見出し画像

韓国ドラマ『彼女はキレイだった』のリメイクが7月に放映。 あるいは『恋はDeepに』はこっちにすればよかった?

韓国ドラマ『彼女はキレイだった』(2016)の日本版リメイクが7月から放映されるとのこと。

中島健人はパク・ソジュンとは全く雰囲気が違いますが、小芝風花は、このビジュアルを見る限りファン・ジョンウムに近いですね。(ドラマ視聴歴浅いので小芝風花を知りませんでした)

リメイクだからといって俳優が似てなきゃならないわけでもなく、おもしろくなるかどうかは見てみないとわからないですよね。

オリジナル版公式サイトはこちら。
(Netflix、Amazon Prime Video、TELASA等で視聴可能)

オリジナル、おもしろいことはおもしろかったのですが、若干引っかかるところがあったり、イライラするところがあった気がする…

引っかかるところというのは、“キレイだった”彼女の現在、つまり“キレイじゃない”現在が、「ストレートだった髪がクセ毛になり、赤ら顔のほおにソバカス」なんですが、それらを“キレイじゃない”とするのがなんか嫌だったんですよねえ。

画像1

ドラマで女の子が“残念な容姿”とされる場合、それをどう表すか、というのは難しい問題だと思います。
メガネで三つ編み、とかね。眉毛太いとかね。ソバカスとか。だいたい決まってますよね。

逆に考えれば、“キレイ”ということも、割と同じようなパターンで表現されているんだろうと思います。

でもね、これだけ多様性について言われている時代、美の表現も多様化してほしいな、などと思ったりもしてしまうんですよね。
メガネを取ったら美人、じゃなくてメガネをかけたら美人、ていうのがあってもいいと思うんです。
というようなことを考えたりしてました。ドラマの内容と関係ないですけど。

そうそう、この話題を記事にした理由は、実はここまで書いてきたこととは全然関係ないんです。

現在放映中の『恋はDeepに』主演のお二人は、こちらに出演した方がよかったんじゃないかなと…  こっそり言いたくなってしまって。

『恋はDeepに』はちょっと難しいことになってしまっていますね… (一応見続けています)
色々な要素があるかと思いますが、個人的にこれが一番かなと思うのは、心理面がほぼ描かれていないことではないでしょうか。

二人はなぜ惹かれあったのか。

これ、とっても大事です。
その部分において、視聴者が納得できるようなシーンがほぼなかった気がするんですね。例えばキスも唐突だったり。いや、キスが唐突だったとしてもその唐突さを理由づけるシーンがあればいいんです。それが私には見つけられなかったんですよね。二人の間に何が通っているのか。それが見えないんです。

画像2

また、細部にリアリティがないと視聴者が物語全体を受け入れるのが難しいです。設定がファンタジックである場合はなおさらそうなります。

例えば海音(石原さとみ)が使う加湿器の問題。
第6話の段階ではガンガンに使っていますが、最初の頃はそうでもない。そうすると、あれ? なぜ最初の方はガンガンじゃなかったの? という疑問が湧いてしまいます。それに対する答えもドラマの中にあるならいいのですが(そもそも加湿器を使うような自宅のシーンなどは初期段階では一切ない、など)、そうでない場合は疑問は澱のように残って、ドラマの世界の完全性を侵害します。
(加湿器の件は、海音が地上にいられなくなる日が近づいている、つまり水なしで生きることに限界がきているので補給すべき量が増えている、ということなのかな、たぶん)

画像3

人間でないとしてもきちんとメイクしてキレイに装って外に出ることを知っているような海音が、倫太郎(綾野剛)は濃い塩水など飲めない/飲んではいけないことを知らないの? とか、ドラマ世界の中の整合性に関する小さな疑問がちょこちょこ出てくるし、そもそも岩塩をポリポリ食べたり、ワカメを山盛り食べるような海洋生物ってなんだろう? とか、変なふうに気が散ってしまいます。

画像4

この設定で行くなら、海音がなにものであるか、あらかじめ視聴者には見せておいたほうがいいと思います。正体は何か、って変に引っ張ってもいいことないです。
(それとも正体はとんでもない驚きのものなんでしょうか… だとしてもそれがわかるに至るまでの、こちらの関心の持続が難しいです)

こういう設定ってあくまでも設定であって、本当に描きたいことってそこじゃないと思うんです。(そこを描きたいんだ、ってことならすみません)
ラブコメで行くなら、恋の相手さえそれを知らなかったら、それでいいんです。
というか、作品世界の中でバレていなければ、視聴者は知っていてもいいんです。

ちなみに『彼女はキレイだった』では、主人公のキム・へジン(ファン・ジョンウム)が昔キレイだったことや、へジンと副編集長チ・ソンジュン(パク・ソジュン)との関係は、作品世界の中では終盤までわかりませんが、視聴者は知っています。その上で、それがバレるバレないのエピソードが連なって行くという作りになっています。(バレちゃダメなのは肝なんですが、なぜバレちゃダメなのかという根本のところが個人的によくわからず、そのせいでイライラしました笑)

画像5


以上、ドラマの視聴歴は短いので生意気かもしれないけれど、短いなりに考えたことを書いてみました。

それもこれも、おもしろいドラマが見たいから。
ドラマ制作に携わる方々には感謝しています。頑張って欲しい。


この記事が参加している募集

#コンテンツ会議

30,734件

#テレビドラマ感想文

21,466件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?