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平均25歳のボトムアップPJTが、「唯一無二の組織文化」を創るために意識していること

リモートワークによって組織内のコミュニケーションが希薄になり、どのように一体感を持った組織にするかが経営課題になる中で、組織文化(カルチャー)の存在が注目されています。
 
サーキュレーションでは、2014年の設立当初から「ワクキラ」というカルチャーを大切にする経営を行ってきました。
コロナ禍でもオンラインを中心としたコミュニケーション施策を継続することで、先行きの見えない状況下でも一体感を持って組織を拡大してきています。

そして、その組織文化を浸透させる取り組みは経営のトップダウンではなく、20代の若手メンバーを中心として、全社横断で組織文化を創るプロジェクトを推進しています。
 
今回の記事では、その責任者である岡田一喜へのインタビューを通して、サーキュレーションがどのようにボトムアップで組織文化を創っているのか、その裏側に迫ります。

1.組織文化へのこだわり

FLEXY部 マネジャー岡田 一喜(おかだ かずき)
新卒でフランチャイズ店舗向けのコンサルティング会社に入社。 自身での起業を経て、株式会社サーキュレーションへ入社。FLEXY部のコンサルタントとして活躍。2022年4月から全社組織の文化醸成を担うワクキラ委員会の委員長に就任。

ーー岡田さん、 本日はサーキュレーションの文化醸成について詳しく教えてください!

岡田
よろしくお願いします!

ーー 早速ですが、なぜサーキュレーションは組織文化の醸成にこだわるのでしょうか?

岡田
ビジネスにおいて組織文化が唯一無二の競争力になると考えているからです。

「ビジネスモデル」はマネタイズの仕方や仕組みづくりなど、ある程度真似することはできます。しかし、組織文化は沢山の人や過去の事象が関わって創られるものなのでそう簡単には真似できません。

そのため、強い「カルチャーモデル」を築くことが企業の差別化に繋がると考えて、組織文化の醸成にはかなりこだわりを持っています。

ーー 組織文化が唯一無二の競争力になる、とは具体的にどういったことなのでしょうか。

岡田
文化祭を例として説明しますが、クラスが2つあってどちらも焼きそばを売ると仮定します。

1つのクラスはこの文化祭の期間中に300杯の焼きそばを売ろうという目標を立てて、宣伝をする人、料理をする人など当日までの準備も含め役割分担して意見を出し合いながら和気藹々とやっている。

もう1つのクラスは、責任者含め各々が文化祭を楽しむために勝手な行動をしていてまとまりがない。

同じ学校内で焼きそばを売っているので、これをビジネスで見るとド競合にあたりますが、どっちの方が多く売れたかを考えると前者のクラスだと思うんですね。

実際にはここまで極端な話はないですが、組織文化がビジネスに与える影響力にはそのようなイメージを持っています。

ーーすごくイメージがつきました。岡田さんが組織文化の醸成にこだわりを持つようになったきっかけは何かあるのでしょうか?

岡田
友人と共に起業をしていた前職での経験です。 そこでは組織文化というものは皆無に等しく、とにかく個人の成果主義で会社を運営していました。
 
僕をはじめ、社員は目先の成果を最優先に考えていたので、殺伐とした雰囲気で仕事をしていました。
お金は稼げる環境だったのですが、ある時にふと思ったんですよね。
 
「俺何やってるんだろう?」って。
 
紆余曲折あって会社を辞めるとなった際に、お金以外何も残りませんでした。
当時一緒に働いていた人とはそれっきり縁が切れてしまい、それがすごく虚しかったです。

結局お金でしか関係性を保てなかったことへの後悔があり、2度とこういう失敗はしたくないと思いました。

ーー その経験が原体験となって今に至るのですね。

岡田
はい。そうした経験からサーキュレーションでは組織文化を創ることに関わりたいと強く思っていました。

そのため、所属するFLEXY部とサーキュレーション全社において、文化醸成のプロジェクトの責任者をさせていただいております。

▼FLEXY部の組織文化について

2.カルチャー「ワクキラ」を全社員に浸透させる

ーー サーキュレーションのカルチャー(組織文化)について教えてください。

岡田
サーキュレーションには創業当時から大切にしている「ワクキラ」というカルチャーがあります。サーキュレーションが掲げるビジョンや行動指針、それら全ての土台となる組織文化です。

一人ひとりが自分の仕事や可能性にワクワクしながら働ける環境を創ることで、周りからキラキラしている存在に見られます。
「ワクキラ」とは、そんなワクワクしながらキラキラ輝ける環境を社員と共に創っていこう、という想いが込められています。

ーー 創業当時から組織文化を大切にしてきたのですね。しかし、組織規模が大きくなるにつれて全社員への浸透は難しくなると思います。どのように推進させてきたのですか?

岡田
組織文化を浸透させるための「ワクキラ委員会」という全社横断のプロジェクトがあります。
これまでワクキラ委員会のメンバーが主導となって、オンライン・オフラインのコミュニケーション施策を継続的に実施し、ボトムアップで文化醸成をしてきました。

ーー 経営や人事ではなくボトムアップで推進しているのですね!全社横断とありますが、どのようなメンバー構成となりますか?

岡田

20代の社員を中心として、様々な部署のメンバーが集まって運営をしています!
メンバーは現在17名おり、そのうち新卒1年目のメンバーが6名とかなり若い組織となっています。

ーー 若手のメンバーが多いのですね!どのようなことをやっているのですか?

岡田
普段は「泣ける仕事賞」「Circupay」「OC企画」の3グループに分かれて組織文化を浸透させるための施策を行っています。

またサーキュレーションでは半年に1回、「キックオフ・オフサイトミーティング」を開催しており、そこでの文化醸成を目的としたコンテンツ制作も行っています。

泣ける仕事賞:売上以外の成果や日々の仕事のプロセスの中で、お客様や社内のメンバーに感動を与えた社員に贈られる賞。
Circupay:「メンバー同士が社内チャットで「感謝」「賞賛」「良いフィードバック」を贈り合う施策。
OC企画:「Online Communication」の略で、テレワークでもメンバー同士の交友を図る施策。

ーー とても重要なポジションかと思うのですが、どんなやりがいを感じられていますか?

岡田
ワクキラ委員会は20名前後というまだまだ小さい組織ですが、追っているものはサーキュレーションが最も注力している「組織文化の醸成」というとても大きなミッションです。

その大きなミッションに対して新卒1年目でも、自分の意見を出せたり施策を提案することができます。
また良い案であれば、会社全体の取り組みになる可能性もあるということは凄くやりがいになるのではないでしょうか。

ーー 若くてもチャレンジできる環境があるのは凄く良いですね!一方で簡単なミッションではないと思うのですが、組織文化を創る上で特に大変だと思うことはありますか?

岡田
「正解がないこと」「施策がすぐに結果に結びつかないこと」この2つは大変に感じるポイントですね。

前提として、組織文化というのは創るものではなく、過去の出来事が積み重なって創られるものだと考えています。
なので良い案だと思って施策を実行しても、結果として見えるのはかなり先の話で、次の日から組織文化が変わることはないと思うんですね。

目指したい組織文化に向けて施策を打っていきますが、メンバーも異動などで変わることもあり不確実性が多いため、計画通りに進むことの方が少ないものだと思います。

かなり難しいし大変なことではありますが、そこを考えることが凄く面白いですね。

3.単にイベントをするだけでは組織文化はできない

サーキュレーションでは半年に1回、2日間をかけて「キックオフ・オフサイトミーティング」を開催。
全社戦略の共有、サステナビリティ推進のワーク、そしてワクキラ委員会が主導する「ワクキラコンテンツ」を実施している。

ーー ワクキラ委員会と言えば、全社員が集まる「キックオフ・オフサイトミーティング」で盛り上がる「ワクキラコンテンツ」を実施するのが印象的です。こちらについて教えてください!

岡田
ワクキラコンテンツは、社内メンバーのコミュニケーション強化をはかることを目的に企画〜運営しています。

直近では8月に開催しまして、お笑いコンテンツ「循環食堂」と、社員の原体験をもとにしたクイズコンテンツ「サーキュクエスト」を実施しました。

ーー どのような内容のコンテンツだったのですか?

岡田
「循環食堂」は、全社員がオンラインで参加できる大喜利企画です。業務時間外に任意参加で実施し、それぞれ飲食をしながら雰囲気良く運営しています。
「サーキュクエスト」は、会社の歴史を知ったり社員間の相互理解を推進するようなクイズ企画です。

どちらも企画内容だけでなくビジュアルからも全力でこだわっています。

「循環食堂」の様子。大喜利に挑んでも見る専門でも楽しめるラフな雰囲気。入社間もないメンバーも果敢にネタを披露して新しいタレントが発掘されるなど、有意義な時間になった。

「サーキュクエスト」の様子。RPGの世界観で、全社員を約25組に分けてチーム戦のクイズを実施。クイズは全メンバーが考え、笑ったり驚いたりする内容に溢れていた。

ーー どちらも世界観からこだわっていて、とても盛り上がりそうですね!

岡田
ありがとうございます。ワクキラコンテンツは毎年実施するたびにアンケートを取るのですが、今回は「これまで以上のクオリティで感動しました!」「入社1ヶ月目の自分でも楽しむことができました!」という声が寄せられて、過去最高の評価をいただきました。
 
準備段階では過去のアンケートを分析して、コンテンツ内容や運営方法を細かく設計していました。しっかりと文化醸成に繋がる企画になったようで良かったです。

ーー 素晴らしいです。また「キックオフ・オフサイトミーティング」を行った8月のCircupayの投票率はとても高かったと聞いています。

岡田
はい。ナナメコミニケーションが促進されたこともあり、220名のメンバーが相互に感謝を送り合ってました。

ただ楽しかったで終わるのではなく、他部署との連携が強くなったり、よりビジョンに共感できたり、そういったことを目的としたコンテンツが文化醸成に繋がると考えています。

今後は「キックオフ・オフサイトミーティング」などの大きなきっかけがない時にも投票率をキープできるよう目指していきます。

ーー コンテンツの後工程まで考えて運営されているのですね。その他、何か工夫したポイントはありますか?

岡田
委員会一人ひとりの役割分担を明確化したことが今回の成功要因として大きいと思っています。

まず、お笑いコンテンツを担当するチーム、クイズコンテンツのチーム、動画制作などのクリエイターチームの3つに分けました。

例えばワクキラコンテンツでは、ストーリー設計や司会の台本作成を行う人、参加者が使用するオンライン会議を準備する人など、かなり細かく役割分担をしました。

これまでの運営は一部のメンバーに負担が掛かっていましたが、「今回は全員で創ろう」と、新卒2年目、3年目がリーダーとしてディレクションを行い、その下に新卒1年目のメンバーなどが手を動かすという体制を敷きました。

その結果、効率的な運営ができただけではなく、メンバー全員が当事者意識を持ち一丸となって取り組むことができました。

ーー なるほど。メンバー全員が当事者意識を持つということはかなり難しいと思いますが、何か工夫されていることはあるのでしょうか?

岡田
僕が委員長になった際に、メンバー全員に「そもそもなぜ組織文化を創るべきなのか」根本をインプットしてもらいました。

それまでのワクキラ委員会は単なるイベント制作委員のようになっていたため、何故「ワクキラコンテンツ」をする必要があるのかなど、組織文化の在り方や「ワクキラ」というものを一人ひとりが考える体制にしました。

それに加えて、ワクキラ委員会が一番ワクキラして業務に取り組もうと発信しています。

ーー目的を腹落ちすることは大切ですね。今回のコンテンツや今の組織文化は、ワクキラ委員会の全員の努力で創られていると感じました。

岡田
ありがとうございます。僕もそう感じていまして、僕だけでは何も成し遂げられず、ワクキラ委員会のみんながいてこその成果です。

若手が多いワクキラ委員会ではありますが、年次の浅いメンバーも主体的に頑張ってくれています。年次の高いメンバーはチームもディレクションをしてくれたり、メンバーを鼓舞してくれたりと、すごく心強いです。

ワクキラ委員会のみんなには本当に感謝しかありません。

4.唯一無二の組織文化へ

ーー 今後の組織文化における展望はありますか?

岡田
仲間が増えても、一人ひとりが「こんな組織にしたい」ということが自由に発言でき、多様性が受け入れられる組織にしたいと考えています。

ーー 素敵ですね!ではワクキラ委員会はこうなっていきたいなど、ありますか?

岡田
様々な部署から、組織文化という点で相談がくるような組織にしたいと考えています。
現在サーキュレーションは組織が拡大していくフェーズで、部署もメンバーも増えています。また各部署ごとでミッションも違う訳なので、創りたい組織文化も違うと思っています。

そこでバラバラの組織文化にならないように縛りつけすぎてしまうと多様性を失ってしまうので、各部署ごとでちゃんと組織文化は創るべきだと考えています。

なので今後、ワクキラ委員会が各部署の文化醸成に協力していくことで、各部の多様性とサーキュレーションという一つの企業の団結力が両立される手助けをしていきたいです。

ーー 最後に、そのために岡田さんがやっていきたいこと、想いなど教えてください

岡田
僕はこれからもブレずに「組織文化」の重要性を伝え続けていきたいと考えています。
経営陣やマネジメント陣も巻き込んで、全員が同じ目線で同じ熱量でメンバー達に発信することを継続し、サーキュレーションという会社を、今まで以上に強い組織にしたいと思っています。

これからサーキュレーションが300人・500人・1000人と仲間が増えても、揺らぐことのない唯一無二の組織文化創りにコミットしていきたいです。

ーー 最高です!本日は素敵なお話をありがとうございました!

「ワクキラ」と「ワクキラ委員会」の取り組みについて(会社説明資料 P36より)

サーキュレーションで働くことに興味を持っていただいた方はぜひこちらもご覧ください!

執筆者: 福田幹人
編集協力: 山下 起暖、蜂谷 隆史