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引越し(退去)〜東京ファイナル/大阪ビギニング

昨日は夜中に一度目が覚めて二度寝したらそれなりの時間だった。出向先のメールをチェックし急かされていた一昨日の会議での事項を承認する。
そして最後の風呂へ。風呂周りの残りのものやバスタオルを捨てる。
その後、ついに電子レンジやミニテーブル、そして折り畳み式ベッドを粗大ゴミとしてゴミ庫へ。

考えてみれば電子レンジは家人が嫁入り道具として持ってきたものをお下がりとして単身宅に持たせてくれたもの。現役生活28年ちょうどで引退することになった。本当にご苦労様でした。
さらに溜まりまくった洋服購入の際に入れてくれる紙袋を大量に捨てる。

ほぼ予定通り9時過ぎに業者が来た。若い男女ペアだ。手際は良いように見える。マスクでよくわからないがなんとなくあどけない顔をして小柄な女性の方もなんなく重たい荷物を持ち運びしているのを見るとプロだなと感心。若い時はこういう仕事もやれと言われればできる自信があったが、もう重たいものを持ったり置いたりするのは身体がきかない。かつてであれば少々手伝ったりしていたが、全くそれをせず、と言うかできず、単に見守るだけになってしまった。やはり荷物が多いのか思いの外、時間がかかる。作業は勝手に1時間から1時間半と読んでいたが2時間を超えても終わらない。途中でガスメーターのチェックに来たり、退出時に立ち会いたい大家からの催促の電話がかかったりと忙しない。

そしてようやく荷物が出た!

まだ捨て忘れたものが所々にある。それらをかき集めてゴミ庫へ捨てに行こうとするも業者と入れ替わりで大家が入ってくる。
退去時の立ち会いチェックだ。
「長い間ありがとうございました」と。このマンションのほぼ新築時から住んでいたのでそれは長いはず。
ところどころをチェックされながら思いがけない言葉も出る「綺麗に使われてましたね」と。真逆の反応が出ると思っていたので意外。
しかし一部、壁に傷がある。これは折り畳み式ベッドを広げる際についた傷だ。そこに対しては修繕代を請求すると言い出した。
え?これは経年劣化ではないのか?それにいずれにしても張り替えるのだろう?といきなり抗議。すると大家は私に対してそれらは会社が負担するものではないのかと問い返す。それに対し私はどちらかわからないがいずれにしてもおかしくないか?と。
その私の意外?な反応に個人が負担されるならこれだけ長く使って頂いたので請求はやめておきますと。それはそれで助かったがやはり腑に落ちない。
そうすると大家は書類を見て私の会社名を確認し「家賃関連のこともやっておられますよね?」と。なので大家は私がそんな抗弁をするのかと勝手に納得したようだが、別に家賃のことに詳しいわけでもなんでもなく普通に抗議しただけだ。
と文字で書くと険悪なムードで干戈を交えたように読めるが上のやりとりの実際は友好的なムードで行われた。なぜなら最初にまた私の余計な癖、リップサービスで「なにせこのマンションは便利なので、東京に戻ってくる時はまたここにお世話になります!たぶんそんなに遠くないと思います!」と心にもないことを言ってしまっていたから。
とにかくその場で鍵を返し、残ったゴミを捨てにゴミ庫に何度か往復して想い出に浸る暇もなく、このマンションを出た。後で思い出したが物干し竿を捨てることと最後の郵便物の有無確認を忘れた。なんとなくこの大家に追い出されたような感じだ。

東京を「最後だ、最後だ」「目に焼き付けよう」と思おう思おうとしても昨日の日記に書いた通り、なかなかそう言う心情にはなれない。普通に電車を乗り継ぎ東京駅まで来て、その電車に乗っている間に予約した新幹線の時間もギリギリだったので慌てて弁当を買って新幹線に飛び乗る。慌ただしいにも程がある。
余韻なんて言葉もない。
でもこんなあまりにも「普通」の終わりの方がいいのかもしれない。
ただ弁当のチョイスだけを除いて。
弁当の写真を撮り忘れたがなぜか「味噌カツとひつまぶしのセット」を選んだ。東京にも京都にも大阪にもなんの縁もない名古屋の名物だ。一昨日のTSの疑惑が潜在的な心理に影響を与えているのか?ここだけは「普通」でなかった。

そして何事もなかったように、その名古屋を越え京都を越え新大阪に着いた。感慨も何もなく着いた。
新大阪に着いてその足で一昨日、千駄ヶ谷のショップへ買いに行くかどうか迷って断念したモノを買いにそのショップの心斎橋にある大阪店へ。
入るなり「あれ〇〇さん!」と馴染みの顔、店員のSさんが私の名前を叫ぶ。こちらの店の他の店員さんも皆、顔を知っているがここまで私のことを知ってくれてはいない。Sさんは昨年9月に転勤で大阪へ来たらしい。元々は小倉出身で独身で身軽なので大阪に行けと命じられたようだ。逆に私の事情も聞かれたので単身赴任だったこと、今東京を引き払ってきたことなどを説明。そんなやりとりをして、既にこちらでの楽しい感が湧いてきた。
そんなこんなで一旦自宅に戻り、またすぐ梅田へ。
いつものバーへ。

追っかけで元部下NとHCが来てくれる。
少し相談に乗ったり、また普通に笑える会話をして心地よい時間が過ぎていく。
これが新しい「日常」になる。そのことが嬉しい。
帰りに自宅最寄駅に着くと全く予想していなかった小雨が降っていた。
これがひょっとしたら涙雨なのかなと思ったら自然と涙が溢れそうになる。側から見たら変なやつに見えただろう。でも無意識に痩せ我慢していたかもしれない感情が引越し(の荷物出し/退去)と言う大きなイベントを終えたことでその限界を越えてしまったのだろう。

ありがたいことにNからプレゼントを頂いた。
なんで迎える方が何かをくれるのか?と問うと「距離は近くなったけど私たちからしたらやはり〇〇さんを取られたから」と。ここでも涙腺が決壊目前に。
そしてその中身は「香り」

きっと未来に渡ってこの「香り」を嗅いだら、これらの日々を思い出すだろうなと思う。こんな人たちに応援してもらって私はやはり幸せだ。
東京ファイナル、大阪ビギニング、の日。
私自身のヒストリーで言えば歴史的な日である昨日、酔いもしたし疲れもしたが、この日の終わりにこの「香り」が私の心を満たせてくれた。

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