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なぜ怒ると損なのか?

 腹立たしい事があったり許せないことがあり怒りが込み上げてくることがあるだろう。そして、怒りに任せて暴言を言ったり、中には暴力を振るう人もいるだろう。
 しかし、怒ると何が起こるのか?

 結論を先にいうと、
・冷静な判断力を失う。
・みっともないだけでなく、底が知れる。
 である。

 端的に言うと怒って行動しないほうが良いのである。
 なぜなら、怒っているという状態は基本的に冷静ではない状態である。冷静に判断してもうまく物事が進まないこの世の中で、冷静さを失い判断して良い結果をもたらすことは考えられないことは予想が付くだろう。
 だいたい物事が更に悪化する。漫画の主人公のように怒りがパワーに変換されることはまずないのである。
 怒りをパワーに変えて原動力にすると言っている人もいるが、大体が無駄なことをしている。例えば復讐であったり仕返しであったり、相手にマイナスを与えるだけでこちらには実利がない。

 次に、みっともないである。
 傍からして見るとみっともないのである。
「なんだ、こんなことで怒っているのか……」
「もっと言い方があるでしょ……」
「度量がない……」
 などなど。
 逆に怒らないで冷静に対処していると、周りから見て「度量が深い」などの良い印象が持たれることだろう。この人はすぐに怒らないと信用されることで人との繋がりも増えるともいえる。
 これらは事実ではなくてもこのように傍から思われる。
 なぜなら、ほとんどの人は一部始終しか見ておらず断片的な情報で判断し評価するからである。
 逆に全体を知る相対する相手から見るとこの程度でこのくらい怒ると底を知る事ができるのである。
 怒るのも、もっともである場合であればまだマシであるが、相手からして怒り過ぎに見えたり、思いがけないタイミングで怒られると、相手側に「(私の知らない事実や物事が裏で起きているのではないか)」と予測されるのである。
 また、怒らせようとして来ている相手に怒らないでいると逆に怖かったり、相手は困るのである。

 筆者の体験談を例に挙げて説明すると、相手は自分の仕事にプライドが有り定年を過ぎても仕事をしている言う人であった。
 その相手側のミスで迷惑を被った際電話で問い合わせて聞いたとき車の運転中で折り返し電話すると言うのかと思いきや携帯をほっぽり出しなんとガソリンを入れ始めたのだ。私からすると事故でも起きて緊急通報をしてあげたほうが良いのかと考えてたのだが途中から違うなと思い問うと、堂々とガソリンを入れていたと煽るように言い出してくれたので冷静に質問し記録した。
 後日、社長から謝罪と被った迷惑以外に通話料が加算され補填が行われた。
通話料が更に損害を大きくしただけでない。会社での地位も低下しただろう。
仕事にプライドがあればそのような暴挙に出ず、せめて普通に対応ができるはずだが、できなかったのである。つまりプライドもの何もなく単純に「お金がないから仕方なく定年を過ぎても働いていた」だけなのである。
 些細なミスを指摘されたことに怒り底が知れたのである。
 こちらからすると早く距離を取るべきと判断できる材料と客観的に正当な口実を手に入れラッキーでしかない。
 もし、ここで筆者が怒りに任せ怒鳴り返していたら、交渉も有利に進まなかっただろう。

 自然と湧き上がる怒りはどうすれば良いのか?
 怒らなければ良いと簡単に言うけれども、自然とイライイラしてしまうから始末が悪い。怒りがこみ上げたときはどう処理すれば良いのかと問われそうである。
巷で言われるアンガーコントロールという物がある。
 それは、メッセージなどを受け取った際怒りを覚えて返信する際に10秒ほど数えて本当に送信して良いか考えるものが有名な例だろう。
 それも一理あり、一つの手段ではあると思うがそれでは対応できないような強い怒りにどう対応すべきかあまり具体的に書かれた物は見たことが無い。

 筆者は基本的な安定した普段の生活のルーティーンの作成が有効だと考える。
 どういうことかと言うと、強い怒りを覚えたとしても、普段の生活のルーティーンに戻るまたは行うということである。
 このルーティーンは何でも良い。何かと一緒に紅茶を飲むでも良いだろう。普段日常でゆったりして過ごしていることをするのである。そうすることで怒りから離れ安定した普段の生活に一度戻り、そこから客観的に起きた怒った現象を見るのである。

 つまりは怒りのルーティーンがあるとすれば、
「怒りの感情を覚える→物に当たる→物が壊れる→更にイライラ怒る」といったことをするよりも、
「怒りの感情を覚える→日常の生活に戻る→客観的に考える→怒りが静まる」を勧めているのである。
 よって、日常の安定した生活基盤が欠かせないである。
 余裕のない生活では、些細なことでも怒るのは当たり前と考えている。
 普段のルーティーンを確立させることは結構難しい上、かなり経験がいると思う。言うは易し行うは難しであるがこの考えを意識して生活しておくと怒りに対する耐性が上がると言える。
 今回は怒りについて話したが、この方法は不安にも同じく対応し対処できる。

 怒りから来る不満や文句を言うにしても親友など一部の閉鎖的な環境で言うのにとどめ、当事者や公で言うのは止めたほうが賢明と言えよう。

 経験を重ね怒りをコントロールできる様な聖人になったとしても次は老いという問題がある。
 老齢になることによって気が短くなり、若いときと違ってまたコントロールするのが大変になる。
 怒りとは極めて原始的な人間の感情であり、うまく付き合うのは難しい。死ぬまでの課題であろう。


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