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#222-1【劇評・賛】劇団四季『キャッツ』……猫と人間への限りない愛(前編)

今日もお読みくださってありがとうございます!

今日は、先日静岡へ観に行ってきた劇団四季『キャッツ』について書きます。記事番号「222(にゃんにゃんにゃん)」に合わせたくて少し寝かせました。

実は『キャッツ』は初見。「四季の会」会員のくせに。
くらたは首都圏住まいなので、次の広島に行ってしまったら路銀が厳しい。しかし静岡にしたって新幹線。そこまでして行くべきか、何年か後に首都圏に戻ってくるのを待つか……。
悩みましたが、結果、行って良かった!
感じたのは、猫と人間への限りない愛。
めちゃくちゃ良かった!です!
広島は遠いけれどもその次の仙台にはちょっと行きたくなってしまった。これが東京や横浜にあったときになぜ行かなんだオレのバカヤロウッ(誰)!

以下、詳細書きます。
いつもどおりネタバレありなのでご注意ください。

キャッツは予習がオススメ!

上記のとおり行くか否かで迷ったので、邪道ですがネットで調べて予習をしてから行きました。
結果、それがわたしにはとてもよかったです。

ミュージカル『キャッツ』は、イギリスの詩人T.S.エリオットの『The Old Possum's Book of Practical Cats』(1939年)という詩をもとに作られた戯曲です(くらた注1)。
詩から作られているため、詩的で幻想的で美しい世界である一方、はっきりしたストーリーが見えにくくわかりにくい側面があります。
しかし、事前情報を調べて納得したうえで行くと決めたので、「それはそういうもの」と織り込み済みの上で楽しめました。
事前情報ナシで観に行ったら「わけわからん!」と楽しめなかったかも……それではあまりにもったいない。

(くらた注1)
この本は日本語では『キャッツ ポッサムおじさんの猫と付き合う法』(ちくま文庫/池田雅之訳/1995年)、『キャッツ: ポッサムおじさんの実用猫百科』(河出書房新社/小山太一訳/2015年)として翻訳されています。
蛇足ですが子どもの読書においては一般的には翻訳は新しいほうがいいと言われています。新しい翻訳のほうが子どもの生活実感に合っていてわかりやすいことがおおいためです。大人はこの限りではありません。

あらすじ(ネタバレなし)

ある満月の夜、ゴミ捨て場に、人間に飼いならされることを拒否した猫「ジェリクルキャッツ」たちが集い、舞踏会を行います。
その舞踏会でただ1匹選ばれる「もっとも純粋なジェリクルキャッツ」を目指して歌い踊る、個性豊かな猫たち。
選ばれた1匹は、天上に上り、新しい人生を生きることができるとされています。
その夜、選ばれた1匹とは……

↓ 公式サイトはこちら ↓

あらすじ(ネタバレ有り)

※以下、超ネタバレ有りあらすじを書きますのでご注意ください。
※なお、くらたはこのあらすじを知って「ぜひ観たい!」と静岡行を決めました。

天上に上り新し人生を生きることができるということはすなわち「死ぬ」ということ。
そしてその夜選ばれたのは、皆に忌み嫌われる老いさらばえた元娼婦猫・グリザベラ。

なんと……!
皆がこぞって選ばれんと欲する栄光が実は「死」?!
しかもそこに選ばれるのは嫌われた元娼婦の老女猫だと……?!

なんだその哀感にあふれたストーリーは……!
そこに人生の真髄が描かれていそうな気がする!

……という具合に強烈に惹かれて静岡行を決意したのでした。

包まれるような舞台セットの没入感

入場して最初に驚いたのは、会場全体を包み込むような大掛かりで豪華で精緻なセット。舞台上だけでなく、客席の横、入場口の脇までセットが張り巡らされています。

舞踏会の会場はゴミ捨て場。舞台美術は猫目線で見たサイズに作られています。

くらたは幸運にも8列目のど真ん中席を取ることができたので、圧倒的な没入感を楽しめました。
テーマパークみたい!

オープニングで号泣

ちょうどこのころ、母の治療の効果が上々であることがわかったところでした。そのことを最初に連絡したのはあーちゃんとおーちゃんとりーちゃん。みんな忙しい中すぐに返事をくれて温かい言葉をかけてくれました。

開演オープニングで暗転し曲がかかって闇の中に猫の目が光ったとき急に、母の頑張りはもちろんだけど自分もよく頑張ったなあ、という感慨に襲われ、曲の盛り上がりと共になんだか号泣してしまったのでした。

明日に続きます!

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