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研修医のための微生物レクチャーシリーズ

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この連載は・・・微生物検査の基本であるグラム染色と培養検査の結果をどのように解釈し実臨床に役立てていくべきか,ミニレクチャー形式でわかりやすく解説します.
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研修医のための微生物レクチャーシリーズ グラム染色所見と培養結果からどう考える?(24)

[第24回]グラム陽性桿菌編 ⑨ 黒田浩一 くろだ ひろかず 神戸市立医療センター中央市民病院感染症科 前回の連載では,ノカルジア症の治療と予後について説明しました.今回は,このシリーズで最後に説明するグラム陽性桿菌であるActinomyces属の微生物学的特徴・臨床像・診断・治療について解説していきます. 1.Actinomyces属の微生物学的特徴 Actinomyces属には多くの菌種が存在しており,25菌種以上がヒトに感染を起こす可能性が指摘されています1~3).

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研修医のための微生物レクチャーシリーズ グラム染色所見と培養結果からどう考える?(23)

[第23回]グラム陽性桿菌編(8) 黒田浩一 くろだ ひろかず 神戸市立医療センター中央市民病院感染症科 (初出:J-IDEO Vol.7 No.5 2023年9月 刊行) 前回の連載では,Nocardia属の微生物学的特徴とノカルジア症(Nocardiosis)の臨床像と診断について説明しました.今回は,ノカルジア症の治療と予後について説明していきます. 1.ノカルジア症の治療   前回の連載で詳しく説明しましたが,ノカルジア症は主に細胞性免疫不全のある患者に発症す

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研修医のための微生物レクチャーシリーズ グラム染色所見と培養結果からどう考える?(22)

[第22回]グラム陽性桿菌編⑦ 黒田浩一 くろだ ひろかず 神戸市立医療センター中央市民病院感染症科 (初出:J-IDEO Vol.7 No.4 2023年7月 刊行)  前回の連載では,時々血液培養で検出される偏性嫌気性菌であるClostridium属について説明しました.今回と次回の連載では,有名かつ特徴的な形態をした(しかし,めったに出会うことのない)グラム陽性桿菌であるNocardia属について解説します.今回はNocardia属の微生物学的特徴とノカルジア症(

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研修医のための微生物レクチャーシリーズ グラム染色所見と培養結果からどう考える?(21)

[第21回]グラム陽性桿菌編⑥黒田浩一 くろだ ひろかず 神戸市立医療センター中央市民病院感染症科 (初出:J-IDEO Vol.7 No.3 2023年5月 刊行)  前回の連載では,有名ですが,それほど出会うことのない(高次医療機関でも年数例程度)グラム陽性桿菌であるListeria monocytogenesについて説明しました.今回は,時々血液培養で検出される偏性嫌気性菌であるClostridium属について解説していきます. 1.Clostridium属の微生

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研修医のための微生物レクチャーシリーズ グラム染色所見と培養結果からどう考える?(20)

[第20回]グラム陽性桿菌編⑤ 黒田浩一 くろだ ひろかず 神戸市立医療センター中央市民病院感染症科 (初出:J-IDEO Vol.7 No.1 2022年1月 刊行)  前回の連載では,ときどき臨床現場で出会うグラム陽性桿菌であるPropionibacterium属(正式名称はCutibacterium属)について説明しました.今回は,有名ですが,それほど出会うことはない(日本の高次医療機関だと年数例程度)Listeria monocytogenesについて解説してい

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研修医のための微生物レクチャーシリーズ グラム染色所見と培養結果からどう考える?(19)

[第19回]グラム陽性桿菌編④ 黒田浩一 くろだ ひろかず 神戸市立医療センター中央市民病院感染症科 (初出:J-IDEO Vol.6 No.5 2022年9月 刊行) 前回の連載では,代表的なグラム陽性桿菌であるCorynebacterium属について説明しました.今回は,ときどき臨床現場で出会うグラム陽性桿菌であるPropionibacterium属(正式名称はCutibacterium属)について解説していきます. 1.Propionibacterium属の微生

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研修医のための微生物レクチャーシリーズ グラム染色所見と培養結果からどう考える?(18)

[第18回]グラム陽性桿菌編③ 黒田浩一 くろだ ひろかず 神戸市立医療センター中央市民病院感染症科 (初出:J-IDEO Vol.6 No.4 2022年7月 刊行) 前回の連載では,代表的なグラム陽性桿菌であるBacillus属について説明しました.今回は,もう一つの代表的なグラム陽性桿菌であるCorynebacterium属について解説していきます. 1.Corynebacterium属の微生物学的特徴Corynebacterium属は,ヒトの皮膚・粘膜の常在菌

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研修医のための微生物レクチャーシリーズ グラム染色所見と培養結果からどう考える?(17)

[第17回]グラム陽性桿菌編② 黒田浩一 くろだ ひろかず 神戸市立医療センター中央市民病院感染症科 (初出:J-IDEO Vol.6 No.2 2022年3月 刊行) 前回の連載では,グラム陽性桿菌の実践的分類について説明しました.今回は,比較的よく経験するグラム陽性桿菌であるBacillus属について,そのなかでも,病院内で免疫不全者や静脈カテーテル留置中の患者に感染症を起こすBacillus cereus(B. cereus)を中心に解説していきます. 1.Ba

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研修医のための微生物レクチャーシリーズ グラム染色所見と培養結果からどう考える?(16)

[第16回]グラム陽性桿菌編① 黒田浩一 くろだ ひろかず 神戸市立医療センター中央市民病院感染症科 (初出:J-IDEO Vol.6 No.1 2022年1月 刊行) 前回の連載では,Streptococcus bovis groupによる感染症について説明しました.前回までの15回の連載で,グラム陽性球菌について一通り説明し終わりましたので,今回からグラム陽性桿菌(Gram-positive rods:GPR)について解説していきます. GPRが臨床検体から検出さ

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研修医のための微生物レクチャーシリーズ グラム染色所見と培養結果からどう考える?(15)

[第15回]グラム陽性球菌編⑮ 黒田浩一 くろだ ひろかず 神戸市立医療センター中央市民病院感染症科 (初出:J-IDEO Vol.5 No.6 2021年11月 刊行)  前回の連載では,Streptococcus anginosus group(S. anginosus group)による感染症について説明しました.今回は,Streptococcus bovis groupについて解説します. 1.Streptococcus bovis groupの微生物学的特徴

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研修医のための微生物レクチャーシリーズ グラム染色所見と培養結果からどう考える?(14)

[第14回]グラム陽性球菌編⑭

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研修医のための微生物レクチャーシリーズ グラム染色所見と培養結果からどう考える?(13)

[第13回]グラム陽性球菌編 ⑬ 黒田浩一 くろだ ひろかず 神戸市立医療センター中央市民病院感染症科 (初出:J-IDEO Vol.5 No.3 2021年5月 刊行)  前回の連載では,腸球菌(Enterococcus属)による感染症の治療について説明しました.今回は,Viridans Group Streptococciについて解説します. 1.Viridans Group Streptococci(VGS)の特徴 VGSは,中咽頭・消化管・皮膚などに常在し,β

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研修医のための微生物レクチャーシリーズ グラム染色所見と培養結果からどう考える?(12)

[第12回]グラム陽性球菌編 ⑫ 黒田浩一 くろだ ひろかず 神戸市立医療センター中央市民病院感染症科 (初出:J-IDEO Vol.5 No.1 2021年1月 刊行)  前回の連載では,腸球菌(Enterococcus属)による感染症について説明しました.今回は,腸球菌による感染症の治療について解説します. 腸球菌による感染症の治療1.薬剤感受性  E. faecalisはほぼ100%の株がペニシリンとアンピシリンとバンコマイシンに感性です.一方,E. faeci

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研修医のための微生物レクチャーシリーズ グラム染色所見と培養結果からどう考える?(11)

[第11回]グラム陽性球菌 ⑪ 黒田浩一 くろだ ひろかず 神戸市立医療センター中央市民病院感染症科 (初出:J-IDEO Vol.4 No.6 2020年11月 刊行)  前回の連載では,肺炎球菌が起こす感染症とその治療について説明しました.今回は,腸球菌(Enterococcus属)による感染症について解説します.文字数の都合上,腸球菌による感染症の治療については,次回の連載で説明します. 1.腸球菌の微生物学的特徴 Enterococcus属は,腸管内の常在菌の

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