さな公園がいくつかありました。
こうして歩いてみると、とても緑の多い街だなと思います。
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てくてくと歩きながら武蔵境駅まで戻り、遅めの昼ごはん。
ずっと気になっていたけど、入ったことのなかったお蕎麦屋さん「ささい」に入ってみることにしました。こういった機会を逃すと、結局ずーっと入らないままになってしまうことがよくあるので。。。
頂いたせいろとミニ天丼のセット。とても美味しかったです。並んだ甲斐がありました。
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街歩き取材を毎年してゆくと、同じ街でも、その風景に色々な変化を捉えることができます。中央線沿線は中野駅周辺をはじめとして、再開発が進んでいるから、昨年の街の風景との変化なども見つけてゆきたいと思っているのですが、早速武蔵境で発見しました。
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昨年はお花が植えられていた空き地が、コインパークになっていました。
有り体に言ってしまえば、その場所の存在が「心を豊かにする」のか「懐を豊かにする」のかの違いでしょうか。。。街が豊かになるという意味においては、どちらも必要ですよね。しかしながら、相対としてそのどちらを選ぶのかということは、その街を形作る個々に委ねられているわけです。そこに自由という絶対的な権利が与えられているわけですが、場合によっては(自由という権利の行使の仕方によっては)混沌とした景色を形作る可能性も、そこにはあるのかもしれません。
ともあれ、引き続き、都市環境と自然環境のバランスについて深く考えてゆきたいと思った次第です。
武蔵境で拾ったアートの種
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Center line art festival Tokyo(中央線芸術祭)2023 は「The time to sense.」をテーマとし中央線沿線地域で美術展示やパフォーマンス、ワークショップ、トークイベントなどのプログラムを開催します。
市民生活へと深く浸透する芸術創造の場を創出し、東京中心部における文化圏を西東京地域に緩やかに拡大してゆくためのプラットフォームとして継続することによって、地域コミュニティ、民間を主体とした文化創造を促進してゆくことを目標におきながら、西東京地域から全国に向けた発信を市民とともに行ってゆきます。
Center line art festival Tokyo 2023
Start up event 「Hello ART ! 」5/24〜28 旧国立駅舎にて開催!
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