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研修医のための微生物レクチャーシリーズ グラム染色所見と培養結果からどう考える?(27)

[第27回]グラム陰性桿菌編 ③

黒田浩一 くろだ ひろかず
神戸市立医療センター中央市民病院感染症科


(初出:J-IDEO Vol.8 No.5 2024年9月 刊行)


 前回の連載では,グラム陰性桿菌(Gram-negative rods:GNR)のうち,インフルエンザ菌,嫌気性グラム陰性桿菌,紡錘形のグラム陰性桿菌,らせん状のグラム陰性桿菌,Aeromonas属の形態の特徴について解説しました.今回は,グラム染色の実施が抗菌薬選択の際に有用と考えられるGNRによる感染症を提示した後,臨床現場でのGNRの実践的分類について解説します.

1.グラム染色が診療する上で重要な役割を果たすグラム陰性桿菌による感染症

 臨床検体のグラム染色を実施・評価することが,抗菌薬の選択において有用と考えられるGNRによる主な感染症は,尿路感染症(特に複雑性尿路感染症),肺炎(特に人工呼吸器関連肺炎),菌血症(focusは問わない)の3つです.以下,これらの感染症におけるグラム染色の役割について説明します.

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