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創業期のメンバーが振り返る「プロと歩み、プロになるまで」【10周年企画|卒業生インタビュー】

2024年1月6日で設立10周年を迎えるサーキュレーション。当社は8名で創業したのち、毎年目まぐるしく変化し成長していく組織を支えて下さった数々の素晴らしいメンバーと共にプロシェアリング事業を日本中にお届けしてきました。改めて、これまでサーキュレーションに関わって同じビジョンを追いかけてきた全ての皆様に、心より感謝をお伝えします。

この10周年記念シリーズ「For Pro, Be Pro.」では、これまで当社で活躍いただいた後、今はご自身がプロフェッショナリズムを持って新しい働き方を実践されるようになった卒業生を中心に、在籍時代の近しい上長や同僚との座談会をレポートします。在籍当時の仕事内容や、サーキュレーションで働く中で得たものが今の仕事観にどのように影響しているのか、当時の懐かしい思い出と共にお話しいただきます。

今回は、サーキュレーション創業期にエグゼコチーム(※)でご活躍され、現在では主に採用のプロ人材として弊社のお客様にもご支援いただいている皆川 麻理江さんに卒業生としてご参加いただきました。
当時上長であった現副代表の山口さんと、当時のエグゼコチームの雰囲気や、業務における難しさ、そして、プロ人材としての覚悟やご経験などを語っていただきました。盛りだくさんな内容となっておりますのでぜひご覧ください。

(※)エグゼコチームとは
当社では登録プロ人材と初期接点を持つ職種を「エグゼクティブコーディネーター」、通称エグゼコ(ExeCO)と呼んでいます。各分野のプロフェッショナルの強みや思考性をヒアリング後、社内データベースにデータを蓄積し、社内コンサルタントと共にプロジェクト組成をサポートすることがメインの仕事です。

(左)皆川 麻理江さん、(右)当社代表取締役副社長 山口 征人

1.サーキュレーションで得られたものは苦楽を共にした「仲間」

ーーそれでは早速ですが、インタビューさせていただきます。よろしくお願いします!ちなみにお二人は今でも交流はあるのですか?

山口:
そうだね。なんだかんだたまにやりとりしたり、みんなで飲みに行ったりしているよね。

皆川:
そうですね。今までいくつか組織に所属してきましたが、その中でも特に尊敬できる上司が山口さんで、今でもご相談させていただく機会が多いです。

ーーお二人の関係性は卒業されてからも続いているんですね。皆川さんがサーキュレーションで働かれていた際のお話を聞きたいのですが、そもそも皆川さんはいつ入社されたのですか?

皆川:
入社したのは確か2016年の3月だったと思います。まだサーキュレーションの本社が丸の内(東京駅付近)にあった時代でした。当時各部署が全員集まって毎日朝会を行っていたのを思い出します。

山口:
懐かしいね。当時はエグゼコチームも他の部署も数人ずつしかいなくて、まさに立ち上げ期って感じだったもんね。
あれ、皆川はどういう経緯でサーキュレーションに入ってくれたんだっけ?

皆川:
経緯としては、前職でエリア統括の笹島さん(現 執行役員)と同じ職場で、「1人が3枚の名刺を持つという働き方を創ろうとしている」というお話を聞き、その世界観に共感してジョインしました。

それまではいくつかの人材会社で新卒採用や中途採用を担当し、時にはRPO(※採用活動の外部委託)としてお客様先に常駐してさまざまな採用を経験してきました。年々正社員を採用するのが難しくなっていると感じていたのと、自分自身が当時から副業で採用のお手伝いをしていたので、プロシェアリングという新しい働き方に可能性を感じたのが意思決定の理由として大きかったです。

山口:
当時、2015年頃は政府が働き方改革を推進する前でもあり、兼業、副業という働き方はまだまだ浸透していなかったからこそ、実際に副業を経験している皆川に入ってもらえたのは、サービスを創っていく上でとても心強かったね。

皆川:
恐縮です。

ーーエグゼコと言えば、プロ人材の方に今までのご経歴や培ってきたスキルなどをインタビューし、お強みを引き出した上で社内レポートを作成するというのがメインの業務だと思うのですが、当時はどのようなことをされていたのですか?

皆川:
基本的には今とそう変わらない気がします。

職務経歴書だけではわからないプロ人材のお強みを見出し、社内のメンバーに共有するというのが主な業務でした。
毎日平均4名ほどインタビューさせていただいていたのですが、せっかくご登録いただいたからにはと、一つひとつのインタビューに魂を燃やしていましたね。当時はオフラインでのコミュニケーションが基本で、わざわざプロ人材の方々に丸の内のオフィスまで足を運んでいただいていたのもあり、「来てよかったと思っていただけるよう、ご経験はもちろん、その時の想いや熱量の部分まですべて聞かせていただこう」という想いでした。

インタビュー後は毎日同僚と「今回のレポート内容がプロ人材の方の強みを表現できているか?お客様の課題を解決する活躍イメージが伝わるか?」を互いに質問しあって精度を高めていました。

また、当時は今よりもご登録いただいているプロ人材の方が少なかったので、その領域のプロ人材として活躍できそうなご経験や知見をお持ちの方を探し、遠方の方にはお電話でお話を伺うこともありました。どうご登録者数を増やすかという部分にも尽力していましたね。

それまでも人材会社に所属していたので、様々な方のキャリアなどをお伺いして、社内共有をするという機会は多かったのですが、全くの別物でした。派遣や採用とプロシェアリングではそもそものビジネスモデルが違うので、プロ人材の方の魅せ方だけでなく、これからサーキュレーションのお客様に起こりそうな課題まで想像を膨らませて考えることが必要で、正直、大変でした。
本当に新しいことばかり、かつ、業務内容も多かったので、朝から夜までフルマラソンのような状態でした(笑)

山口:
そうだね。本当にみんな頑張っていたよね。その分各々サービスにかける想いも強くて、ぶつかることも多かったけど(笑)

皆川:
確かに、各々やりたいことがあって、意見が食い違うことがありましたね。ただ、それくらい全員が本気で、まだ世の中にないものを創り出そうともがいていたからこそ、在籍時間は短かったですが、絶対忘れないようなかなり濃い時間を経験できたなと思っています。

どの会社も仕事じゃない場でのコミュニケーションなどはあり、同僚でありながら友達のような存在はもちろんいるのですが、サーキュレーションでは苦楽を共にしたからこそ、本当の意味での「仲間」ができたと思っています。

2.プロ人材のキャリアを表現する鍵は「具体と抽象」


ーー「仲間」、素敵ですね…!先程、プロ人材の方の社内共有について、同僚の方と相談し合いながら進めていたと仰っていましたが、レポートに落とす際にエグゼコ内で共通して意識していたことなどあったのでしょうか。

皆川:
はい。プロ人材の方が職務経歴書などに記載してくださったご経歴、PRポイントなどは、法人企業にとっても強みだと捉えやすいものなのか、懐疑的に見るということはかなり意識していましたね。
同じ内容でも自分のレポートの書き方次第で印象が変わる部分があるので。
初めはその感覚を掴むのが難しく、山口さんに「具体と抽象」を意識してね、と何度かご指摘いただきました。

ーー具体と抽象ですか…?詳しく教えていただきたいです。

山口:
定量的に実績をお伝えするような具体的なエピソードと、その方がお持ちのスキル全般を俯瞰的に捉えるような抽象的な表現と、両方大事だよ、という事です。

プロ人材の皆様は、これまでのお強みをご自身で言語化されています。中には具体性満載の方もいらっしゃれば、抽象的に広く記載される方もいらっしゃいます。そのどちらもが大事なんですね。

その上で、僕たちがヒアリングして書いたレポートが最終的にデータベースに格納され、それを通してコンサルタントがプロ人材のお強みを初期的に把握し、探し出すことになります。そこで超具体的な内容ばかり書いてしまうと、「実はこの人のノウハウが異業種、異業界で活かせたのに、検索結果に引っ掛からなかったという理由で機会を逸した」…みたいなもったいない事象が発生しかねない。

だからこそ、場合によっては具体的に打ち出すんじゃなく、あえて少し抽象化させて打ち出すことも、ご経験の内容によっては大事なんだと考えています。

皆川:
これはかなり苦戦した部分ですね。ピーター・F・ドラッカーの言葉を借りると、プロ人材が法人のお客様に「何によって憶えられたいか」が明確に分かるように、レポート記載を心がけていました。

山口:
いいね。確かに、皆川は具体と抽象の部分もそうだけど、そのプロ人材の方のキャリアのスポットライトの当て方が得意でしたね。プロ人材だからこそ様々なご経験がある中で、どこを軸とするのか決めるのが難しいポイントなんだけど、皆川は事前準備である程度複数パターンを立てておいて、インタビューの際にそれを明確にしていくような動きをしてくれていたね。

皆川さん:
よく覚えてくださっていますね。当時事前準備とレポート作成に魂を込めていたので嬉しいです。職務経歴書に書いていない素敵なご経験があったり、ニッチなご経験が意外と汎用的に活きる可能性があったりと、インタビューでお伺いしないと分からないポイントなども多かったので、レポート作成以前の事前準備は特に力を入れていました。

山口:
何事も事前準備というのは大事で、それはその仕事や人に対しての敬意の表れだよね。

3.専門的な経験・知見以外にプロが持つべきこと


ーー当時のご状況について詳しくお伝えいただきありがとうございます!かなりエグゼコでの仕事に前のめりに取り組まれていたように感じたのですが、その後、どうしてサーキュレーションを卒業し、新たな「プロ人材」という働き方に挑戦しようとお考えになられたのですか?

皆川:
理由としては2つあります。
エグゼコチームでの日々の業務でプロ人材や法人顧客と関わる中で、「3枚の名刺」という新しい働き方を自分でも体現したいと思ったからというのが1つ目。
2つ目は、採用難と言われている時代で、自分の強みである「採用力」が法人顧客の力になるのではと思ったからです。

ーー当時、次のキャリアについて皆川さんからご相談をいただいた際、山口さんの心境はいかがでしたか?

山口:
応援したいという気持ちはありつつ、もっと一緒に働きたいという想いもあったので、すごく引き止めました。
最後の最後まで「やっぱり残らない?」と伝えて、「さすがにもう、良くないですか?」って皆川から言われたことを覚えています(笑)

皆川:
そうでしたね(笑)プロ人材になりたいという想いが強かったので、そこはお断りさせていただきました。
一方で、卒業という形にはなったのですが、独立してからも何かしらサーキュレーションとは関わりたいと思っていたので、プロ人材としての活動が軌道に乗ったあたりでプロ人材登録もさせていただきました。

山口:
弊社からのご紹介で皆川が携わってくれたプロジェクト(※)もある訳だから、感慨深いよね…。

(※)皆川さんがプロ人材として支援した事例の1つ。

山口:
実際にプロ人材として独立しようと思った時って、どう思っていたの?

皆川:
もちろん不安もありました。数々の経験・知見が豊富なプロ人材の方々とお会いしてきたからこそ、そのレベルの高さは理解していて、相当努力しないといけないなと思いました。それにまだ当時は「プロ人材」という役割は新しい概念だったので、未知のものに対する法人顧客の期待を超えなければならないというプレッシャーも大きかったです。

当時は考えれば考えるほど、「プロ」って何だろうと思っていたのですが、あるプロ人材の方と出会って、「顧客の目標達成のために、自身の経験知見に固執せず、頭も体も動かさないと感動するような成果は出せない」と思っていたので、それからは迷いもなく、日々邁進しています。

山口:
そうなんだね。どういうプロ人材の方だったの?

皆川:
歴史あるホテルの支配人だった60代のプロ人材の方でした。toC向けエンタメサービスを運営しているベンチャー企業へのご支援に入られていた時の話なのですが、社長が忙しいからと社長のスケジュールに合わせて移動時間にミーティングを設定していたと仰っていました。ある時は空港まで足を運び、空港からオフィスまでのタクシーの中で実施することもあったみたいです。契約書で定めた工数通りにただ動くだけではなく、ゴールに向かってできる限りのことをやるというスタンスが「プロ」を形作るんだなあと思いました。

4.目指す未来は、より自由に働き方を選択できる世界

ーー「プロ」のスタンス、とても勉強になります!そんな中もうお時間も終盤になってきたところで、皆川さんの今後の話についてお伺いしたいです。今は「プロ人材」としてご活躍されている皆川さんですが、今後はどういうキャリアステップを歩んでいきたいなど構想はありますか?

皆川:
特に明確に定まっている訳ではないのですが、現在は「複数の名刺を持つ」という働き方が既に浸透しつつあるので、逆に今後はこの働き方だけに拘らなくてもいいなと思っています。
例えば、会社員でいながら副業という形に戻ってもいいですし、もっと違う働き方でもいい。
退職した会社への出戻りもいいなと思っています。数年前まではそんなことありえないという風潮でしたが、最近は採用の一環としてアルムナイ施策を行う企業も増えていますし。ぜひご縁があれば、サーキュレーションにもまた戻りたいです。

山口:
お!ぜひ!

ーーぜひお待ちしております!最後に、お二人に、これからのビジネスパーソンの働き方がどう変容していくのかお考えがあればお伺いしたいです。

皆川:
そうですね。令和になって組織や個人といった所属よりも、何を成し遂げていくかに意識が向いて来ていると感じます。恐らくこの先は、他人の尺度ではなく、自分らしい「働く意味」を求める人がもっと増えると思います。ビジネスにおける「プロ」の定義もより細分化されるのではないでしょうか。例えば、企業の中に外部人材だけの部署があるとかも面白そうですね。

サーキュレーションで得られたものは、何よりも同じ方向を向いている強い意志を持った「仲間」と出会えたことなので、誰しもがそういう経験を積める環境があればいいなと思います。

また、まだまだフリーランスと言えばエンジニア、デザイナーなどクリエイティブな職業の方のイメージが強いので、人事や営業、マーケターなど、所謂ビジネス職でも外部人材として活躍する人が増えていってほしいです。

山口:
僕は、働く事と生きていく事が、同時に共存というか、ライフワークバランスというよりも、ライフもワークも同じ様に捉え、人生を設計していく考え方がもっと加速したらよいなと思っています。それと同時に、雇用という形がなくなることはないと思いますが、プロであればあるほど、雇用という形に縛られない働き方はますます増えていくと思っています。
以前、大学卒業後そのままフリーランスになったという方の記事を見たことがあります。どんな形であれ、希望する働き方で自身のキャリアステップが描ける未来を創っていかなければならないと強く感じたのを覚えています。

これを実現するには、高校や大学など、社会人になる前段階で自身のキャリアを考えるきっかけや、自由にキャリアを選択するための学習機会が必要となるので、ゆくゆくはそういった部分もサーキュレーションが支援できればいいなと思っています。

ーーお二人とも、貴重なお時間をいただきありがとうございました。

<編集後記>

約1時間のインタビューに同席させていただき、創業期の弊社の空気感や、卒業しても上司部下関係なく仲間であり続けられる関係性をひしひしと感じることができました。

今でこそ、フリーランスや副業人材のシェアリングサービスが増えてきて、弊社のプロシェアリングも知っていただける機会が増えましたが、お二人のお話を聞くなかで、今のサーキュレーションがあるのも、卒業生や過去に支えてくれたお客様、プロ人材の皆様がいてくださったおかげなのだと改めて感じました。

お客様やプロ人材に選ばれ続けるサービスを提供するためにも、プロとして持つべき「ゴールに向かってできる限りのことをやるスタンス」は私も日々持ち続けたいです。
皆川さん、征人さん、インタビューにご協力いただき誠にありがとうございました!

文・大橋 真実
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