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触れてほしい人間賛歌…ヴェンダース作品との邂逅

『ヴィム・ヴェンダース レトロスペクティブ ROAD MOVIES/夢の涯てまでも』
本年11月から東京、名古屋、大阪の劇場にて下記の 10 作品が一挙公開されます。

『都会のアリス 2K レストア版』
『まわり道 4K レストア版』
『さすらい 4K レストア版』
『アメリカの友人 4K レストア版』
『パリ、テキサス 2K レストア版』
『東京画 4K レストア版』
『ベルリン・天使の詩 4K レストア版』
『都市とモードのビデオノート 4K レストア版』
『夢の涯てまでも ディレクターズカット 4K レストア版』
『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』

ヴィム・ヴェンダースを知るに相応しい、珠玉の10本がなんと最新デジタル加工にてクリアな画質、レストア版としてスクリーンで観れる千載一遇の機会と言えます。

私自身どの作品にも思い入れ深い、映像表現の美しさに惹かれてやみません。詩的かつリアルもフィクションも内包された人間賛歌の連続性が共通哲学として作品の芯となっています。

日本の現状を憂うべきは上記に挙げた三ヵ所でしか上映されないという‘もったいなさ’ です。需要と供給の問題だけで終わらせてしまうにはやりきれなさがあります。
劇場まで、わざわざレトロスペクティブを観に行くより配信映画を観とけばいいと、合理的になる理由もあるでしょう。
ヴェンダースファンだけを満足させる企画で終わらすには本当に勿体ないと思うのです。

ヴェンダースの映画はそれまで映像表現に関心の無かった人間に映像の煌めきや撮りたくなる感覚を与える、そうしたパッションが内在している魅力が備わっています。
それはヴェンダース監督自身が映画へのリスペクトの深さを自らの表現に醸しているからに他ならないからです。
観ている観客にそれは自ずと伝わります。
こうした映画をなかなか観る事の方が今は稀だと感じています。

もし近郊にいて、観る機会のある方にはぜひオススメしたい特集上映『ヴィム・ヴェンダース レトロスペクティブ ROAD MOVIES/夢の涯てまでも』です。

ヴェンダースと言えばロードムービー。旅の物語です。先日打ち合わせで訪れた周防大島からの瀬戸内風景。空気感に癒されました。

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