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日本のフルーツは高い!実は歴史深い“フルーツを贈る”文化

みなさんこんにちは。短い梅雨が終わり、暑さが猛威を奮う夏がやってきました。急な夏の訪れに身体がついていかないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな時はビタミン、ミネラルなどの栄養を積極的に摂取しましょう。もちろん、水分補給も重要です。

ビタミンなどの栄養を補給する際、みなさんはどのような方法をとっていますか?食べ物で摂取する方、サプリメントでカバーする方、様々いらっしゃると思います。今回はビタミンを多く含む”フルーツ”に注目したいと思います。

日本は四季折々のフルーツが楽しめます。いまの時期、初夏〜夏にかけてはさくらんぼ、メロン、桃、スイカなどがありますね。スーパーの果物売り場にもその時期の旬のフルーツが並んでいます。

そんな、日本の”フルーツ”
中国やベトナムなど海外出身者の方々に聞いてみると皆さん揃って『日本のフルーツは価格が高い!』といいます。

安心、綺麗、おいしい から価格が高い

日本のフルーツがアジア諸国と比べて高いと感じる理由の一つに、【日本の農作物の品質が高いから】という事情があります。日本の消費者が安心で安全な食べ物を求めているのです。作り手や販売元はそれに応えるために作り手の顔や名前がわかるサービスを提供したり、消費者によっては作り手から直接農作物を購入する人も増えています。安心安全を担保する分、日本のフルーツは高いと言われています。

初競りは高い

その年にはじめて行われる、市場での競り売りのことを「初競り(はつぜり、はつせり)」といいます。ニュースで初競りが行われたことが報じられたのを見たことがある方も多いと思います。

この初競り。いつも驚くほどの高値が付けられていると感じたことはないですか?今年(2022年)の5月下旬に行われた「夕張メロン」の初競りで、最も高い値が付けられたメロンはなんと2玉で300万円!たしかに、夕張メロンは甘みが強く、贈答用としても人気の商品ですが2玉で300万円とは驚きの価格です。

他にも、ブランド柿が2個で約90万円や、ブランドぶどうが1房140万円など、かなりの高値がついています。

なぜ初競りは高い?

これほどまでに高値が付いている理由を調べてみました。

先ほどのメロンほど高値をつけた場合は別ですが、基本的に初競りにかけられるものは、その年にはじめて出回るものであり珍しいものです。品質もよく珍しいということで価値があり、小売価格は高くても売れるといわれています。そのため、高値で落札しても比較的利益が確保しやすいのです。

日本には「初物七十五日(はつもの しちじゅうごにち)」という言葉があります。初物を食べると75日寿命が伸びるという言い伝えです。この言葉からも、初物をありがたがる文化があるようです。

さらに、初競りは「ご祝儀相場」「ご祝儀価格」と呼ばれることもあり、今年はじめての競りに際してお祝いの意味を込めて、買い手が気前良く高い価格を提示するという文化もあるようです。

広告宣伝としての役割も大きいようです。【初競りでメロンが2玉300万円で落札されました!】というニュースは、都市部だけでなく地方でもニュースや新聞で報じられます。その際に、フルーツのブランド名や落札した買い手の情報が掲載され、それが宣伝となるのです。

日本、中国 フルーツはいくら?

初競りの価格は日本人からみてもぎょっとするくらいの高値ですが、一般的なスーパーで販売されている価格はどうなのでしょうか?日本国内で生産されている🍑桃、🍎りんごに注目し、一般的なスーパーで販売されている価格(2022年5月時点)を調べてみました。(データ参照元:おねだんノート

ももの価格

🍑桃 日本の価格
一般的なスーパー 1パック(2玉):548円 1個あたり274円
デパート 贈答用 1箱(5玉):10,000円 1個あたり2,000円

一方で中国国内の販売価格を調べてみました。

中国で販売されている桃の価格(一番左のみ贈答用)

🍑桃 中国の価格 1個当たりの価格(左から順に)
345 円 デパート 贈答用
136 円 以下一般的なスーパー
79 円
110 円
97 円

その違いをみてみると、贈答用に関しては日本は中国の約7倍高く、一般的なスーパーに関しては2~3倍ほど高いことがわかります。

りんごの価格

🍎りんご 日本の価格
一般的なスーパー  1個198円
デパート 贈答用 1箱(6玉):7,000円 1個あたり約1,166円

一方で中国国内の販売価格を調べてみました。

中国で販売されているりんごの価格

🍎りんご 中国の価格 1個当たりの価格(左から順に)
55 円
89 円
74 円
64 円
79 円

りんごに関しては、日本の一般的なスーパーで販売されている価格で比べても中国の約2~3倍ほどの価格です。贈答用のフルーツだけではなく一般的に家庭で食べる用のフルーツに関しても、中国と比べると高いことがわかりました。

日本のフルーツは贈るもの?

記事の前半では高品質のため価格が高くなっているという側面についてご紹介してきました。形や色が完璧なものが求められ、中身は変わらなくても少しでも傷や汚れがあると販売できないことも多々あります。

一方で、日本人の果物に対する考え方や、文化にも興味深いものを見つけました。

フルーツは贈答品

日本では、フルーツを贈答品として扱っている側面があるといいます。特に都市部のデパートでは、ショーウィンドウに丁寧に包まれたフルーツが並んでいます。その様子はさながら宝石のようです。これらは自宅で食べる用ではなく、贈り物としてのフルーツです。

高級フルーツで有名な千疋屋では、総売り上げの約98%が贈答品だといいます。贈答品であるならば、見た目の美しさや均一さは最低条件です。

海外ではフルーツを贈答品とする文化はあまりないようです。特に欧州圏ではフルーツは水分とビタミン源という感覚が強く、見た目の綺麗さや均一さは日本の贈答用ほど重要視されません。大きな畑に大量にフルーツを栽培し、日常食として親しまれています。

ちなみに、贈り物としてフルーツを選ぶ文化は思いのほか歴史深く、かつては武士が将軍にメロンやみかんなどのフルーツを贈っていたとも言われています。

中国ネットユーザーの反応

日本のフルーツが高価であることに対して、中国ネットユーザーの反応をご紹介します。日本のさくらんぼが1粒あたり4万円で落札されたことに対してのコメントです。


今回はフルーツに着目してご紹介しました。日本に生まれ育った方からすると、中国で生産・販売されているフルーツがとても安価であることに驚きます。背景を調べてみると様々な要因があることにも気付かされました。最後まで読んでいただきありがとうございます。次回もお楽しみに!

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