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どこまでもリアルな地方創生の現場と公共事業に夢中になって【10周年企画・新卒3期生】

2024年1月6日で設立10周年を迎えるサーキュレーション。当社では設立2期目の2015年から新卒採用を行ってきました。2016年卒の1期生をはじめとして、現在は新卒8期生までが入社しており、新卒入社メンバーは総勢70名以上になっています。

今回は10周年を記念して、「Talk Baton」と題し、創業1年目から今まで各年に入社した「元・新卒」の皆さんを対象に、後輩から先輩へのインタビューをリレー形式で回していきます。

創業時の8名から今では300名近くになり、組織も毎年どんどん成長し変化していくサーキュレーションで、どのようなキャリアを歩み、どのような自身の変化を楽しんできたのか。これからどのような未来を描いているのかについて、新卒の先輩・後輩同士ならではの率直な想いを話し合っていただきます!

第3回目はこのお二人!

(左)新卒3期生(2018年卒)鶴見 真子さん(以下、鶴見)
(右)新卒4期生(2019年卒)蜂谷 隆史さん(以下、蜂谷)

シンクタンクではカバーできない地域の企業に知見を届けたい

蜂谷:早速ですが、鶴見さんが新卒で入社した理由を教えてもらえますか?

鶴見:元々、地域のPRや地域づくりを支援している会社でインターンをしていたんだけど、そこで繋がった人から誘われた中途採用者向けのイベントに参加したら、偶然むーさん(執行役員の村上)が登壇してたの。

蜂谷:中途採用者向けのイベントに学生で参加したんですか?すごい熱量ですね。

鶴見:テーマに興味があって(笑)そのあとの懇親会でむーさんがわざわざ声をかけてくれたんだけど、地域づくりにもすごく興味を持ってくれて、「新卒向けのインターンに来ない?」って誘ってもらって。
インターンは2日間で新規事業を考えるような内容だったんだけど、そこで聞いたサーキュレーションの会社概要と今後のビジョンが面白いなと思って、選考を受けることを決めた!

蜂谷:そもそもなんですが、どうして地方創生に興味があったんですか?

鶴見:一番最初のきっかけは、小学生の時に地球温暖化が言われ始めたことかな。その時はまだ嘘だろうと言う人が多かったけど、「本当にそんなことが起きているの?」って驚いた。それがずっと気になっていて、大学では経営工学の中でも環境工学という分野で地域における再生可能エネルギーの利用方法を学んで、持続可能な社会の創り方に興味を持った。
  
研究室ではデータばかりを扱っていたから、実際に地域の現場で起きていることも知りたいなーと思っていて、リバースプロジェクトという会社のインターンを知ったんだよね。当時「クライアントは社会課題」をミッションに掲げて、地域の課題をクリエイティブに解決している事業にすごく惹かれた。

組織体制も、正社員は少数で、プロジェクトごとに業務委託でメンバーが関わる形で、ある意味サーキュレーションの目指す状態というか(笑)そこで世界の見方がすごく変わって、視野が広がって、「自分も地域プロデューサーになりたい!」と思ったのが、サーキュレーションに入る動機に直結した。

蜂谷:小学生のころの純粋な興味が育っていったんですね。「地域プロデューサーになりたい」からサーキュレーション入社までの経緯、気になります。

鶴見:実際に地域のプロジェクトに関わって感じた課題が、たとえ自治体や地域に熱量が高い人がいても、実行するためのノウハウが足りないと継続した取り組みに昇華することが難しいという点だったの。そこで地域に必要なノウハウを持った人で、かつ意志や興味がある人が業務委託で必要な期間、必要な頻度だけで関われるサーキュレーションの仕組みに興味を持ったんだよね。
 
蜂谷:他にはどんな会社を見ていたんですか?

鶴見:大学院では経営工学、データ分析や統計を専門に学んでいたからシンクタンクとか、地方創生の取り組みや地域のPRをやっている会社とか、組織開発コンサル会社とかも見ていたかな。

蜂谷:最終的な決め手はなんだったんですか?

鶴見:実はメインに見ていたのはシンクタンクだったんだけど、ほとんどの会社が「地方創生」を掲げているのに、大手企業ということもあって、顧客を一定の企業規模以上に絞る会社が多かったの。企業側の都合で地域を選ぶということに違和感を感じて、ちょっと違うなと…。

そういうビジネスと理想のギャップを感じていた中で、会社の規模を問わずに課題解決できるサーキュレーションのビジネスモデルがすごく刺さったんだよね。

厚い「100人の壁」を超えるために背中で牽引するリーダーに憧れて

入社直前の2018年1月にオフィスは丸の内から今の原宿に移転

蜂谷:入社後の配属は、製造チーム向けのコンサルタントですよね?その時のサーキュレーションの従業員数に対して同期はどのくらいいたんですか?

鶴見:その時は100人ぐらいで、同期は私も入れて8人。

蜂谷:1年目の鶴見さんはどんな感じだったんですか?

鶴見:ギラギラしてた〜!地方創生に関わりたくて最初から「支社に行きたい」って人事に言ったら「支社は体制が整うまで待って欲しい」ってことだったから、将来支社への異動者が募集されるときに選んでもらえるよう、頑張ろう!と思って毎日働いてたな。

蜂谷:地方創生がずっと軸としてあり、成果を出せれば支社で働けると思って頑張っていたんですね。
一方で、鶴見さんが1年目の2018年は設立5年目、組織が成長して100人に達したと同時に、人がたくさん辞めた激動の時期だったと聞いています。単刀直入にお聞きしたいのですが、どうして辞めなかったんですか?

鶴見:正直、人が辞めていくのは悲しかったし、自分も迷うことはあったな…。それでもなんで辞めずにいれたのかを考えると、入る時に思っていた「地域創りにプロシェアリングが入れば、面白いことができる!」という考えは間違っていないと思いたい、という意地に近いものだったかも。
あと何より、会社で働き続けている人たちと仕事をしているのが楽しかったっていうのが1番かな

蜂谷:その軸がブレないのはすごいですね。実際に新卒で最初に配属された製造チームでの仕事はどうでしたか?

鶴見:私が担当してた業界は化粧品、健康食品なんだけど、正直私はそういうプロダクトとは無縁のところで生きていた人間だったから勉強は大変だった(笑)でも、その時のチームが本当に楽しくて、すごく成長もさせてもらえたと思う。
   
蜂谷:当時の製造チームのどういうところが印象に残っていますか?

鶴見:リーダー自身が常に変化しようとしていたところ!働き方改革でビジネスチャンスが到来する一方で、「100人の壁」にぶつかりながらも3年後の上場を目指し始めた変化のタイミングでリーダーとして導いてくれた人。

会社を変えるために、自分自身が変わらなければというプレッシャーがあったと思う。でも多くの人は変わりたいと思ってもプライドが邪魔したり、継続できなかったりすると思うの。でもリーダーは常に目的思考で、私たちメンバーにも伝わるくらいの勢いで変わろうと行動し続けていて、その背中がすごくかっこよかった

蜂谷:「この上司、変わろうとしている」というのがメンバーに伝わって、背中で引っ張るようなリーダーシップの元で刺激を受けて成長されたんですね。当時のリーダーが聞いたら喜びそうですね。

鶴見:私からは事あるごとにラブコールを送ってるけど、「鶴見がなんか言ってる」みたいな感じでいつもあしらわれてる気がする(笑)

コロナ禍でも挫けずに富山県内の金融機関全支店で勉強会を開催

蜂谷:鶴見さんって富山県のイメージがあるんですが、富山県出身というわけではないんですよね? 

鶴見:よく聞かれるんだけど、学生までは本当に何もご縁はなかったの(笑)
インターン先が富山県南砺市とのプロジェクトを8年ぐらいやっていたけど、私は直接関わっていないし。でもたまたま機会があって人生で初めて富山県に踏み込んだその時から、大好きな場所になった!

蜂谷:新卒2年目の2019年11月に製造チームから北信越支社に異動して、鶴見さんがやりたかったことができる環境になって、どうでしたか?

鶴見:燃えてたね。だけど、異動して4ヶ月後、コロナが流行し始めて。富山県が唯一最後までコロナの感染者が出ていない県で残っていたこともあって、県内の危機感はすごく高かった。でも当時の支社長が「コロナを理由にしちゃいけない、今だからこそ必要な会社に届けよう!」と言ってメンバーを引っ張ってくれたから、私も踏ん張れた。

蜂谷:思うように動けない中で、どんなふうに営業活動をしていたんですか?

鶴見:支社の営業活動の基本は、まず提携している地域の金融機関様と関係性を創るのがファーストステップ。当時私の担当した富山県はまだあまり連携が進んでいなかったから、支社長と連携計画を立てて、コロナが拡大する中でも訪問を受け入れてくれる銀行を回った。

運が良かったのは、11月に異動してすぐに一通り金融機関様への挨拶周りが完了していたこと。その土台がなかったら、コロナ流行後は絶望的状況だったと思う。

蜂谷:土台があったとはいえ、富山にある金融機関様の主要支店を全部回ったんですよね。かなり大変な量だったと思いますが、どうやってそれが実現できたんですか?

鶴見:うん。まずは、金融機関様にサーキュレーションを知ってもらうために、全支店で説明会を開催させてもらいたいと思っていたの。富山県は、東と西で、地域の歴史や産業構造、ビジネススタイル、文化に特徴があるんだけど、支社長と検討して西側の呉西から回ることにした。

呉西でまずは実績を作れたことで管掌されている役員の方とご縁ができて、そしてその方を通じて、呉東の担当役員の方をお繋ぎいただいたの。
そこで「呉西ではこれぐらい実績があるけれど、呉東ではまだ実績がないんです」とご相談したところ、その方から「全支店に声をかけるから説明会をしていいよ」と言っていただくことができた。これは、我ながら頑張ったと思う(笑)

蜂谷:全支店に声をかけてくれるのはすごいですね。

鶴見:これは私だけの実績じゃなくて、そもそも過去に北信越支社で支社長が、アルミファクトリー様イセ様といった素晴らしい成功事例を生み出してくれていたことが大きかったと思う!イセ様は地元のテレビや新聞にも取り上げられていたし。

金融機関や自治体と「新しいプロシェアリングの形」を創り続ける

蜂谷:鶴見さんが北信越支社にいたのは、1年半ぐらいなんですね。2回目の異動となるアライアンス推進部(当時はまだチーム)に異動するきっかけは何かあったんですか?

鶴見:当時いた担当者が退職することになって、その枠に社内から異動者を検討する中で、地方に想いを持った新卒がいいんじゃないかという話になったみたい。当時のアライアンス推進部のメンバーは全員中途入社者で、金融機関様とやり取りをする部署ということもあって「守り」が強かったんだけど、会社のフェーズ的に「攻め」に変わるタイミングだったのも大きいと思う。  

蜂谷:異動の話を聞いた時、率直にどう思いましたか?

鶴見:本音で言えば、「今か〜!」って思ったかな(笑)
アライアンス推進部は自分の業務の可能性が広がる魅力的なポジションだと分かっていたんだけど、ちょうどその時1年半かけて仕込んできたものが形になったタイミングだったし、何より、もっと富山で仕事がしたくて(笑)

でも、アライアンス推進部が行っている仕事はプロシェアリングを広げるために社外のパートナーの皆様と「新しいモデル」を創っていくことだから、今はすごく面白いなと思ってるよ!

蜂谷:異動への葛藤もあったけど、乗り越えられたんですね。
「新しいモデル」といえば、鶴見さんが今やっている業務で、2022年に始まったような「自治体にプロシェアリングを取り入れる」というのは少し特殊なケースじゃないですか?

鶴見:そうだね。でも、たまたまその時代に私がいただけだと思ってる。
自治体のプロシェアリングの活用は確かに当社では初。でも、これまでの受託事業の実績が積み重なって、ようやく自治体自身にもプロシェアリングが有用なんじゃないか?って時代になったんだと思う。
やっていること自体は、企業でプロシェアリングを活用して課題解決するのとあまり変わらない。でも公共セクターで始まったことはすごく画期的で、時代が変わり始めた一つのサインだとワクワクしてる!

蜂谷:鶴見さんはこの事例の前にも、従業員規模数千名の地銀グループでサステナビリティ研修を受託したり、どんどん新しいモデルを創っていらっしゃる印象を受けています。キャリアを積んで鶴見さんが入社当初にやりたかったことに向かっているように感じましたが、入社前後でやりたいことって変わっていますか?

鶴見:入社前と今でも変わらないよ。

蜂谷:ずっと軸が変わらずにあって、すごいですね。金融機関と自治体を絡めて、新しいことに取り組む…みたいなこともこれからやりたかったりするんですか?

鶴見:やりたい!

蜂谷:でもそれって、スーパーハードじゃないですか?

鶴見:あまりそこは考えてないかな。それよりも、やりがいとワクワクが勝っている感じ。

蜂谷:強いですね。鶴見さんが仕事でアドレナリンが出るタイミングってどんな時なのか気になります(笑)

鶴見:企業、自治体に関わらず、自分が考えた企画や仮説を話した時に相手から「ああ、そうそう!」って言ってもらえた時かな。

あとは、やっぱり富山県の伝統工芸の事業(※)!いいものを広げていきたい!
(※)富山県から受託した「伝統工芸ミライ創造事業」の詳細はこちら

公共案件に関わったからこそ得られた視点と「やりたいこと」

蜂谷:学生時代から一貫して軸がブレない鶴見さんですが、将来のキャリアビジョンや展望はあるんですか?

鶴見:前は割とあったんだけど、今は正直ないんだよね。富山県の伝統工芸の事業でいうと、来年で終わるから、その後は地域で自走できるような仕組みや体制づくりに集中している。

富山県内の国指定伝統的工芸品の例(https://circu.co.jp/news/20230613-4052/より)

伝統工芸に関わる事業を進める中で改めて痛感したことなんだけど、営業/マーケの機能が不足しているままで、産業の衰退を止めるのってすごく難しくて。伝統工芸に携わる職人は技術などを突き詰めて磨き上げている人だから、本来は仕事をとってくる人や、ブランディングする人と一緒に仕事をしていく方がプロの仕事に集中できるし効率も高まると思うんだよね。でも人手もノウハウも足りないから、分担できているところは少ない。

だからその機能をカバーするために、今はこの事業を通じて他のパートナーや県外の協業企業を探している。今後そういう仕組みが創れるようになって、私自身がプロデューサーとして関わっていけるようになりたいな。

蜂谷:鶴見さんが今後やっていきたいこととしては事業開発というか、新しい座組を生み出すことなんですね。

鶴見:その思考を持つことが出来たのも、この公共案件に関わっているからだと思う。補助金というのは、自治体が最終的には自走するために使われるものだと思ってる

最初は事業を受託できたことがただ嬉しかったけど、「自走」まで見据えた支援をやらないと、毎年どこかの外部企業が介入して、自分たちのリソースを使って支援して、やりたいことをやったら終了!という流れになりやすくて、実際そうなりがちなの。

単発で終わる事業で満足せず、自治体が自走できる座組を考えて、次のタネを育てていくのが公共事業の真価だと思うようになった。

蜂谷:ありがとうございます。インタビューして改めて感じたのですが、鶴見さんって目的思考が本当に強いですよね。だからこそ抽象的で大きい課題に対しても迷わずコミットできたり、新しいことにチャレンジし続けられるんだろうなと思いました。

鶴見:ありがとう。

蜂谷:最後に、サーキュレーションの好きなところを教えてください!

鶴見:最初から最後まで変わらず、プロシェアリングというビジネスモデルが好き!
あとは人かな。コロナ以降はどうしてもメンバー同士の接点は減ってしまったし人数もたくさん増えたけど、特にサーキュレーションの役員はみんな素敵。甘えも妥協もなく誠実に経営を行っていて、とにかく信頼ができる!

蜂谷:僕もサービスが一番好きなので、とても共感しました。今日は普段はなかなか聞けない仕事観まで深く広くお話しいただき、ありがとうございました!

1期生からの「Talk Baton」バックナンバーはこちらから!

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