【東欧旅行記】 ブダペスト 船上から眺むドナウの真珠
こんにちは。
ドイツ・ミュンヘンに留学中の大学生、桜です。
今回は、前回のブラチスラバに引き続いて、東欧旅行記ブダペスト編です。
聖イシュトヴァーン大聖堂
ここは、ハンガリー建国の父、ハンガリー王国初代国王のイシュトヴァーン一世にちなんで名づけられました。
入って右側の祭壇には、彼の右手のミイラが今も保管されています。
(残念なことに写真を撮るのを忘れました・・・・・)
ですが、大聖堂の中身自体も、細かく描かれた優美な絵画が素晴らしかったです。
このイシュトヴァーン大聖堂、国会議事堂と並んでハンガリーで最も高い建物だそうで、
私のおすすめはエレベーターと階段を上がったところからみる景色です。
上から街を見下ろすと、真ん中が開いている形の建物が多かったです。
(このあたり特有なのかな?)
泊まったホテルもこの形で、その多くは内側にテラスが開けているような作りでした。
ドナウ川のほうを向くと、画面左に国会議事堂が見えました。
ヨーロッパの、建物の標高が低くてずーっと向こうまで見渡せるところが、私は好きです。
日本の「都会」はビルが群をなしてひたすら上を目指していて空がとても狭く感じるけれど、こちらの「都会」は建物が低くて空がとても広くて、思わず上を見上げて息を深く吸いたくなるような気持ちよさがあります。
銃殺されたユダヤ人の靴
ドナウ川のほうへ向かいます。
これは途中で出会った銅像。
写真からも十分伝わるように、みなさんおなかを撫でていて、
どうやら幸せが訪れるとのことだったので私もしっかり撫でました。
国会議事堂沿いの道を歩いていると、とあるモニュメントに出会いました。
「銃殺されたユダヤ人の靴」の像。
第二次世界大戦中、約2万人のユダヤ人がナチスによってこの場所で銃殺され、当時価値が高かった靴は脱がされてこの川へ落ちていったそう。
城からドナウを見下ろす
いよいよ川の向こう側、ブダ城へ向かいます。
ブダ城は、もとはハンガリー王国が建設したものでしたが、ハプスブルクが台頭し、18世紀にハプスブルク家の支配下に置いてバロック様式にて改築されています。
現在は、国立美術館や歴史博物館などが館内にあります。
ドナウ川の向かい側からブダ城を眺めてみました。
川の向こうの丘の上一帯がブダ城で、向かって左側には主に美術館や博物館、向かって右側には世界遺産となったマーチャーシュ聖堂や漁夫の砦があります。
ちなみに、この川岸で30分ほどぼーっとしようとスターバックスを買いに行った際、
(私、自分の名前を言っても伝わらないのでいつも愛猫の名前を使っているのですが)
「ユキサン、デスカ??」と日本語で話してくれた店員さん。
どうやら日本語勉強中だそうで、おじさんでしたがすごく可愛らしい日本語で思わず頬が緩みました。
英語以外の外国語を学んでから、こんな風にネイティブと思いがけず出会うことの嬉しさがわかるようになりました。
さすが日本語を勉強しているだけあって、さん付けで名前を書いてくれました!笑
ゆき、と伝えると特にヨーロッパではJukiと書かれることが多い中、Yukiと書いてくれたことにも感動。
ちなみにこれは、一緒に行った友人が望遠レンズでとってくれたもの。↓
そろそろ城へ向かいます。
ブダ城
ブダ城の上まで上るには、ケーブルカーと徒歩があったのですが、確かケーブルカーだけで€10くらいしたので歩いて上ることにしました。
上りきって博物館のある建物から後ろを振り返ると
雄大なドナウ川とそれにかかるセーチェーニ鎖橋、奥に見える国会議事堂がなんとも圧巻の景色。
ちなみに歴史博物館にも入りました。
国が観光に相当力を入れていることがわかる、しっかりした展示内容で、恥ずかしながらハンガリーの古い歴史には詳しくない私ですが、相当古そうな発掘物などから最近のオーストリア=ハンガリー帝国の歴史まで網羅していたのには感嘆しました。
漁夫の砦
ブダ城を北にずーっと歩いたところにあるのが漁夫の砦。
ここは「世界で一番美しい砦」だそう。世界で一番を聞きすぎて、もう言ったもの勝ちでは?となってしまいますが、ここから見下ろすドナウ川は確かに世界一と言いたくなりました。
昼下がり、西日に照らされて輝くブダペストの街並みが一望できます。
振り返ると、マーチャーシュ聖堂が。
ここは、かの有名なフランツ・ヨーゼフの弟の孫として、ハプスブルク家最後の皇帝(オーストリア=ハンガリー帝国皇帝)となったカール一世など、歴代のハンガリー帝国皇帝の戴冠式が行われた場所です。
この独特な屋根の柄は、19世紀末の修復時に付け加えられたもので、当時大論争を呼んだのだとか。
ブダ城の区域が丸ごと世界遺産登録されているということもあり、ひときわ目立つこの聖堂には多くの人が訪れていました。
さて、ここからは私がハンガリーを訪れた二大目的です。
シシイ暗殺の傷が残る服
ドイツのバイエルン王家出身で、当時のオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフに嫁いだ若き皇妃・エリーザベトことシシイは、実はハンガリーにとても愛された皇妃でした。
というのも、当時のオーストリアはハンガリーを兼ねた二重帝国として存在しており、シシイはハンガリー皇妃でもありました。
フランツの母の厳しい宮廷教育などに嫌気がさしていた彼女は、たびたびハンガリーを訪れ、ドイツ人であるにもかかわらずハンガリー語に堪能でした。
そんな彼女は、51歳の時息子ルドルフが自殺して以来悲しみに暮れて喪服しか着なくなり、悲しみに暮れながら逃避行を続けた先、スイスのジュネーブでの暗殺でその人生を終えます。
意図しない結婚により失われた自由、幼い長女の死(皮肉にもこれはハンガリーでの出来事でした)、唯一の息子の死、悲しみに満ちた彼女の人生は、「王侯貴族であればだれでもよかった」というアナーキストによって心臓を一突きされるという最大の悲劇で幕を閉じました。
この、暗殺時着ていた服が、ハンガリーの国立博物館に展示されているのです。
閉館20分前に博物館に駆け込んだ私は、どうしてもこの服だけは見ないと帰れないと思い必死に探しますが見当たらず、、、
係員の方も全員英語が通じず、スマホの画像と身振り手振りだけで連れてきてもらったのは、さまざまな展示の奥の奥のほう。
拍子抜けするほど端っこに、こじんまりと展示されていたのは、50代女性が着ていたとは思えないほどウエストが引き締まった美しくも痛々しい喪服でした。
その左胸には、犯人ルキーニが自ら尖らせたヤスリによってつけられた傷が、小さく、しかしくっきりと刻まれていました。
ほかにも、ハプスブルク家やハンガリー王国に関する見ごたえのありそうな数多くの展示を擁するハンガリー国立博物館。
次はもっとゆっくりと見て回りたいです。
遊覧船からドナウの真珠を眺める
さあ!!!!
ブダペスト編最後にして最大のクライマックス、
ドナウ川のナイトクルーズです。
大学一年生の時に作った「人生でやりたいことリスト」にも入っていた、「ドナウ川のナイトクルーズでライトアップされた国会議事堂を見る」をついに叶えるときです。
ホテルで少し足を休めてから、再びドナウ川のほうへ歩き、クルーズのピックアップポイントへ向かいます。
長年の夢を最高の形で叶えるため、列のほぼ最前にスタンバイして船に乗り込みました。
ちなみに今回のドナウ川をブダ城のほうから国会議事堂のほうまでぐるりと回るクルーズ、ワンドリンク付でなんと一人11ユーロ。
夜の船上はとても寒かったですが、ブダ側、ペスト側どちらを見てもそれはそれは素晴らしい眺めでした。
これはやはり人生で一度は眺めるべき景色。
そう確信した、ブダペストで過ごす夜でした。
感動を伝えたくて少し写真を載せすぎたかもしれません、、、(笑)
ブダペストを訪れるなら、夜まで、そしてできれば川の上からパノラマビューで、この美しい眺めを楽しむべきだと思いました。
以上、東欧旅行記ブダペスト編でした。
次は「飛んでイスタンブール」へ!
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