青花。枯れることのない青の世界
古代オリエント世界、人々は「青」を永久に手の内に収められないものかと、大変な苦労をしてきたらしい。頭上に広がる空はもちろん手では掴むことができないし、青く目に映る水は手に掬った途端にその色を失い、青い果実や花は人が摘み取ったそばから枯れていく。
だからこそ、ラピスラズリやトルコ石のような青い宝石は重宝されたというけれど──人はその欲の強さで文化を発展させてきたのだ。希少な宝石よりもずっと容易く、もっと思いのままに支配できる青を探した。その先に辿り着いたのが、コバルトを含んだ