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鹿島vマリノス11/3Review カウンターの応酬

鮮やかに逆転を食らってしまった。
前後半を通じて試合を振り返っていきたいと思います。

スタメンとベンチ

※:黒い⇄マークが前の試合から代わっている・選手
  白い⇄マークがが前の試合からポジションが変わっている選手

マリノスは広島戦から7人の選手を代え、2人ポジションを変えてきた。

中2日の鹿島は名古屋戦から2人の選手を代え、
1人ポジションを変えたのみ。
お互い出場停止で畠中・ファン・アラーノと主力を欠くことに。

やりたいことが出来たマリノス
~前半~

相手SHの前に立ってボールを持つことで、相手背後にスペースを作り出す
マリノスがサイドにおいてよく使う方法だ。

試合と選手によってそのスペースを使うポジションは変わってくるが
中盤が正三角形の時は、SBやボランチ、トップ下。
中盤が逆三角形の時はIH
が狙って使ってくることが多い。

相手SHの選手は目の前でボールを持っている選手に対して意識しすぎると
返って自分の背後にスペースが出来るし、背後を気にしすぎると
ボールを持っている選手が自由になってしまう。

なので、パスが出た先を抑えるか、パスの出どころを抑える背後を消す
どちらかに割り切る必要性があり、どちらも選べず中途半端になるチームはマリノスのやりたいことをやらせてしまうことになる。
前半はそこの部分がはっきりとしていなかったため、
両SBとマルコスが有効に活用しチャンスを創り出せていた
16分にマリノスは相手SHのスペースを突き先制に成功した

奪ったら、相手の選手が守備に戻るよりも早く攻撃へと移り変わる

鹿島は攻撃時にSBを高い位置に押し上げてくるので
その背後のスペースが広大に空いていた。(後述)

25分にはクロスのこぼれを中央でマルコスが拾い、
空いたサイドのスペースに走りこんだ水沼を活かしエリキのゴールへと
繋げることが出来ていた。スコアは2-0

鹿島の左サイド
~右利きの大砲と左利きの精密機器~

鹿島の攻撃時の配置は土居が落ちて、SHが内に絞りSBが幅を取る形。
サイドに2人、中央にGK含めて9人という中央に人を集中させていた。


この配置にした主な理由はクロスにまつわることと選手の個性だと思う。
・クロスに合わせる枚数をSHが内に絞ることで1人から3人に増やす

・クロスを中央に跳ね返されたボールを回収して攻撃を続ける。

・SBの裏がかなり空いているから、中央のカウンターの起点(マルコス)に
 時間とスペースを与えない→SBが戻る時間を稼ぐ。

・エヴェラウドのカットインから火を噴く右足の大砲と
 永戸の精密機器のような左足のクロスを最大限活かすため

・土居が落ちてくることで後方で繋ぐときの数的優位を確保

この5つが狙いたい事なのかなと試合を観ていて思った。
(ほかにあるかもしれないが)

特に永戸とエヴェラウドがいた鹿島の左サイドが厄介だった。

同じサイドに利き足が違うけど脅威になる2人を置くことで
水沼と松原は守りづらそうに見えた。
永戸は良いクロスを上げてくるし、エヴェラウドんとこ空けたら
迷わずシュートを打ってくるわ。
喜田とチアゴが出てしまうと一番危険なバイタルエリアをやられる可能性が
あるためむやみにカバーはこれず、サイドの2人で対応せざるをえない。

特に水沼はJ・サントスとマルコスが出し手となるCBやボランチに
プレスに行かないためコースの限定が出来ないので守備し辛そうだった。

サイドの対応で後手に回っていると、38分にサイドで起点になった
永戸からフリーでパスを受けた土居から
上田”オフザボール”絢世の抜け出しに対する精度の高いロングパスが通り、
スーパーなトラップと横っ飛びするGKの腕を超えるようインサイドで
少し擦るようなボレー。上田”オフザボール”絢世のゴールで1点差とする。

にしても抜け出しからシュートまで完璧でしたね。
CFとしては満点のプレーですよありゃ。

あと、去年のコパアメリカからトラップはかなり良くなってきてますね。

お株を奪われたマリノス
~後半~

鹿島の対応の変化

1点差とし、心理的に軽くなった鹿島は後半開始から荒木に代え、
遠藤を投入。先手を打ってきた鹿島はDFラインを縦にスライドさせ、


入ってきたマリノスの選手を抑えに行く形(パスの受け手)に統一することで前半程サイドからの人数をかけた攻撃にやられなくなる。

それプラス、GKから組み立てる際、扇原や喜田にボールが入ったときに
永木やレオがプレスに行く方法を前半は採っていたが、
後半ではボールが入る前からマークについて
喜田と扇原に自由を与えず、コースを限定することで
周りの選手がボールを奪いやすくしていた。

ボールを保持する為の起点とパスの出し手に対する対策を採られたため
自由にボールが回せなくなっていったマリノスはボールを失う場面が増え、ボールを保持し続けることで試合をコントロールすることが出来ていた
前半と打って変わってコントロールが出来なくなりつつあり、
鹿島がコントロール権を握っていく。

その結果、後半は両チームのカウンターの応酬合戦になり
オープンな展開となる。
そして、頭と体のHPが尽きたのか攻撃から守備への移行がスムーズに
行えなくなり、そこを鹿島に突かれ同点、逆転された。

奪ったら相手が守備に戻る前に早く攻撃しゴールを奪う。
奪われたら相手がゴールに迫るより早くスペースを消しボールを奪う。

後半はマリノスがこれまでやってきたことを鹿島にやられてしまった。
そんな印象の逆転負けだ。



阻止不可能なシュートと阻止可能なラストパス

エヴェラウド・遠藤・上田”オフザボール絢世の3発とも
シュートは阻止不可能だっただろう。
3人の技術の高さが生み出した月間最優秀ゴールクラスのものだった。

しかし、そこに至るまでの過程は阻止できなかったわけでは
ないだろうなあとCBYは思う。

上の2枚の画像はゴールのアシストとなるパスを出すシーン。
1,2枚目のボール周辺の状況はほぼ同じ。いずれもパスの出し手の近くには
マリノスの選手がいるがだれもプレッシャーをかけに行っていない

これだけ時間とスペースがあれば鹿島の選手も余裕でパスを通せるし、
マリノスのDFラインも受動的にしか対応できないんじゃなかろうか。

この試合を通じてだれがボールホルダーにプレッシャーをかけに行くか
そのタイミングはいつなのか。そこがあまりにも整理されてなかった。

総括

ポイント・前線の選手のボールホルダーに対するプレッシャーのかけ方
    ・やりたいことが出来なくなった時どうするのか


相手の修正策に対応できず、やられる。何回目だろかこんな展開の試合は。
それでも相手を上回ることが出来れば問題なし。てことなんだろうけど
それが出来ない今、それでいいのだろうか。
体力的にも脳みそにも結構疲れがたまっている中、
賢く自分たちのサッカーを貫く道も探す時がきてるんじゃなかろうか。

長くなりましたがここまで読んでいただいた方も、
飛ばしてここまで来た方も見ていただきありがとうございました。

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