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「奥様は、取り扱い注意」鑑賞記録(2021/3/21)

いつものように、予習をしないで劇場へ足を運んだ。それは、前もって下調べをするのが面倒くさいからというだけではなく、何が起こるかわからない状態を楽しむという心意気によるのである。どうか粋だと言ってほしい。

そんなボヤキはさておき、今作はそんなズボラな私を大いに興奮させてくれた。恥ずかしいことに、タイトルを聞いたときは「奥様は、取り扱い注意(てへっ)」というような調子で、ドタバタコメディが繰り広げられるとばかり思っていた。いやいや、そんなアホな話はないのだ。誠に恥ずかしい。

だのにどうして観ようと思ったのかといえば、それは、映画「おっぱいバレー」「ハッピーフライト」「海街dialy」やTBSドラマ「仁 ーJINー」「義母と娘のブルース」などを観ていて、いつしか、主演の綾瀬はるかのファンになっていたからである(「ハッピーフライト」はテレビで放送されるたびに観ている。こちらも飽きないものであるが、ジブリ並みにたびたび放送するテレビ局側もなかなかである)。それだからというわけではないが、かつて持っていたデジカメは、PanasonicのLUMIX であった。そして、自宅のブルーレイレコーダーはDIGAである。実家のハイビジョンプラズマテレビはもちろんVIERAであるが、なぜか私の自宅のテレビはTOSHIBAのREGZAである。

我が家の話はどうでも良いのだが、今作のW主演である綾瀬はるかと西島秀俊は揃ってPanasonicのCMに出ていることから、Panasonicは今作に「協力」をしている。実は、観る前からそうじゃないだろうかとは思っていたが、やはりそうだった。

いつしかPanasonicの話になってしまったので、話題を戻す。今作の魅力は、何より、一筋縄ではいかないミステリアスなストーリー展開であり、迫力満点なアクションシーン溢れる非日常的な世界観である。私はドタバタコメディを期待していたが、そんな思いをあっさり裏切ってもらえたことに感動を覚える

なんだかんだ、作品選びは偏ってしまう。下調べをせずとも、劇場の予告編で知った作品を観に行こうと思うのは、なんとなく自分の趣味趣向に合っていると推測するからである。ただ、今回は気持ちが良いくらいに、自分の趣味趣向とはかけ離れたものであった。

いつだったか、高校の同級生に誘われて「ジュラシック・ワールド」を観に行ったことを思い出す。フィクションだとわかっていても、ハラハラドキドキしたもので「心臓に悪いなあ」とさえ思っていた。普段は血生臭い世界とは距離を置いているもののも、今作は思いのほか清々しい展開であった。

最も重要なのは、綾瀬はるかの「アクション俳優さながら」のパワフルな演技、そして「安定感のある」西島秀俊、六平直政鶴見慎吾小日向文世佐野史郎といった名優陣の存在である(蛇足だが、西島秀俊と小日向文世は、TBSドラマ「メゾン・ド・ポリス」で共演していたのが印象に残っている)。また「意外にも」という言い方は失礼なのだが、前田敦子も、ピリッとスパイスを与えている。

いずれにせよ、正義も悪も振り切れると気持ちが良い。最後まで予定調和のない刺激的な作品に出会えたことに、改めて感謝。あっ、そういえば、今期のTBSドラマ「天国と地獄 〜サイコな2人〜」にすっかり乗り遅れてしまっていた…。印象としては、そちらもかなり視聴者を翻弄しているようであるから、ハラハラドキドキを楽しんだ今ならきっと面白いに違いない。


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