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#10 『ホモ・デウス』:Read for Actionの読書会で積読を読んでみる

おはようございます、ちゅるぱんです。

昨日は友人が主催するChiyodaupdateの読書会にオンラインで参加しました。

この読書会では、Read for Actionの手法を用いているので、読んだ後、24時間以内に何かしらアクションをしなければなりません。今回のnoteはそのアクションの一つです。

今回の読書会のテーマは「予測不能な中でどう生きるか(働くか)」

このテーマを元に、各自読みたい本を持ち寄りました。
私が選んだ本は『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来(上下)』。昨日のnoteに続き、ユヴァル・ノア・ハラリ氏の本です。


この本は、2018年産休育休に入る前に仕事でお付き合いのある研修講師やコンサルタントの方々がお薦めしていたので購入した本。上は通勤中に読めたものの、下はまだ読めておらず、また、本書で著者が何を言おうとしているのかを自分でうまく言語化できていなかったので、この本を選びました。

Read for Actionの読書会では、事前に本は読まずに参加できるところが好きで、毎回目から鱗なのですが、今回の書籍は重たかった。人類の石器時代から現代までにおける歴史と哲学の大きな流れが中心となっているので、そこを短時間で咀嚼することは、まるでブラックホールの中に放り投げられて、無数の星の中から大事なもの、自分が知りたいことを探し出すような感じでした。

この本を読んで何を得たかったか?

本を読むときに、何のためにその本を読むか?その本を読むことで何を得たいのか?を読む前に考えることはとても重要。

私が読む前に、これを得たいなと思ったことは以下2点。

1) これまで人類はどんな歴史を経てきたのか?
2) これからの世界、未来をどんな風にみたら良いか?

この二つの問いを元に、本書の内容を自分なりにざっくりと解釈してみる。

人類は、もともと森羅万象の宇宙の中で、動物の一種として生きてきた。しかし、農業技術により、動物たちは外へ追いやられ、科学技術の発展により、人類はますます動物たちとは区別されたものとなり、次第に、自分がたちがこの地球上で一番賢い、神ですらも人類をコントロールすることはできないという「人間至上主義」となっていった。現代では、戦争も、疫病も、干ばつ、飢餓も中世の頃と比較すると少なくなっており、それは、人間が発展段階においてそうした人類の課題もコントロールできるようになったということだ。

現代では、さらに科学技術が発達し、あらゆるものがデータで繋がろうとしている。そして、「人間至上主義」は科学技術のさらなる発展により脅かされている。今、人間はその科学技術の構築者であるが、このまま科学技術が急速に進み続ければ、車が開発された時に馬が衰退したように、いずれ人間は「構築者」から衰退し、単なる「チップ」、さらには「データそのもの」に落ちぶれ、ついにはデータの奔流に溶けて消えかねない。

では、そんな歴史と現在の状況を鑑みて我々はどうすべきなのか?
我々はまだ「現在の科学の教義が正しくない」と考える余地がある。未来予測というものは「未来は変えらえる」という前提で考え、行動すべきだ。未来予測を「予測」と捉え、その予測に向かってそのまま流されるのではなく、「現在、我々が未来を選択するために選ぶ選択肢を考察する方便」としてみるべきだ。予測を立てても、それで何ひとつ変えられないとしたら、どんな意味があるのか?

人類の最大の強み、人間ならではの能力は、「大勢が柔軟に協力する能力」だ。そして、それは、「誰もが信じる虚構」(共同主観的現実)によって支えられており、それが未来を作っている。私たちには、この世界に意味を与えている「虚構」を読み解くことが絶対に必要だ。

なるほど。本書が言わんとしていることがようやく少しつかめました。

一番印象的なのは、「予測のための予測ではなく、未来は変えられるという前提で思考や行動をする」こと。私も含め、我々は、未来予測について考える時に、どうしても、「何年後はどうなる?」「どんな準備をしておいたら良い?」と安易に考え、後追いになりがちだ。でも、本書が言っているのは、予測にそのまま流されるのではなく、自分がどんな社会、どんな世界があったらいいか?ということをまず持っておくこと、そして、その中で、現在の技術発展がその人類や地球の未来にとって理想のものなのか?良いものなのか?を考察して一人一人が選択をする必要がある。つまり、未来を創っていくと考えて行動することが大事だ。と言っているように理解した。

また、この話は先日見に言った森美術館での「未来と芸術展」での展示でも通づる部分がある。一部の展示では、子供の能力を初めから「仕事を効率的にできるように、頭を変形させる手術をする」みたいな展示があった。技術的にそれは可能かもしれないが、私たちは、本当にその未来を望んでいるのだろうか?


本書で言わんとしていることは、私がここ半年くらいこれから生きていく上で大事だなと感じている、「自分の価値観を持つこと」「理想の社会、世界観は何か?を自分なりに持つこと」「正義とは何か?を常に考えること」「自分の哲学を持っていること」につながってくると感じる。

先がどうなるかわからないからこそ、過去を学び、過去から解放され、未来を創っていく必要がある。安易に流されることはとても危険だ。大きな流れの中で、未来をどうみるか、どう作るか?

大きな話になると、ちょっと個人の行動には落とし込めないかもしれないが、個人の行動は、選挙でリーダーを選ぶ時に反映される。一人一人がどんな未来を創っていきたいかを考えないと、未来を作るリーダーは選べない。選挙で良きリーダーを作るには、日頃の政治にも関心を持っていなければ、政治家たちが考えている未来に流されてしまう。私たちには、「ちょっと待って!それ、本当に大事?本当にその未来に向かって言って良いの?」と言える権利がある。

本書を読んで、歴史から学ぶことを忘れずに、自分の道徳性を高め、理想の未来観る、価値観をやしなう力をつけていくことが大事だと改めて感じた。


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