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趣味を生かしたビジネスのつくりかた

事業開発の具体的な数字を見たいというリクエストがあり、最近プロフィール内容を変えました。ポイントとして3つ。

■制作会社経営15年
■顧客のYou Tubeフォロワー開拓 2000人/4ヶ月
■売上100万円/週からの新規事業開発

この中で、「売上100万円/週 からの新規事業開発」について、体験を交えながらより具体的に書き起こしてみました。
皆さんの新規ビジネスの参考になれば幸いです。

ブルックリンの散歩で、ビジネス開拓

まずはビジネスを思いつくきっかけからスタート。
2012年頃からアート・デザインの仕事を主軸としていたのですが、なんと1週間にも満たないNY/ブルックリン滞在で、アパレル業界の開拓へと至ります。

ちなみに滞在自体は、アートギャラリーのシステムや、アーティストマネジメントが目的でした。

”ギャラリーって空き時間が多いんです!”

展示会までの細かい調整は1年~半年前からになりますが、展示会期はオープニング(ゲストを招いてのレセプションパーティー。バンドが盛り上げる事も)を除くと、基本は待ちの体制です。
おかげで閑散期を利用して街を散歩し、地元の方と話す機会が出来ました。
印象深かったポイントは、

-ローカル・ベンダーを自治体(ブルックリン区)が応援する体制
-ファイザー等の工場跡地を新規ビジネスオープンに開放
-フリーマーケットを利用したテスト販売

滞在時は漠然としていましたが、このローカル・カルチャーや、スピリットを共有出来るプラットフォームを制作したいと強く感じました。
何よりゼロイチのビジネスモデルを実現出来る風土に共感しました。

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WEBメディアのローンチ

帰国して始めたのは「共感でつながるウェブメディアの制作」でした。
具体的に行った作業は以下になります。

-ウェブサイト制作の知識インプット+業者選定
-NYコラボレーター(当初は移民ナッツ・ブランドオーナー)との打ち合わせ
-NY現地プレスのリクルーティング

この過程で一番手こずったのは、NY現地プレスのリクルーティングでした。
結論としてWEB掲示板にピン留めし、応募者を面談するという手法をとりました。
この手法は欧州や東アジアでも有効でした。
SNSではリーチし切れない時代だったので、口コミに近い掲示板で多様な方との接点を持つ事が出来ました。

メディアとしての課題

WEBメディアと言っても、私を筆頭にアマチュアの編集部でした。
事務所をブルックリンに置き、20人以上のスタッフで回しましたが、広告収入や、ECでの売上は微々たるものでした。
対してインタビュー予算や、人件費はかさんで行く、、、

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ここで発想の転換です。

■それでもPVやコンバージョンにこだわる
■メディアに関わるコストを上回るビジネス転換を行う

私が選択したのは後者でした。
周囲の反対はありましたが、ファッションを主体とする展示会への出展をとりまとめました。
とは言っても、展示物のメインはパソコンです。
インタビューを重ねて来た現地コネクションを活かし、スモール・ビジネスとしてフードや雑貨の輸入を行いました。
ベンダーやアーティストのストーリーを心得ているので、ブースに立ち寄るお客様の心をつかむ事が出来ました。

事業ピヴォットで得たこと
-メディアへの連載依頼や掲載
-商業施設でのポップアップ
-新規商材開発
-出店のオファー
-バイイング代行やNY案内依頼
-インフルエンサー依頼
-店舗VMDやプロデュース

上記以外も数え切れないほどのオファーを頂きました。
嬉しい事に、メディアのロゴマークを冠した商品の販売や販促物制作があった事。
ギフト・シーズンに自社のロゴが街を飾るなんて、嬉しい限りです。
遠方のストアまで行って写真を撮りました。

しかし、「WEBメディア」としては実績をあげる事は出来ませんでした。
そして、輸入や招聘ビジネスも、メディアを継続出来る糧にはなりませんでした。

「新規」事業とは

私は前人未到のサービスがあるとは考えていません。
正直、新規事業という言葉には違和感を覚えます。
もしAppleやGoogleにないアプリを作ろうと考えているなら、注意して下さい。
あなたの考えたサービスは、必ず誰かが考えて失敗している可能性があるからです。
私の考えた「共感メディア+モノ/コト」も、ごく普通の座組です。
バズった要因は以下にあると思います。

-流行直前のキーワードをいち早く使用して、プレゼンした事
-輸入やメディア制作など、未知の領域を必死に学んだ事
-留学や滞在経験なしで、NYに行って相手を説得した事
-WEB掲示板利用など、リサーチを重ねて多くの出会いがあった事

そしてどれも根気よく(半ばしつこく)繰り返しました。
3時間以上JFK空港で入国に並んでいた挙げ句、2日間で帰った日の事も覚えています。

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「趣味を生かしたビジネス」は可能です。

ただし、その趣味が嫌いにならない様に、適度に気を抜く事が必要です。
私がご紹介した体験談は.、新規事業や売上としては成功しました。
ただし、WEBメディアの維持としては、大失敗でした。
普段なにげなく見ているメディアに、膨大なコストがかかっているという事を痛感させられました。
この投稿を見ていただく方には、趣味だけではなくその先につながる業種・業界についても考えていただきたいです。

私の場合は
WEBメディア→輸入ビジネス、アパレル業界、デザイン、施工(+学び)
がありました。
最近活かせていないスキルもありますが、今回ご紹介したWEBメディアの経験値から、思わぬビジネスにつながっています。

新規事業開発に必要なこと

■自分のアセットを活かすが、趣味だけではない事
■趣味のプロフェッショナルになる事
■1つオンラインで学んだら、5倍現場で学ぶ事
■インプットした事を資料やプレゼンベースでアウトプット出来るようになる事

現場感は本当に大切です。
現場に行かない上司(クライアント)に対して説得するスキルや経験は大切。

しかしジャンルのオタクになる必要はありません。

どうやったら売上をあげる事が出来るのか、出来ないならどういう発想で方向転換するのか、それが新規事業開発のスキルです。



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