見出し画像

休校、3週目が始まりました

小・中・高・特別支援学校の全国的な休校が始まって3週間目となりました。近くの公園では、夕方になると子どもたちがチラホラと姿をあらわし、伸び伸びと、でも少し距離をとって遊んでいます。子どもや保護者、先生はどんな日々を過ごしているのでしょうか。いくつか聞かせていただいた声を書き留めます。子どもの数だけエピソードがありますよね。

中学3年生。私学だから、高校も一緒の子が多い

「正直、休校と聞いた時は『ラッキー』な気持ちがデカかったかな。公立の子は卒業でバラバラになるけど、自分たちは高校も一緒。LINEで連絡とったり、オンラインゲームで遊んだり、変わらない。卒業式は卒業学年と先生だけ。変更については特に何も感じない。毎朝、オンラインで出欠確認があり、課題が送られてくる。分量はそれほどではない。外出は少なくなっていて、出る時はマスクつけてます。コロナの影響で、ガセ情報でモノが買い占められたりするから、情報を見極める力が必要だと思います。」
 

小学校2年生。体育がなくなってつまらない(by母)

「朝から学童に行ってます。『体育がなくてつまらない』と話していますがお友達とは会えていて、班活動や運動遊びもあります。いつも休みの日は友達と公園で遊んでいましたが、土日も遊ばなくなりました。その分、家で楽しめる工夫をしています。2週間目の月曜日に学校から課題のポスティングがあったので、仕事を休んで一緒に取り組みました。学校からの連絡はメール配信。配布されたプリントは『次学年の最初に復習する』と書かれています。ぜひ、してほしい。家では限界です。」

小学5年生。子どもが不安がっている(by父)

「学校からのプリントに『休校中の過ごし方』が書かれているため『出かけよう』と誘っても『ダメ』と断られてしまいます。学校からの連絡は、休校になる時のプリントだけで、そのままです。課題はたくさん出ていて、他の課題は郵送と連絡がありました。子どもたちは、午前中は頑張るけれど、午後はメディア。体を動かしたり、母とエプロンを作ったりもしています。子どもはニュースを見て怖がっているので、不安が和らいでほしい。親同士で情報交換する予定です。観光客はゴソッと減っています。」

窓を全部、開け放ち、中学校の卒業式を開催(by先生方)

卒業式の出席は感染拡大防止の観点から「卒業生+先生」「卒業生+保護者+先生」「卒業生+保護者+先生+在校生」など学校により、組み合わせは様々。体育館の足元と2階にある窓を開け放って換気し、風がスースーと吹き抜ける卒業式もあったようです。生徒も濃厚接触禁止は承知だけれど、思わずハグしたり、親密に集まろうとする中学生らしい姿や「会いたくて、会いたくてたまらなかった」という表情が微笑ましい。「引き離すのが大変でした」と先生。「日頃は不登校の子も登校日に出席して嬉しい」などのお話も複数ありました。


小学校の分散登校。自然発生的に始まる遊び(by先生方)

学年ごとの分散登校は「本当に嬉しそうです」。ボールを使わないなど、ルールを設けてはいるが「帰り際にはアチコチで自然発生的に遊びが始まっています」。休校期間中、児童がやむを得ない事情で登校する学校も、全く登校しない学校もあります。でも、子どもたちも何となく、たくさんで集まるのは避けている感じ。教員の家庭では、ひとりで留守番をしている子どもが泣いて職場に電話をかけてくる時もあり、みんなドキドキしながら、配慮しあって、粛々と仕事を進める毎日だそうです。

頑張らせ過ぎないでいい。野尻紀恵教授に聞きました。

日本福祉大学でスクールソーシャルワーカー 養成に取り組む、野尻紀恵教授にお話を伺いました。

「最初の1週間は、少し早い春休み気分もあったかもしれませんが、親子・きょうだい密着のストレスが溜まります。学校と同じペースを崩してはならない気持ちもありますが、家庭で決まりを作り過ぎると守れなかった時に腹がたってしまいます。お互いに守れなさそうな約束をしないのが、良好に過ごすコツと言えます。

家庭で食事がとれているか、心配な子もいます。校長先生から心配の声を聞きます。学校だけではなく子どもと一緒にお母さんも息抜きできるような『預け場所情報』を、積極的に学校のホームページに掲載するなどの取り組みがあればいいと思います。NPOをはじめとする民間情報も学校が積極的に発信する。学校協議会や民生委員、主任児童委員などにお願いをしておくと、市町村の情報は集まってきます。

学校に来ることで安心が保たれていた子どもは、スクールソーシャルワーカーが家庭訪問をするなど動いている自治体もありますが、学校からも、行政の子育て支援担当課に相談を持ちかけましょう。ためらわずに相談をしてください。

今回の休校は、突然、子どもたちから学校を取り上げる形になりました。その日、私のいた学校では『本当にこれで終わりなの』と泣いている子どもたちがいました。あまりにも突然で、納得感が持てない。この後、ケアの必要性も現れてくると思います。終わり方が突然だったからこそ、新学期をうまくスタートを切れるようにしたい。

次の学年が始まったら、まずは、子どもたちに存分に語らせてあげてください。例えば、『突然。2年生が終わってしまったね。3年生はどんなスタートを切りたい?』と子どもたちに問いかけながら、休みの中の大変だった話や楽しかったエピソードなどを十分に聞いて、学級びらきをする。そういう時間を十分にとらないと、大切な何かを置き去りにしてしまいます。教室で先生が上手にワークショップができるといいですね。」

新学期を楽しくスタートする

大学が新年度入学式を延期、中止するなど。新学期のスタートに見通しが持てない状況が続いています。4月以降どうなるのか、いつ始まるのかを、誰もが手探り状態の中、今、できるコトを進めています。

しんどくなったら、声をあげていい。感染拡大防止に気をつけながら、今、できるコトを探す。創り出す。それは子どもも大人も同じです。家庭や学校、地域で今、できるコトを進める延長に、これまでとは違う新しい日々、新しいスタイルや日常が見えてくるはず。アフターコロナ。収束、終息を見据えつつ、転んでもただでは起きない「今」を大切に過ごしたいですね。

新学期、楽しいスタートになりますように。 

 











この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?