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連日のPCR検査、大量の野菜や皮付きの豚肉が届く、

みなさんこんにちは。日本は暑い日も増え、半袖で街を歩く姿が見られる季節となりました。とはいえ間も無く訪れる梅雨の季節では肌寒い日も増えるでしょう。体調管理には気を付けたいものです。

さて、前回はロックダウン中の上海の方々の様子についてご紹介いたしました。「四月之声」ではロックダウンの混乱に戸惑い、苦悩する方々の悲痛な叫びが記録されていました。

現地では段階的にロックダウン解除の動きが見られ、6月に入り解除となりました。肝心な感染者数は3月末に開始されたロックダウン以降はじめて1000人以下となりました。「ゼロコロナ」とはいかずとも、徐々に感染者数が減っているようです。

上海市は、流行は抑えられているとし6月1日から約1ヶ月ほどかけて再流行への対策などを打ちつつ、「上海市全体の企業の生産活動と市民生活を正常化する」と発表しました。それに先駆けて5月半ばより、自家用車やタクシーによる外出、走行を解禁しています。

日本が受ける影響もますます大きなものになっているようです。春を迎え新製品が発売される時期を迎えた家電業界。本来であれば家電量販店に最新機種が並びます。しかし、中国で製造を行なっている会社や製品も多く、入荷の目処が立たないといいます。よって新規受付を停止する家電量販店も増えているようです。

調べるほどその影響の大きさを実感します。多くの人が苦労を強いられていますが、中国のインターネット上ではすこし面白い話題も見られました。それは、上海に住む日本人がTwitterなどで上海の状況を伝えている投稿です。

#ジブリで学ぶ上海ロックダウン

というハッシュタグをつけ投稿されています。これはなにかというと、ジブリのイラストをつけてロックダウン時の生活を紹介をしているというものです。投稿に添えられている文章はどれもリアルです。このハッシュダグに投稿されている内容から見えてきた上海ロックダウンの様子をご紹介します。

■マンション単位での共同購入

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ロックダウン中の外出は禁じられているため、規制中は買い物に出掛けたり、散歩したりすることはできませんでした。しかし、食糧や日用品など必要なものはあります。いくら買いだめしていても再び買いに出掛けなくてはならない時が来ます。しかし、ロックダウン中は人だけではなくスーパーなどの店舗も稼働していませんでした。

そんな時、共同購入という形でマンションや団体単位で買い物を取りまとめしていたそうです。
上海全域で食糧・物資不足となっていたため、配給ではどうしても足りないものや、満足に配給が受けられない区域や、個人単位ではなかなか物資を手に入れることができないといった状況もあったようで、取りまとめて共同購入して物資を手に入れていました。

ご近所同士数名の共同購入とは違い、数十名から数百名単位での共同購入になるため、「だれがいくらのものを購入したか」という管理が重要かつ困難になります。当然ながら取りまとめをする人が全員と顔見知りであることはないため、何かしらの方法で管理しなければなりません。

そんな時使われたのが「グループチャット」です。
中国でメジャーなチャットアプリといえば「Wechat(ウィーチャット)」ですが、そのようなアプリを使い、共同購入者がコミュニケーションを取ることができるグループを作ります。その中で、取りまとめ役の人が情報をお知らせしたり、代金の支払い管理などをしていました。

その際管理しやすくするため、通常名前で登録しているアカウント名を部屋番号に変更する工夫があったそうです。そのような工夫によって共同購入が成り立っていました。


■連日のPCR検査

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ロックダウン中、唯一家の外に外出(といってもマンションなどの敷地内であることが多々)することができたのがPCR検査のタイミングでした。

ロックダウンがはじまった当初から解除の動きがあった5月末にかけて、何度もPCR検査がなされてきました。全市民に対してPCR検査を行うとアナウンスがあってからも、マンションや会社に陽性者が出てしまうとPCR検査を受けなくてはいけません。更に14日の自宅隔離も始まります。

PCR検査は連日行われ、日夜問わず検査に並ぶこともあったようです。結果的には2,3日に1度のペースでPCR検査を受けていた上海市民もかなりの数いらっしゃるようでした。解除に向けて動き出した5月に入ると、PCR検査を受けて陰性と認められないと外出・出社することができなかったため、PCR検査を受けたい人が殺到しました。政府が用意した検査場では足りないという状況に陥ったため、PCR検査も共同購入するという動きも生まれました。

PCR検査キットの購入という形になるため自費負担はあるものの、PCR検査場の混雑を気にせず検査を受けることができます。中には検査担当者が来てくれるケースもあり、手間が省けたという声も聞かれました。


■調理に大苦戦!?

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ロックダウン中、一番困る食料は政府からの配給も実施されました。もちろん、食糧の配給はありがたいことなのですが・・・配給される食べ物や食材がなかなか個性的だったようで、それはある種戦いだったとか。
いくつかご紹介します。

✨豚肉(皮付き)・鶏まるごと
タンパク源の補給に肉や魚は大変ありがたいものですが、そのまま調理に使える状態に下処理されたものではなく、受け取った後に処理が必要な状態のものが届くことも多々あったようです。捌き方を調べて挑戦している方もいたようで、まるでサバイバル・・・との声も聞かれました。

✨大量の野菜
肉と同様に野菜の配給はありがたいものの、大量に届くこともあり食べるのに一苦労もあったようです。中には1人暮らしなのに野菜が3キロほど届いてしまったという方も。傷んでいく野菜をなんとか消費しようと連日野菜の炒め物を作っていたり、茎レタスという普段食べ慣れていない野菜があったりと工夫を重ねて食べていたようです。

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*茎レタス (中国原産でステムレタスともいいます。太い茎の部分や若い葉を食用にします。味はアスパラガスのようだとか・・・。日本でも流通量は多くないものの東北をはじめとして全国で作られているようです)

✨食材は来ても調味料がない もしくはその逆
野菜や肉などの材料は届いても、調味料が届かないこともあったようです。自宅に備蓄していた調味料も切れ、買い足したくても外出できず料理を作るのがままならない方もいらっしゃいました。もしくはその逆で、カレールーだけ届き材料がないためカレーを作ることができないという声も。
配給として届けられるものに決まりはないようで、様々な方の投稿を拝見すると調理済みのものや温めるだけのレトルト食品はあまり多くなく、野菜や肉などの素材が多いように感じました。


このほかにも様々な投稿がありました。面白くクスッと笑ってしまうような投稿もありましたが、厳しい中生活されていることをリアルに感じる投稿でもありました。また、徐々に解除の動きが進められていますが、依然として市中感染への警戒は強く、陰性が証明されないと外出できないというのは変わらず続いているようです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。次回もお楽しみに。

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