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【北海道ツーリング】顔が格好いいとガソリンスタンドでサービスしてもらえる

もう二度とライダーハウスなんて泊まらない。そんな私、風と共に走り去りぬ、今日一日、こんなことが起こった。

・海岸線に興奮する
・ローソンの日向坂と桜坂に癒やされる
・ウニ丼では無く、にしんそばを選択する
・閉鎖されたキャンプ場を前に決断を迫られる
・初のライダーハウス宿泊

そんな今日の出来事をこれから詳しくお伝えいたします。

海岸線に興奮する
私の住む大埼玉帝国には海が無い。ので、海を見ると子供みたいに騒いでしまう。そんな性根もあってか、日本海を左に眺めながらバイクに乗るのは最高だった。普段発する言葉をセーブしている弁みたいなものが壊れ、


「うわっはっはっ」
「うんこ、ちんこ、ま、、、んこ!!!!」
「やばい、やばい、兆やばくないこれー。あっはっはっ」


と広大な海に魂からの声をすべてぶつけた。良い迷惑である。

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ローソンの日向坂と桜坂に癒やされる
バイクに乗り続けていると、お尻が痛くなる。
痛いなんてもんじゃ無い。お尻をプレス機でぎゅーっと五トンくらいの力で押されるくらい痛い。ので、コンビニ等で適度に休憩を入れることが求められるわけだが、そこで浮上するのが、どのコンビニに寄るか問題だ。
私はローソンに寄り続けている。なぜなら日向坂のメンバーがいるからだ。彼女たちの顔を見ると、どうしてか痛みがすっと引き、もう一度走り出すことができるのである。(頑張っているのはバイクで会って、私では無い)同時に、こんな東京から離れた地にもおひさま(ファンの総称)がいて、レコメンとか聞いているんだろうなーと思うと感動してしまう。にぶちゃん~♡

神威岬で大興奮
単なる岬なのに、観光客が多い。
長い道、両岸に迫る日本海とオホーツク海。北の方角に目をこらせば、ロシア大陸が浮かび上がる。雄大な景色を見ながら私は呟いた。

国と国は海を隔ててつながっているんだなぁ。
(『にんげんたもの』相田みつお)

は?
そう思った方、あなたたちは情報に犯されています。事実、寝る直前までスマホが手放せませんね? そう、これがメンタリズムです。

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という超超面白い冗談を挟みつつ、なぜそんな当たり前のことを呟いたのかを説明させていただきたい。
私たちは手元の小さな端末のおかげで、常に世界とつながっている。国際情勢から、エチオピアの少年が昨日何を食べたのかまで、幅広く、自分の四肢が及ばない範囲の出来事を把握できる。
こんな時、全知全能の神になった気分になるわけだが、問題点が一つある。それはディスプレイの奥で起きる事象には現実感が不足しているということだ。
どこか遠い星、自分と全く関係のない生物たちの話。
動物園で珍しい生き物をみるような視点で世界を把握した気になっていないだろうか。私はこの神威岬を見るまでそう思っていた。
海の向こうに人が住んでいる。
ディスプレイでは無く、自分の目を通してその奇跡的な事実を知ると、私の体は震えた。
同じ惑星に住んでいるんだ。珍しい生物ではないんだ。同じようにバイクの免許を取ったりするんだ。はしゃいでいる人にイラッときたりするんだ。Pornhubでアダルト動画を見たり――
っと、ロシアに住んでいるかもしれない自分自身に思いを馳せながら長い神威岬を戻った。

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あと、全く関係の無い話であるが報告させていただく。
青いソフトクリームはマックのソフトと同じ味だったのに、500円も取られた。対して、にしんそばは900円で最高においしかった。お土産用でにしんを購入してしまったくらいだ。

閉鎖されたキャンプ場を前に決断を迫られる
海沿いでキャンプしたいなあ-。そんな思いは今日も叶わなかった。コロナウイルスの影響で、海水浴場が閉鎖されていたからだ。仕方なく周辺の泊まれそうなところを探していると、「ライダーハウス岡本」というスポットがすぐ近くにあった。
到着し、その宿泊施設の全貌を見た瞬間私は思った。


めっちゃ普通の民家じゃん。
(『ボキャ貧の若者言葉辞典』)


だが、止まるわけにはいかない。最も近いキャンプ場でも10キロ以上離れていて、値段も1000円以上する。今日は朝から走り続けていて、もう休みたい。そう。私は”休みたい”のだ。


「せっかく北海道来てるし、ライダーハウス泊まっとく経験も必要でしょ」
(『劇録!北海道ツーリング』徹夜で東北道を縦断した男の証言P.268)


緊張しつつ、民家のドアに手を掛けた。

初のライダーハウス宿泊
「それじゃ、ここに名前書いて」と言われ、聞き分けの良い子供みたいに丁寧に住所と名前を記入した。岐阜県、福島県、北海道。様々な地方からの来客を示す宿泊者台帳には、たくさんの土地の人間の情報が詰まっていた。あれ? 私を含めてあと一人来客がいるでは無いか! どんな人なんだろう。そう思いながら、宇宙船がある銭湯に向かった。

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銭湯では思い切りこけた。鍵泥棒のメソットみたいなこけざまに思わず自分でも笑ってしまった。周りは、「大丈夫か」となまり口調で心配してくれたが、あまりに恥ずかしかったので、「見なかったことにしてください」とごまかした。見事に滑った。両方の意味で。

ライダーハウスに戻ると、テレビを見ていたおばちゃんの横に、私より数十歳上のお兄さんが座っていた。

お兄さん「一緒に飲もうよ」
私「はい、で、でも弱くって全然飲めませんよ」(サッと逃げようとする)
お兄さん「良いよ。ほらこっち来て」(聞いてない)

🤡「お前の耳が聞こえるように穴開けてやろうかぁ?」

※🤡は私の内側から聞こえた幻聴です。

ライダーハウスってこんな感じなんだ。ようし、頑張って話すぞ! これで旅人の仲間入りだ。おすすめのご飯屋さんとかキャンプ場とか聞いちゃうぞ~☆

頑張ろうとしている人間は、人と話すのが苦手である。
(ヘミングウェイ,1971年)

お兄さんとは北海道についての話をたくさんした。あの土地はこれがうまい。雨の日は動かない方がいい。この景色が綺麗だ。私も小気味よく質問をはさみ、翌日のルート作成にまで協力してもらった。ありがとう。お兄さん! サランヘヨ!

翌朝の出発時刻が決まったところで、私は二階にある寝室に向かった。ベットと敷布団がやっとの狭い部屋をさっきのお兄さんと二人で使う。(なんで同じ金額払って私が地べただったのだろう)
私は寝言がひどいので、迷惑を掛けてしまわないか、甚だ心配である。アラームをセットし、おそるおそる床についた。

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結論から言うと、こうした私の心配は不要であった。なぜなら、お兄さんのいびきが凄すぎて、眠ることができなかったからである。


すごぉぉぉぉぉぉい。
すごぉぉぉぉぉぉい。


漁港の肉子ちゃんもびっくりな大音量のいびきであった。私の美しい瞳は中学生の朝勃ちのようにギンギンで、全く眠る気配がなかった。

とほほだぜ☆

って、ふざけんな! 料金も以外と高いし、個室じゃないし! だったらキャンプするよ! 一人になれるキャンプをよ! もう絶対ライダーハウスなんて泊まらない。固く決心をした。

追記:翌朝は四時に起床し、化粧をするおばちゃんの横を逃げるように出て行きました。「速いねぇ」と若干引かれながら出発し、近くのローソンで時間を潰しました。

追記の追記:サービスとは旗のことです。せっかくもらったのに途中で失くしました。
動画版もございますので是非ご覧ください。GoProで撮影しているので高画質ですよ!!!

https://youtu.be/klxKE1vvLvI

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