短編小説『雨の日』

「雨降ってるの? 傘いる感じ?」

彼女は窓から外を眺める彼に聞いた。

「人によるかな」

彼は言った。

「どういうこと?」

「周りの人は傘さしてないかど、実際外出てみたらこれは傘いるでしょって思ったことない?逆も然りで」

「まあ、あるね」

「つまりはそういうことさ。傘が必要かってのは人それぞれなんだ。なので人それぞれとしか回答できないのさ」

「わかった、わかった。自分で見るよ。」


彼女は外を見た。土砂降りという言葉が一致率95%くらいだなと思った。めんどくさいから今後はこいつに雨の強度について問わないようにしようとも思った。


「この部屋って、雨の音聴こえないんだね」

彼女は言った。


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