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【読書】獣の奏者外伝 刹那/上橋菜穂子 今この時に、この本に出会えてよかった

みなさんこんばんは。
私は今日、夫が珍しく早く帰るというので、娘の世話を任せてスタバに来ています。
あぁ、夜に出歩けるなんて…幸せ…!

さて、今回はこちらのお話です。

あらすじ

児童文学のノーベル賞にあたる、国際アンデルセン賞作家賞受賞!  本編では明かされなかった空白の11年間にはこんな時が流れていた! 王国の行く末を左右しかねない、政治的な運命を背負っていたエリンは、苛酷な日々を、ひとりの女性として、母親として、いかに生きていたのか。時の過ぎ行く速さ、人生の儚さを知る大人たちの恋情、そして、一日一日を惜しむように暮らしていた彼女らの日々の体温が伝わってくる物語集。単行本未収録の書き下ろし短編「綿毛」も収録。

Amazonあらすじより

所感&今この時にこの本を読めて本当によかった

先日、上橋菜穂子の香君を読み、上橋菜穂子熱が再燃していた私。
とりあえず、Kindle Unlimitedに入っていた獣の奏者を読み返しておりました。

そうしたらば、獣の奏者を読んでいた当時は発刊されていなかった外伝を発見。
こちらもKindle Unlimitedだったので続けて読んでおりましたら、、、もう胸にグサグサと。

ちなみに獣の奏者本編はこちらです。

獣の奏者というお話は、エリンという少女が、過酷な運命や掟に抗いながら生きていく様を描いているお話なのですが、全4巻のうち2巻と3巻の間に11年の歳月が空いているんですね。その間の出来事を綴ったのが今回の外伝、刹那です。

この中で、エリンの出産シーンが夫であるイアルの回想と共に出てくるのですが、臨月に行ったむりがたたって難産となってしまいます。
最後の最後、生まれるまでの描写がとても熱を帯びていて。
母親の命がけの出産って、こういうことなんだろうなぁ、と、少し羨ましく思いました。
助産院で、分娩台で産むのではない「自然なお産」が憧れられる理由はこのへんにあるのかな、なんて思ったり。

赤ちゃんと自分で力を合わせて生まれてくる感じ。そこに医療行為というものが存在せず、二人しかいない。
私はうまく行った出産を行った経験がないので、無事に生まれて来るだけでいいじゃん、と卑屈に思っていたりするんですが、この本を読んで何故かふとそういうことが浮かびました。今不妊治療しているから余計にそうなのかな。

はぁ…と余韻に浸っていたのも束の間、あとがきで上橋先生が「人生の半ばを過ぎた人へ」と!人生の半ばが何歳を指しているのかはわかりませんが、最近大体70歳くらいをゴールとして考えようかな(人生100年時代を生き抜く、とか言ってる割には)と最近思っている私としては、今じゃん!と思いまして。

30代半ば、これからの人生を考えるにあたり、子を思う母、出産し母となる瞬間、キャリアを目指す女性、がぎゅっと詰まった本を今読めたことがとても嬉しく思いました。
きっと、20代半ばに読んでいたらここまで心に響いていない気がする。

やはり、他にも本っていうのは読む時期によって感じ方が変わるな、とヒシヒシと思います。また10年後とかに読み返してみようかな。

それを抜きにしても上橋菜穂子は面白すぎるので、ぜひみなさんお手に取ってみてください!

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