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スペシャル解剖学【腹斜筋】

腹斜筋というのは内腹斜筋外腹斜筋の2つを言います。



起始停止

外腹斜筋
起始:第5〜12の肋骨
停止:腸骨稜の外側唇、鼠径靭帯、腹直筋鞘の前葉


内腹斜筋
起始:腸骨稜の中間線、鼠径靭帯
停止:第10〜12の肋骨、腹直筋鞘、精巣挙筋

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写真では内腹斜筋の前がぽっこり空いてますが、本来はここに腹直筋があり、腹直筋鞘に付着しています。



作用

外腹斜筋
1.体幹の回旋(反対) 2.側屈(同側) 3.前屈、胸郭の引き下げ
内腹斜筋
2.体幹の回旋(同側) 2.側屈(同側) 3.前屈、胸郭の引き下げ


右側に回旋している時というのは、右側の内腹斜筋と、左側の外腹斜筋が連動して働いています。
つまり右の内腹斜筋と左の外腹斜筋は筋連結をしていると言えます。(逆も然り)




骨盤の上がり方の違い

外腹斜筋が硬くなると、筋の走行上骨盤は外向きの上に引き上げられます。

反対に内腹斜筋では、内向きの上に引き上げられます。

どちらにしろヤコビー線が上に上がるという意味では変わりませんが、骨盤が外か内どちらに上がっているかで判断することができます。




腹腔内圧との関係

肋骨が上に広がっている人は、腹腔内圧が弱いと言えます。

普段から息を吸うときに肋骨が広がっているような人や、普段から腰を反ってしまって脊柱起立筋が短縮位になっているような人は、腹斜筋が機能不全であると多くの研究で分かっています。

特に腸骨稜の外側唇に付着している外腹斜筋よりも、腸骨稜の中間に付着している内腹斜筋の方が肋骨をより下に下げるので、腹腔内圧を高めるという観点においては内腹斜筋を鍛えるのが効率的と言えます。




リブフレア

肋骨が広がってしまっている状態。
横隔膜が上手に機能していない状態とも言えます。

内腹斜筋が働くことで肋骨がぐっと下に下げられ、横隔膜をうまく働かせることができます。
つまり腹式呼吸が出来るようになります。

腹式呼吸ができるようになると自律神経のコントロールができるようになったり、腰回りの安定化ができるようになるため積極的に鍛えると良いと思います。




ウエストとの関係

腹斜筋群が弱い人は肋骨が広がり、寛骨が抑えられていない状態なので骨盤も広くなってしまいます。
そうすると必然的に大転子の位置が外側に開き、足が太く見えてしまいます。

特に内腹斜筋を鍛えてあげることによってこれらを防ぐ、あるいは改善できるのではないかと思います。




呼吸

息を吐くときに使われます。吸うときというのはむしろ緩んでいます。

硬くなってしまうと肋骨が下に引っ張られるため大きく息を吸えなくなります。

すると肩をあげて無理やり胸郭を広げて息を吸おうとします。それが何回も繰り返されることで肩こりにつながります。

なので腹式呼吸を練習するということは大切だとわかります。




筋膜と他の筋肉との繋がり

胸腰筋膜と筋連結を起こしています。胸腰筋膜というのは腰椎のスタビリティを保つ上で欠かせない非常に重要な筋膜になります。

胸腰筋膜を介して筋連結を起こしている筋肉は他にも、腹横筋や腰方形筋、大腰筋、多裂筋、アウターで言えば脊柱起立筋や広背筋、大臀筋があります。

腰椎の安定性を保つ上で非常に大切な筋肉になってきます。




重心との関係

腹斜筋群が機能不全になると、肋骨が開いて腰が反ってしまい胸郭体と骨盤の距離が遠くなります。
すると、歩行動作時など重心が安定しなくなります。

腹腔から胸郭と骨盤の一体感を作ってあげることがパフォーマンスアップにもつながります。




連結

外腹斜筋に関しては、前鋸筋や菱形筋

内腹斜筋に関しては、長内転筋から後脛骨筋、拇指内転筋に連結しています。

このことからわかるのは、腹筋をするときになぜ足を閉じるのかというと、長内転筋と筋連結を起こしているからということがわかります。

感覚的に足を閉じた方が腹筋に効くよねってことでなく、腹斜筋は筋連結上で長内転筋から後脛骨筋、拇指内転筋とつながっているから効きやすいよ。と説明できた方が説得力もあり、GOOD!

これらがわかるとボールを挟むのは内転筋だけではなく、下腿、そして足にも挟んだ方が効果的なのではないかと考えることができます。





以上です!!

ウエストを引き締めるという意味でも内腹斜筋のトレーニングはオススメですし、立体感のある腹筋を作るためにも外腹斜筋を鍛えるのもありなのではないでしょうか!!

それでは次の記事でお会いしましょう、さよなら!!!




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