塩谷舞(mai shiotani)

1988年大阪・千里生まれ。2018年からNYでの生活を経て2021年に帰国。note…

塩谷舞(mai shiotani)

1988年大阪・千里生まれ。2018年からNYでの生活を経て2021年に帰国。noteメンバーシップ『視点』更新中。著書に『ここじゃない世界に行きたかった』『小さな声の向こうに』(文藝春秋)公式サイト▶ https://www.maishiotani.com/

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[もくじ] 過去記事ほぼぜんぶリンク集

(最終更新 2022年2月28日) インターネットのあちこちに散らかっている文章をまとめました。 古い文章は、今とは主張が違うことも、ときには正反対であったりもしますが、それはそれで自分の考えていたことなので残しておきます。とはいえ過去記事全てを掲載するとあまりにも収拾がつかなくなるので、載せてないものもあります。すみません。テーマが1つに限定できないものは、重複して登場していたりします。 ネットに放った文章は勢いだけで書いているものもあり、雑多で乱れていることも多々、

    • 「将来の夢は?」という質問を受け続けることで、育てていった自らの呪い

      「将来の夢は?」 大人は子どもに、何の気なくそう尋ねる。私だって姪っ子に、そうしたことを聞いたことがあったかもしれない……いや、なかったかも。と、聞く側はそれくらい無意識なものだ。それは「今、何年生?」「好きな食べ物は?」と同じくらいに、子どもに向けたありがちな質問なのだし。 ただ問われる側だった頃の記憶を思い返してみると、そこで大人の望むような回答……つまり具体的な、わかりやすい職業名を挙げることに対して、小さな居心地の悪さが確かにあったのだよな。 ── 私がそうし

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      • 曖昧だからこそ

        「あなたの文章には、具体的な感情を表す言葉が滅多に出てこない」というようなことを友人に言われて、確かに……と思った。書いているときは非常に感情的なのだけれど、最終的にはできるだけそれを隠すようにしているのだ。あまり気づいていなかったけれど。 たとえば、アメリカから帰ってきた直後の話を書いた以下の文章。新居に入居し、そこに画家のAestherから餞別としてもらった絵を飾った日のこと。 冒頭の「白木のフレーム」「新居」「水彩画」というキーワードはいずれも、新生活に対するさわや

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        • 現のなかの、夢のなか

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        • 季節の変わり目

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        メンバー特典記事

          「将来の夢は?」という質問を受け続けることで、育てていった自らの呪い

          「将来の夢は?」 大人は子どもに、何の気なくそう尋ねる。私だって姪っ子に、そうしたことを聞いたことがあったかもしれない……いや、なかったかも。と、聞く側はそれくらい無意識なものだ。それは「今、何年生?」「好きな食べ物は?」と同じくらいに、子どもに向けたありがちな質問なのだし。 ただ問われる側だった頃の記憶を思い返してみると、そこで大人の望むような回答……つまり具体的な、わかりやすい職業名を挙げることに対して、小さな居心地の悪さが確かにあったのだよな。 ── 私がそうし

          「将来の夢は?」という質問を受け続けることで、育てていった自らの呪い

          曖昧だからこそ

          「あなたの文章には、具体的な感情を表す言葉が滅多に出てこない」というようなことを友人に言われて、確かに……と思った。書いているときは非常に感情的なのだけれど、最終的にはできるだけそれを隠すようにしているのだ。あまり気づいていなかったけれど。 たとえば、アメリカから帰ってきた直後の話を書いた以下の文章。新居に入居し、そこに画家のAestherから餞別としてもらった絵を飾った日のこと。 冒頭の「白木のフレーム」「新居」「水彩画」というキーワードはいずれも、新生活に対するさわや

          現のなかの、夢のなか

          現のなかの、夢のなか

          東京、アート巡り

          昔はギャラリーや美術館を1日でいくつも梯子して……ということばかりしていたのに、ここ数年はさっぱりご無沙汰になっていた。アート巡りは単純に気力体力がいるのでインドアな35歳にはヘビーでもあるし、自分の好みが明確になってきたので気になるものだけ行けば良いやという心理になってきたのもあるし……。 ただ1週間前から、アメリカからAesther Changがやって来たので、そのお供としてかなり久々に東京アート巡り。すると「東京って今、こんな動向の展覧会がやっていたのか……!」と新鮮

          東京、アート巡り

          「あなたはなぜ子どもが欲しいのか」という問いに対して

          「あれ、酒飲めたんすか?」 昨日の夕方、近所の店に立ち寄り「ビールで!」と頼んだときに、若大将は驚いた顔でそう言った。確かに私はずっとこの店で「お茶で……」「ノンアルで……」と頼み続けていたので、飲めない人認定されていたのだろう。 というのも、不妊治療中は定期的に妊婦予備軍になるので、なかなか酒が飲めない。でも昨日、3度目の移植に失敗したことがわかったので、久々にビールを飲んだ。ノンアルビールとは比べ物にならないほどに美味しくて、身体中を巡る血が待ってました! と狂喜乱舞

          「あなたはなぜ子どもが欲しいのか」という問いに対して

          取るに足らない言葉は命を守るよ

          大丈夫、という言葉を口にするとき。本当に大丈夫であることもあるだろうし、もしくは大丈夫じゃなくとも、そう言っておいたほうが物事が円滑に進むからその言葉を選ぶこともあるだろう。さらには、嘘でも大丈夫と言い続けているうちに自分自身が騙されて、ある程度大丈夫になってしまうこともある。 つまり「大丈夫」の輪郭というのは力技である程度動かせてしまうのだけれど、それを言い続けていると、なにが許せて、なにが許せないのか……という自分を生きる上でとても大切なことが、自分でもわからなくなって

          取るに足らない言葉は命を守るよ

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          東京、アート巡り

          昔はギャラリーや美術館を1日でいくつも梯子して……ということばかりしていたのに、ここ数年はさっぱりご無沙汰になっていた。アート巡りは単純に気力体力がいるのでインドアな35歳にはヘビーでもあるし、自分の好みが明確になってきたので気になるものだけ行けば良いやという心理になってきたのもあるし……。 ただ1週間前から、アメリカからAesther Changがやって来たので、そのお供としてかなり久々に東京アート巡り。すると「東京って今、こんな動向の展覧会がやっていたのか……!」と新鮮

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          「あなたはなぜ子どもが欲しいのか」という問いに対して

          「あれ、酒飲めたんすか?」 昨日の夕方、近所の店に立ち寄り「ビールで!」と頼んだときに、若大将は驚いた顔でそう言った。確かに私はずっとこの店で「お茶で……」「ノンアルで……」と頼み続けていたので、飲めない人認定されていたのだろう。 というのも、不妊治療中は定期的に妊婦予備軍になるので、なかなか酒が飲めない。でも昨日、3度目の移植に失敗したことがわかったので、久々にビールを飲んだ。ノンアルビールとは比べ物にならないほどに美味しくて、身体中を巡る血が待ってました! と狂喜乱舞

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          取るに足らない言葉は命を守るよ

          大丈夫、という言葉を口にするとき。本当に大丈夫であることもあるだろうし、もしくは大丈夫じゃなくとも、そう言っておいたほうが物事が円滑に進むからその言葉を選ぶこともあるだろう。さらには、嘘でも大丈夫と言い続けているうちに自分自身が騙されて、ある程度大丈夫になってしまうこともある。 つまり「大丈夫」の輪郭というのは力技である程度動かせてしまうのだけれど、それを言い続けていると、なにが許せて、なにが許せないのか……という自分を生きる上でとても大切なことが、自分でもわからなくなって

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          エッセイに書かなかった、本当のこと

          今から、3年前に書いた「"意識高い系"おんなともだち」というエッセイ。 国際女性デーにあわせて、女友達との話を……という依頼を受けて書いた文章なのだけれど、私自身非常に熱を込めて書き、沢山の人が読んでくれた。書籍の編集さんも気に入ってくれて、本にも収録することになった。 でも実は、このエッセイには話の流れが悪くなるから……と書かなかった事実があり、そのことに対する罪悪感がずっとあった。以下、中学時代の話のところで。 この中に、嘘は書いていない。話を盛っている訳でもない。

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          美大コンプレックス、なるものはどうして生まれるのか

          美大コンプレックス、という言葉について考えている。 画家やイラストレーター、デザイナーなどの仕事をしているけれど専門教育を受けたことがなくて……という立場の人が使うことが多いこの言葉。まず、こうした言葉は他の分野でもあるのだろうか? たとえばこれが、「医者をしているけれど専門教育を受けたことがなくて、医大コンプレックスなんだよね」であれば即刻通報案件である。医師法は医師免許を持たない無資格者による医療行為を禁じており、 違反すれば3年以下の懲役か100万円以下の罰金、その

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          美大コンプレックス、なるものはどうして生まれるのか

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          『小さな声の向こうに』 はじめに 全文公開

           今夜は嵐のように強い風が吹いている。  窓の外では蕾を携えた桜の枝が大きく軋み、空からは轟音が鳴り響く。不穏なばかりの夜からできるだけ距離を取るように全ての窓をぴたりと閉めて、部屋の中で耳に馴染んだ静かな音楽を流し、飲み慣れた茶を淹れる。呆れるほどに何度でも反復してきたそんな行為の中に身を置くことで、心はいくらか穏やかさを取り戻していく。文章を書くには、そうした準備運動が必要だ。  いまから3年前の冬の終わり、抜き差しならない事情によって私の心は枯れ果てていた。なにを目に

          『小さな声の向こうに』 はじめに 全文公開

          『小さな声の向こうに』 副読ノート。その1

          今週火曜日に発売となった、『小さな声の向こうに』。桜が散るなか、外で読んでいます……という嬉しい便りがちらほら届き、とても嬉しい。各地の書店で、オンラインショップで、お手にとっていたいた皆様、本当にありがとうございます! 本日は副読本……ならぬ、副読ノートとして、執筆時のちょっとした裏話や、ささやかなこだわりを書いてみたいな、と。 好きに本文を読んでいただいて、その後の付録として楽しんでいただくもヨシ。並行して読んでいただくもヨシ。しかし全編やるとあまりにも長くなってしま

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          『小さな声の向こうに』 副読ノート。その1

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          仮に妊娠したとすれば、いつそれを伝えるのが最適なのだろう

          「念校、ご確認ください!」 3月8日のお昼過ぎ。病院の簡易ベッドで支度を済ませ待機している最中に、担当編集さんから125ページに渡るPDFが送られてきた。1ヶ月後に世に出る拙著、『小さな声の向こうに』の最終原稿が送られてきたのだ。レディースクリニックの待機時間というのは往々にして長いので、できるだけ今スマホでチェックしてしまおう……とそのファイルを開いた瞬間に「◯◯番の方、手術室にお入りくださーい!」と呼び出されてしまった。「追って確認します!」とだけ返事をしてスマホを待

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          大丈夫。大人になってからでも、友人はできるから

          「アンタはほんまに、友達の運がないなぁ」 小学生の頃。仲良くしていた友達が遠くに行ってしまう……という報せを受けて心底落ち込む私に、母は度々そう言った。というのも、こうしたことは一度や二度じゃなかった。私が親しくしていた友達は、なぜかいつも遠くに行ってしまうのだ。親の転勤で、家の引っ越しで、私立への受験で。休み時間、みんながドッヂボールをする中で教室に残り、一緒に絵を描いてくれたのっちゃん。運動音痴な私にも優しかった、あやのちゃん。舌足らずな私の側で、いつも強い味方でいてく

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          「お元気ですか?31歳の私です。」

          「お元気ですか?31歳の私です。」 ……というタイトルのメールが今朝届き、スパムかな? と思ったけれど、開いてみると確かにそれは31歳の私が書いた文面だった。 「PRESENT 4229」という、4年に1度の2月29日から、4年後の2月29日に送れるメールサービス。そういえば2016年から使い始めていたのだった。 そして、開いたメールに掲載されていた4年前の自分からの文章に思わず苦笑。詳細をお見せするにはあまりにもセンシティヴではあるけれど……お手紙の概要と今の私からの

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          冬の香りと五感の回復

          秋頃から抱えていた大きな仕事が、一段落。 ここ数ヶ月(大晦日と元旦の帰省を除いて)、出かけることも、友人と会うことも、外食に行くことも諦めてとにかく原稿、不妊治療、原稿、不妊治療、原稿……という日々だったのだけれど、それがやっと、ようやっと落ち着きました。今、世界一好きな言葉は「脱稿」です。 そうしたタイミングで少し羽根を伸ばそう……と、一番好きな場所に行って参りました。一泊二日、山梨県の乙女湖の湖畔にある宿、ホトリニテへ。 こちらが前回訪れたときのもので…… こちら

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          自分を調律するための音楽

           感覚を文字にする仕事をしていると、取りこぼしてしまうものがあまりにも多いな……と思うことがある。もちろん言葉だからこそしっかり筋を通して伝えられることもあれば、言葉を介さない感覚と感覚での会話……というものも必ずあって、それが美術や音楽と呼ばれたり、愛と呼ばれたりすることもあるのだろう。  書いて、読んで、書いて、読んで……を反復しつづけていると、頭のほうがうんと優位になってくる。知識を蓄え、思考を整理し、今起きている事柄を自らの言葉で言い表そうと、世の中を抽象化して理解

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