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冬の香りと五感の回復
秋頃から抱えていた大きな仕事が、一段落。
ここ数ヶ月(大晦日と元旦の帰省を除いて)、出かけることも、友人と会うことも、外食に行くことも諦めてとにかく原稿、不妊治療、原稿、不妊治療、原稿……という日々だったのだけれど、それがやっと、ようやっと落ち着きました。今、世界一好きな言葉は「脱稿」です。
そうしたタイミングで少し羽根を伸ばそう……と、一番好きな場所に行って参りました。一泊二日、山梨県の乙女湖の湖畔にある宿、ホトリニテへ。
こちらが前回訪れたときのもので……
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こちらが先日。
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私が訪れる前日に、宿のご主人から「雪、降りました!」というご連絡。
私はホトリニテの存在を知った4年前からずっと、この雪景色が見たい……と願っていたのですが、今年は暖冬で望み薄。なのに、奇跡的に降ってくださった……
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山を登るにつれてどんどん白い景色が増えていき、まるで絵本のような、夢のような。でもこれは現実ですから、香りもするし、触ると冷たい。あぁ、ずっと見たかった景色の中に今いるのだ……と何度でもその嬉しさを噛み締めました。
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ただ実のところ、このタイミングでは完全には脱稿できておらず、宿の炬燵の中から必死に最後の1本を仕上げるというタスクを抱えつつ。
朝4時半に起きて、この景色を眺めながらの執筆。
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こうした環境の力を借りて、良い文章が仕上がったのではなかろうか……と思います。そうした私の仕事の集積は4月上旬、みなさまにお届けできる予定です。自分で言うのもなんですが、頑張りました。担当さんもすごく頑張ってくださいました……(土下座)。とはいえまだ仕事は残っているので最後まで頑張ります。
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しかし最後の1ヶ月は「書けない……まったくなにも書けない………もうこの仕事辞めたい………(鬱)」と「書ける書けるどんどん書ける!!!やはり私は書くために生まれてきたので!!!!!(躁)」という精神的・肉体的不安定な日々を過ごし、その結果として身体の周期も乱れに乱れ、脱稿してから再開しようと思っていた不妊治療が予定よりもはやく強制再開、という事態に。
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新刊『小さな声の向こうに』を文藝春秋から4月9日に上梓します。noteには載せていない書き下ろしも沢山ありますので、ご興味があれば読んでいただけると、とても嬉しいです。