「怒り」を観た

「怒り」という映画をご存知だろうか?

かの有名な「君の名は」と同じ年に公開され、そこまでの反響がなかった邦画だ。
まあそらそうだよね、あの年は「君の名は」以外の映画で思い付くものないもん。
全然私は知らなかったんだけど、友達から何度も何度もおすすめされたので、先程やっとこさ観ました。
結論から言います。面白くはありません。
人によっては胸糞映画だろうし、トラウマをほじくり返すようなものかもしれない。
でも、個人的には悪くなかった。
私が思う「怒り」の見所をネタバレしない範囲で書いていきます。

俳優陣が豪華すぎる

これを言っちゃあずるいのかもしれないけど、やっぱり演技が素晴らしい俳優陣が勢揃いしてた。
大御所渡辺謙に始まり、妻夫木聡、森山未來、松山ケンイチに綾野剛!
もうこれだけで邦画のスーパースターが揃ったのでは!?って感じだよね。
女性陣は宮崎あおい、広瀬すず、高畑充希などなど。
高畑充希は出番の多い人物ではないんだけど、それでもキーを担う役でしっかり爪痕残してた。
あと若手で言えば佐久本宝。
最近別のドラマでも観たことあるんだよなぁと思ってWikipediaを調べてみたら、この「怒り」のオーディションを勝ち抜いて初映画デビューしちゃったらしい。思ってた以上に実力派だった。
出演者ごとに色々と話したいことはあるけど、そんなことしたら確実にネタバレしてしまうので割愛。
ただどの演者にも共通して言えるのは、「これぞ邦画だぁ〜〜〜〜〜〜!!!!」って日本に生まれたことを誇りに思うほどの演技力がある。
日本人特有の繊細さを表現出来る演者は日本人だろうし、その演技を楽しめるのは日本人の特権なのだろうね、たぶん。

構成が絶妙に奇妙

ストーリーが面白いというよりは、構成で魅せてくる映画でした。
そしてちょっとだけ(私には)難しかった。
でもその難しさというか、奇妙さが絶妙で、途中から「次はなんなの?」「結局のところどうなんだい!?」ってぐいぐい引き込まれてしまった。
あと、カットの使い方がすごくすごく綺麗で滑らかなのもよかった。
お弁当の話があったシーンの次は、コンビニのおにぎりコーナー。
誰かが振り返った景色は、別の誰かの景色。
そんな風に滑らかに別の展開に移るコマ割りは観ていて心地良かったね。
なんか評論家ぶってるように見えるかもしれないけど、これ実際に観たら分かるから!観て!!

「怒り」というテーマについて

これは万人共通の感覚かどうかは分からない。
私個人の感想ね。
この映画はタイトル通り、人間が抱く「怒り」という感情がテーマになってる。
でも正直な感想としては、「これって怒りの感情を表現してるの…?」と思う場面が多かった。
演者も怒りをあらわにしてる人はわずかで、それ以外の人は怒りというよりも「罪悪感」を表現してるように思えた。
相手を信頼出来なかった自分に対する罪悪感。
でもこれって、自分に対する「怒り」なんじゃないの?
愛してる相手を信頼し切れなかった自分に対して、自分自身がすごく怒ってる。
私にはそう見えた。
もちろん表現してる罪悪感や怒りの中には、悲しみ、虚しさ、苦しさ、感謝、いろいろな意味が込められてると思う。
それを表現している演者はすごかった。やっぱ日本の俳優陣は最高だべ。
はい、最初の話に戻ってきたところでまとめとしましょう。

まとめ

人間が放出した感情を目の当たりにする覚悟があるならば、ぜひ「怒り」を観て欲しい。
その覚悟がなければあまりおすすめしない。

以上、映画感想会でした。

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