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「君の鳥はうたえる」鑑賞記録@京都みなみ会館(2021/10/6)

監督:三宅唱
原作:佐藤泰志
脚本:三宅唱
撮影:四宮秀俊
録音:川井崇満
出演:柄本佑、石橋静河、染谷将太、足立智充、山本亜依、渡辺真起子、萩原聖人
配給:コピポピア・フィルム(2018年/日本)

……函館郊外の書店で働く“僕”と、一緒に暮らす失業中の静雄、“僕”の同僚である佐知子の3人は、夜通し酒を飲み、踊り、笑い合う。微妙なバランスの中で成り立つ彼らの幸福な日々は、いつも終わりの予感とともにあった。主人公“僕”を柄本、友人・静雄を染谷、ふたりの男の間で揺れ動くヒロイン・佐知子を「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」で注目された石橋がそれぞれ演じる。

君の鳥はうたえる」を京都みなみ会館で鑑賞した。原作は佐藤泰志。今作が4度目の映画化となる。2018年公開。今秋、佐藤の原作小説「草の響き」が映画化される。

いやはや、男と女の関係性について、本来どうあるべきなのか、難しいことはよくわからない。周囲の人々が恋愛をする様子はなんとなく見てきた気がするけれども、所詮は他人の問題と考えていた。「大人の恋愛と結婚は別」だったり「若いうちに遊んでおけ」だったり、世間ではいろいろと言われている。そうはいっても実感が湧かない。恥ずかしい限りだ…。

ただ、思うに「愛」を形あるものにすることが大切なのではないか。この作品を見て感じたことだ。最初は、佐知子は「僕」に惹かれた。佐知子はアルバイト先の店長との関係を断つ。「僕」との関係性を形にするためには、踏ん切りをつける必要があった。けれども「僕」にはその思いが伝わらない。「僕」の佐知子に対する「愛」は曖昧で、おぼつかない。本当に「僕」は「愛」しようとしてくれているのだろうか…? 結局、静雄との距離が縮んでいく。

「愛」は曖昧なものではなく、しっかりと形にしなければ、あってないようなものとなる。「愛」は形にしなくてはならない、と静雄は気づいている。家族と離れ離れに暮らしているからだろうか。その真相は謎だが、静雄は佐知子を意図的・意識的に連れ出す。佐知子の心は少しずつ静雄に傾いていく。「僕」が佐知子に対する「愛」を「形にする」ことはできるか…?

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