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週末の宵は料理に推し短歌

日曜の夜といえば普段は料理しかしてない、うそ、料理しながらお酒飲んでるだけなんですが、今日は料理が美味しくできて、うそ、お酒が美味しくて歌を歌ってしまいました。短歌ね。

以前、遠山エイコさんとMicaさんが #推し短歌 なるものについて書かれていたのをお見かけしました(エイコさん、昨年夏以来まともにお声掛けするタイミングを逸し続けて幾星霜まじすみません。推し短歌めっちゃよきでした。Micaさんはドラゴンボールクイズの答え早く教えてください)。

短歌といえば、ぼくは若山牧水の「白玉の 歯にしみとほる 秋の夜の 酒はしづかに 飲むべかりけり」くらいしか諳んじることができない(それもどうなんだ)のですが、俳諧と同じく、限られた文字数の中で美しい世界を描こうとする営みに、ずっと心惹かれていました。余白の美しさ。俳諧や短歌に限らず、無駄のない数式や論理にも通ずるものであり、「引き算の美学」がそこでは体現されています。英語でいう “Simple is best” と似てるけどどこか違う。Signか。夕日はいつもオレンジデイズ。

お二人が楽しそうに推し短歌を書かれているのを見て、「うわーー楽しそうだなーこれー」と思いつつ夏は過ぎ去ってしまい、短歌を書こうにも考えすぎて言葉に詰まるHANABIな秋を過ごしました。そう、今日からもう冬。寒すぎ。なんなん。

とは言ってもぼくは推しのアーティストもいなければ、推しの漫画やアニメとかのコンテンツもない。推せるのはお酒くらいしかない。それじゃ令和の若山牧水になってしまう。平成生まれだから平成の若山牧水?死ぬほどどっちでもいい。

そんなことを考えながら、いつもどおり夕飯と作り置きの下ごしらえを夕方から始めました。今日はねえ、スーパーで鳥取の銘酒「日置桜」を見かけてからテンション高かったので、料理が捗ったんです。スーパーキッチンドランカーでした。料理の量とお酒の量は比例します。質は知らない。

都内のスーパーで日置桜殿に出会える日が来るなんて

日置桜が美味しくて、何なら適当に作ったはずのさつまいもとごぼうのサラダも美味しくて、一人でぶち上がってました。日置桜の、あのゆっくり眠っていた静けさと奥深さと、吹き抜けるような草原の爽やかさ、この上ない芸術。さつまいもは、まさかの買い足したやつが紫いもでびっくりしたのだけれど、立派なごぼうは宇宙一安かったし、むしろさつまいもはオレンジと紫でカラフルになって食欲をそそったので、最高でした。ヘッダー写真にしてしまうくらい。

このnoteは推し短歌を語るはずだったのに、どうしてお酒とさつまいもの話ばかりしているのですか。いいえ違います必要な前置きだったんです。長えよ前置きが。

だって、ほら。

そう、ぼくの推しはお酒以外にもいたんです。この夏、キャベツに恋文をしたためました。あ、好きなのはキャベツだけじゃないですよ。野菜もお肉も(お魚はあんまり使わんけども)調味料も推しです。みんなありがとう(誰)。

毎週せかせか買い出しして、愛でるように切って、和えて、炒めて、揚げて、煮込んでます。最近、暇な時間があればYouTubeで料理動画見てるくらい。今年の誕生日プレゼントには良い包丁をもらいました。好きこそものの上手なれ、てほど上手にはできないしこだわれなくても、料理には、文章を書いたり絵を描いたりしてるときと同じ楽しさがあります。創作、楽しい。

そんな感じで酔いながら料理しながら、ぽつぽつと短歌を書いてました。

ごぼうから立ち上る土の香りに恋をしそうになった霜月の宵

もやししめじちぢみほうれん草茹で黒酢で和えたらとても美味い

白菜と豚肉に小麦粉まとわせ和出汁で煮込む今日はシチュー

炊き上がったお米つやつやほかほかで霞む景色は湯気でなく酔い

大さじ1それは多いぞ小さじ2よくよく見たら小さじ半

短歌なんて書いたことなかったのに、考えるのが楽しくて仕方なかった。あーーー料理が完成してしまうーーーお酒もなくなってしまうーーー短歌タイム終わってしまうーーーみたいな夜を過ごしました。真面目に話すと、砂糖大さじ1はマジで事故るのでどんだけ酔っててもレシピはちゃんと読みます。お酒はなぜかいつもすぐ消えてしまうので、大さじ5くらいででちょうど大さじ1になります。

何を言いたかったのかわからんnoteになってしまいました。お酒と料理が好きな人が、言葉への愛をこじらせた結果、3周回って短歌に恋をしはじめた話でした。短歌いいな。引き算の美学、惹かれます。解釈に通ずるところが、きっと好きなんだろうなと思います。

エイコさん、Micaさん、推し短歌の楽しさを教えてくれてありがとうございました。酔いが覚めてきたので今宵はお暇します。おやすみなさい。



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